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シンプルに徹した構成で、「短い時間で伝わりやすく」をモットーにした天気予報

株式会社テレビ東京報道局 取材センター 気象・災害担当 荒川 修平さん
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"「肌感覚」が伝わる天気予報がテレビの強み。 細かな要望に真剣に向き合ってくれる日本気象協会と理想のシステム開発を目指します。"

日本気象協会のサービスを導入したいきさつは?

荒川さん  以前は日本気象協会から配信された気象データを元に、別のメーカーのシステムで天気図などのCGを作っていました。しかし、2016年11月の新本社への移転をきっかけに、天気予報番組に使うシステム全体を日本気象協会にお願いすることになりました。データの中身を理解している会社がCGを作った方が無駄がなくわかりやすくできますし、コストの削減もかないました。

さらに今回は、気象予報士の派遣も依頼しました。これまでも気象予報士が常駐していましたが、システムに不具合が出ても関与できなかったんです。何かトラブルがあった場合に、社内に日本気象協会の人がいてくれるという大きな安心感があります。

システムやサービスを導入してみて、いかがですか?

荒川さん  システムが非常に安定しています。不安定なシステムというのは、分かりやすく言えば古いパソコンを使うようなもので、途中でフリーズしてしまうことがありますよね。それが放送中に起これば放送事故になりますから、当たり前のことのようですが、システムが強固であることは最優先事項です。

テレビ東京の天気予報番組の特徴とは?

荒川さん  テレビ東京は年齢の高い視聴者が多いんです。ですから50〜60代の視聴者に好んで見ていただける天気予報番組を目指しています。同時に経済番組も多いので、多忙なビジネスマンが必要としている最低限の情報をしっかりと伝えられること。シンプルかつ短時間でさっと天気を把握できるような構成を意識しています。

天気のマークがシンプルな印象があります。

荒川さん  お天気マークは天気予報の”顔”です。私たちが目指している短い時間で必要な情報を得らえる番組には、パッと見て分かりやすいマークが適しています。それにひとくちに天気予報といっても、朝の硬派なニュースだったり、ワイドショーだったりとさまざまな番組に入るので、どんなテイストにも対応できるマークがいい。自ずとデザインは決まってきますよね。

現在はインターネットで天気予報をチェックする人も多くいます。
テレビだからこそできる天気予報とはどのようなことが挙げられますか?

荒川さん  好きな時間に知りたい地域の天気予報が見られたり、1時間ごとの気象情報を得られるなど、利便性だけとればインターネットには勝てないでしょう。7時に起きて7時半に家を出る人がいるとして、その30分の間にテレビで天気予報が放送されていなければ見られませんから。
それでもテレビだからこそ伝えられる天気予報があるとしたら、それは”肌感覚”だと思うんです。お天気マークや、気温や降水確率などの数字だけでは伝わらないことがあるんですよね。例えば「今日の天気は晴れ。気温は10度」というデータがあっても、風がなければ暖かく感じるかもしれないし、前の日の気温が高かったか低かったかによっても感じ方は変わってきます。データに加えて「風がないので暖かく感じるでしょう」や「昨日より気温が下がります。1枚多く羽織ってお出かけください」というところまでを原稿にする。また、災害が起きる兆しのある気象状況のときには、「危ないんだ」と言うことが直感的に伝わるよう、その場で天気を感じる人の立場で伝えることがテレビの天気予報の一番の武器になるのではないでしょうか。

そのために日本気象協会に求めることとは?

荒川さん  どうすれば気象データを肌感覚に置き換えられるのか、それをどう伝えたらいいのかを一緒に考えていきたいですね。単なるデータから「この地域の人が外に出たらどう感じるだろう」ということを言葉や音に置き換えて伝えることが、テレビの一番の武器だと言いましたが、実はこれが一番難しい。東京の屋内のスタジオで、他の地域の天気を肌感覚で伝えるわけですから。「こういうデータならば、こう感じるはずじゃないか」というところまで落とし込んでもらえたら、と思っています。

日本気象協会のサポート体制についてどのように感じていますか?

荒川さん  導入したシステムをリモートで常に監視してくれているので、データがうまく流れないことがあっても、すぐに対処してもらえるという安心感があります。また、日本気象協会にテレビ東京のシステムと同じ環境を作って下さっていて、新しい試みを取り入れる場合も、必ず日本気象協会内でテストしてから持ってきてくれるんです。こちらの要望への対応もスピーディで誠実さが感じられます。

日本気象協会のサービスを活用した新しい計画などあれば教えてください。

荒川さん  今回のシステムの導入そのものが、テレビ東京と日本気象協会にとって新たな試みと言えると思います。元々、日本気象協会には人手をかけずに自動で天気予報番組を作ることができるという既製のシステムがあり、それを我々のように常に数人の気象担当者がいる、人手をかけられる放送局でうまく運用できるようにしている最中です。 今後は、天気図などに加えられるマークや文字を、我々放送局側で簡単にアレンジできるよう、工夫してもらっている段階。まさに現在進行形のプロジェクトなんです。これからもお互いに協力し合い、よりよいシステムを作ることができればと思っています。

* 取材時期 2017年3月
* 記載内容(役職、数値、固有名詞等)はすべて取材時の情報です。