日本気象協会、NEDO「翌日および翌々日程度先の日射量予測技術の開発」に採択される ~日射量予測の“大外し”低減に向けた新たな取り組みを開始~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「太陽光発電主力電源化推進技術開発研究開発項目(Ⅲ) 先進的共通基盤技術開発/翌日および翌々日程度先の日射量予測技術の開発」(以下「本研究開発」)に国立研究開発法人 産業技術総合研究所と共同で応募し、採択されました。
太陽光発電の主力電源化を推進するにあたり、「需給運用の複雑化」や「電力の安定供給」が課題となっています。そこで本研究開発では、これらの課題解決に必要となる日射量予測技術のうち、翌日・翌々日程度先を対象とした予測技術の高度化および“大外し”の低減に取り組みます。実施期間は2021年度から2024年度までを予定しています。
◆研究概要
太陽光発電は、日射量などの気象条件によって発電量が変動する不安定な電源です。したがって、太陽光発電量を精度良く予測するためには、日射量予測の高精度化が欠かせません。
日射量予測が大きく外れる、いわゆる“大外し”が発生すると、電力システムへ甚大な影響を与えます。具体的には、“大外し”によりバランシンググループ※1や一般送配電事業者などで生じるインバランス量が増大し、それに対応する調整力の確保量も増大することなどが挙げられます。また、FIT 終了電源※2の利活用や将来のFIT 制度からの自立化※3を見据えると、今後は太陽光発電事業者やバランシンググループ自らが、インバランスリスクを低減する目的で太陽光発電量を精度良く予測する必要があります。このため、従来以上に日射量予測技術の高精度化、特に“大外し”の低減に対するニーズが高くなっています。
そこで日本気象協会は、本研究開発を通じて、効率的な電力の需給運用の観点から重要となる、翌日および翌々日程度先を対象とした高精度な日射量予測技術を開発します。日射量予測に特化した気象モデルや複数気象モデル予測値の統合技術、アンサンブル予報※4に基づく信頼度予測技術などの開発を通じて、日射量予測技術の高度化および“大外し”の低減を目指します。
日本気象協会は、本研究開発の取り組みを通じて、太陽光発電の導入拡大と電力系統の安定化に貢献していきます。
◆本研究開発の実施体制

◆関連リンク
2021年度「太陽光発電主力電源化推進技術開発/研究開発項目(III)先進的共通基盤技術開発」追加公募に係る実施体制の決定について
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100325.html
◆日本気象協会 日射量予測サービス
・日射量・太陽光発電出力予測 SYNFOS-solar
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-05/
※1:バランシンググループ
幹事となる新電力事業者が複数の新電力事業者をとりまとめ、グループ内でインバランス(計画した需要量と発電量の差)の融通、電源調達を行うことで、小売電気事業の調達・需給管理業務の効率化を提供する機能。
※2:FIT 終了電源
太陽光発電の固定価格買取制度(FIT 制度)による調達期間が終了する電源。
※3:FIT 制度からの自立化
太陽光発電などの再エネ電源が、FIT 制度による政策措置がなくとも、電力市場でコスト競争に打ち勝ち、導入・運用されるようになること。
※4:アンサンブル予報
わずかに異なる大気の状態(初期値)から多数の予測を行い、その平均やばらつきの程度といった統計的な性質から、最も起こりやすい現象を予測する方法。
※「SYNFOS」は日本気象協会の商標登録(登録第4935276号)です。
以上