総合気象数値予測システムSYNFOS
日本気象協会
SYNFOSとは? FAQ 利活用の例 出力画像サンプル 台風などの事例紹介

SYNFOSとは?
ここでは、総合数値予測システムSYNFOS(シンフォス)の概要、運用などを説明します。
あわせて今後の改良予定にもふれます。
  1. SYNFOSの概要
  2. MM5( 5th Generation Mesoscale Model)とは?
  3. SYNFOSの運用
  4. SYNFOSの有用性と課題
  5. 今後の改良予定
  6. SYNFOSの利用方法

1. SYNFOSの概要

SYNFOS(シンフォス)とは日本気象協会で開発中の総合数値予測システムのことです。
ギリシャ語で雲を意味する「synnefo」と、数値予報システム「Numerical Forecasting System」の頭文字を組み合わせています。
コアとなる予測モデルは、メソスケールを対象とし、 米国ペンシルバニア州立大学とNCAR (National Center for Atmospheric Research)により共同開発された気象数値モデルMM5で、 当協会で物理過程の一部を独自に改良しています。
SYNFOSとは、このコアとなる予測モデルに、応用モデル等を含めた総合的なシステムの呼称です。
計算初期値として、気象庁のGPVデータ等を取り込んでいます。
SYNFOS→予報モデルの運用を中心とした予測システム全体
SYNFOSは、従来のモデルと比べて計算格子が小さく(高分解能)、短い間隔で更新するのが特徴です。
各種の数値予報モデルには、それぞれの特徴があります。
SYNFOSを気象庁モデル等と併用することで、局地的なシビアな気象現象を予知できる可能性がより高くなります。 またモデルの出力データを利用して、過去の現象の解明や観測所のない地点での雨量や風の推定などの応用が可能です。

SYNFOSの概要

項目 内容
予報モデル 非静力学予報モデルMM5をベースに物理過程を独自改良
初期時刻 00、03、06、09、12、15、18、21時(1日8回、3時間毎)
予測時間 初期時刻より0〜51時間(00Z、12Z)、その他0〜33時間
予測格子間隔 5km および 15km
予測範囲 15km格子予測 日本付近(北緯24〜46度, 東経125〜146度)
※緯度経度の範囲はおおよその値
 5km格子予測
   (3領域)
1.日本西部(九州・中国・四国)
2.日本中部(近畿・北陸〜関東・南東北)
3.日本北部(北東北・北海道)
予測発表時刻 15km格子予測: 初期時刻から3時間後(概算)
 5km格子予測: 初期時刻から4時間15分後(概算)
予測高度 地表〜100hpa
予測要素 降水量、降雪量、地上気圧、風向風速、気温、相対湿度、日射量など

2. MM5( 5th Generation Mesoscale Model)とは?

高い実績を持つ非静力学気象モデルで、ソースがホームページ上で無償配布されており(MM5のホームページ) 、世界で最も多く利用されていると推定されます。MM5を利用した研究成果が学術誌に多数掲載され、日本気象学会でのモデル利用研究発表でもMM5の利用が多数見られます。 現業予報モデルとしての実績も豊富です(韓国、モンゴル、米国空軍…)。
MM5のホームページ

3. SYNFOSの運用

予測領域 予測計算領域は2種類あります。 日本全域をまとめて計算する15km格子(下左図)、および日本全域を3つのエリアに分けて計算する5km格子(高分解能予測、下右図)です。

提供時刻

予測計算の結果は、計算のもとになる初期時刻(観測時刻)から、15km格子予測は3時間後、5km格子予測は4時間15分後に配信します。 初期値は、15km格子予測では気象庁のGPV、5km格子予測では15km格子予測の結果を利用します(ネスティング)。

予測要素

出力可能な予測要素は、地上および上層の気温、風向・風速、相対湿度、等圧面高度など、および地上の海面気圧、降水量、降雪量、降雹量、日射量などです。 またこの他、各種の指数(SSI, 渦度, 雨雪判別, 不快指数, 視程など)も出力します。 詳しくは出力画像サンプルのページをご覧ください。

4. SYNFOSの有用性と課題

SYNFOSの有用性

当協会でのこれまでの運用実績からSYNFOSの有用性としては、
局地的な豪雨、雷雨など不安定性降水の予測能力が高い。
気温予測の精度、雨雪判別が良く、冬の最低気温、冬型及び南岸低気圧の降雪の精度が良い。
気象災害(突風、竜巻)が起きるようなシビアな気象条件において、そのポテンシャルを示す。
気象庁配信データにはない要素を利用した予測が可能(ex 降あられ予測、日射量予測、発雷ポテンシャル)
が挙げられます。


高分解能予測の効果

分解能が約5kmのSYNFOSは、局地的な気象現象を細かく表現できるという特徴を持っています。
例えば2004年7月新潟福島豪雨では、 SYNFOSは、RSMとMSMが表現できなかった 強い線状の降水域を予測しました(観測値であるレーダーアメダス合成図R/A参照)。
詳しくは台風などの事例紹介のページをご覧ください。
一方、細かくすればするほど、特定のメッシュでは大きく予報がはずれる可能性も生じます。
これらの特徴を把握した上で実際に利用することが重要です。

5. SYNFOSの改良点について

2008年1月現在で、オリジナルのMM5に対して下記の改良を行いました。

初期値の高度化

ウィンドプロファイラーの同化
水物質の予報サイクル構築により初期の降水の予測精度を向上

物理過程の改良

乱流過程の改良(M-Y混合層の長さLの改良)
診断雲の導入
地表面物性値のSub Grid化
地表面物性値の最適化

6. SYNFOSの利用方法

現在、SYNFOSデータは当社の気象情報配信システムMICOSを通じてのデータ配信を行っています。
時期や提供条件、価格等についてはお問合せください。
なお研究等の目的で、過去の出力データの利用を希望される方は、当協会まで連絡ください。
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