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「需要予測の精度向上による省エネ物流プロジェクト」を語るインタビュー/対談

気象情報に基づく高度な需要予測の共有で、流通が変わる

経済産業省の補助事業である「次世代物流システム構築事業」の一環でスタートした「需要予測の精度向上による省エネ物流プロジェクト」。3年の期間を経て、いよいよサービスの実用化へ向け、スタートを切ろうとしています。
そこでより多くの人々にプロジェクトの内容をお伝えするべく、関係者へインタビュー。
第一回は経済産業省の加藤彰二さんにお話をうかがいました。

今回のプロジェクトはどのようないきさつで始まったのでしょうか。

加藤さんみなさんご存じのように「食品ロス」は大きな社会問題のひとつです。経産省だけでなく、政府全体でその削減に取り組んでいます。
「食品ロス」は食べ物がもったいないというだけが問題ではありません。必要のない商品を運ぶ、あるいは返品のために運び直すという物流の問題でもあります。
そこに日本気象協会から事業の提案がありました。気象情報を利用することで商品の需要予測の精度を上げ、必要な商品を効率的に運べば、結果、返品や廃棄が削減されるという魅力的な内容で、プロジェクトに参加いただくこととなりました。

なぜ日本気象協会の事業が採用されたのでしょうか。

加藤さん事業の採用については、有識者の方々による審査で決定されていますので、あくまでも私の考えという前提でお話します。
需要予測という考え方は以前からありました。小売業者が独自に予測し発注をかける、いわゆる「カンと経験と度胸」の世界ですので、誤差が非常に大きかったというのが正直なところではないでしょうか。しかし今回、日本気象協会から提案があった需要予測は、気象データと販売データをAIで解析するという科学的思考がコンセプトに含まれていましたので、私個人としても、どれほどの精度があるのか非常に興味を持ちました。
また、メーカー、卸売、小売、それぞれの事業者が精度の高い需要予測の共有を目指す点に可能性を感じました。

小売事業者にとって品切れ、つまり販売の機会ロスは大きな危機を感じる状況です。そのため例えば、小売業者は需要を10と予想したら余裕をもって12、13を仕入れます。するとそれに対して卸売業者は、15ぐらいは置いておこう、と。そしてメーカーは20ぐらい作っておこう、というように、機会ロスを防ぐためにそれぞれが少しずつ多めに作ったり在庫を持ったりします。これが食品ロスや物流の無駄が生じる原因のひとつになっています。小売業者、卸売業者、メーカーで共通の需要予測を導入できれば、この無駄を防ぐことができます。

スタートして3年が経過しましたが、当プロジェクトへの加藤さんの評価はいかがでしょうか。

加藤さん2015年度の結果ですが、ある企業が当プロジェクトの需要予測を導入したところ、豆腐で3割、冷やし中華つゆで2割弱の食品ロスの削減を実現されています。しっかりと目に見える結果が出たことは素晴らしいと思います。
物流を効率化してCO2が削減されるという結果が重要なのですが、多くのプロジェクトの成果は一般の方々にとっては見えにくく、どんな効果があるのか理解されにくいものです。しかし食品ロスの削減は、多くの方がイメージしやすい「無駄の削減」でしたので、テレビや新聞など、さまざまな場面で取り上げていただくことができました。社会的な関心を引き起こしたという意味でも、良いプロジェクトであると考えています。

今後、事業として展開するにあたってどのような課題があるとお考えですか?

加藤さん最も重要なのは(需要予測サービスの)導入規模です。現在は豆腐や冷やし中華つゆなど限られた商品を対象にしていますが、部分的な商品に対してAIを取り入れても現場のオペレーションが増えるばかりで、効率的とはいえません。大切なのは、同様のオペレーションでより多くの商品の需要予測をできるようにすることです。また、特定の企業でしか取組が進まないのでは、食品ロス削減も省エネの効果も限定的です。今回のプロジェクトのような高度な需要予測をより多くの企業に導入いただくことで、より大きな効果が期待できます。商品の種類の拡大と、利用する企業の拡大。この2つをかなえる仕組みを作りあげていただきたいですね。

食品以外では、化粧品に取り入れられる予定があります。

加藤さん需要予測の導入は、豆腐などの消費期限が短い食品に対しては食品ロスを減らすという効果があります。一方で化粧品などの日用品は廃棄される機会は少ないのですが、売れなければ小売店から卸業者に戻される。あるいは物流センターにいったん戻して、別の店舗に移される。それが無駄な物流につながります。
食品だけでなく、さまざまな分野の商品に対する需要予測の精度を上げ、サプライチェーンで情報を共有し、必要な量を生産して適切な量を運ぶ。それがこのプロジェクトの目指すべき姿だと思います。

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