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2011.12.13

東日本大震災の津波による気圧変動に関する論文が 「Nature Geoscience」に取り上げられました

一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:松尾 道彦)の新井伸夫らは、東日本大震災の巨大津波が発生した時に生成された気圧変動について、東京大学地震研究所の綿田辰吾助教、今西祐一准教授と共同で観測データを分析し、その成果を米国地球物理学連合(American Geophysical Union)の学会誌「Geophysical Research Letters」に発表*しました。新井らの論文は、その内容が評価され、「Nature Geoscience」2011年11月号の『Research Highlights』欄に取り上げられました。
「Nature Geoscience」  http://www.nature.com/ngeo/journal/v4/n11/full/ngeo1316.html
*N. Arai, M. Iwakuni, S. Watada, Y. Imanishi, T. Murayama, and M. Nogami (2011), Atmospheric boundary waves excited by the tsunami generation related to the 2011 great Tohoku‐Oki earthquake, Geophys. Res. Lett., 38, L00G18, doi:10.1029/2011GL049146.
 
【津波による気圧変動】
大地震によって津波が発生したとき(海面の隆起・沈降がすばやく広い範囲で生じたとき)、海面に接した大気は圧縮あるいは伸張され、気圧の変動を生み出します(図1)。東日本大震災のときにも、そのようにして生まれた特殊な気圧変動が観測されました。今回、「Geophysical Research Letters」に発表した論文で取り上げた観測記録のうち、岩手県奥州市水沢区にある国立天文台VLBI観測所で得られた記録を示します(図2、3)。
水沢では、東日本大震災の本震による短周期の気圧変動を観測した後、14時53分から15時12分にかけて、特徴的な気圧変動を観測しました。これが、津波が生まれたときに発生した気圧の変動です。水沢の気圧変動の記録は、三陸沖に設置された水圧計が記録した津波波形とよく似ており、気圧変動の中で振幅の最も大きな波は、岩手県大船渡市に津波の最大波が到達した時刻(15時15分)より早く、15時頃に到達しています。
津波によって発生した気圧変動は、生まれたときの状態(形)を保持したまま、津波よりも速く長距離を伝播します。このため、津波によって発生した気圧変動を観測することで、より早く津波の形状、規模を推定できる可能性があります。日本気象協会では、さらに詳しく観測データを分析し、津波情報への活用の可能性、解析手法などを検討していきます。

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図1 津波による気圧変動

図2 ▲:気圧変動の観測地点

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図3 国立天文台水沢VLBI観測所の観測記録
(2011年3月11日)

  国立天文台水沢VLBI観測所の田村良明博士には、観測データの利用に便宜を図っていただきました。記してここに謝意を表します。

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