(ニュースレター)2019年2月 東京でのスギ/ヒノキ花粉の飛散量について ~2018年シーズンの振り返りと、2019年2月の花粉飛散量報告~
Press Release
■2018年シーズンの花粉飛散量との比較
2018年シーズンの花粉の飛散量は、2013年シーズン以来、全国的に例年より多くなりました。特にヒノキ花粉の飛散量が多い傾向があり、東京ではヒノキ花粉が過去10年で最も多く飛散したシーズンでした(例年比約4.9倍、2017年シーズン比約4倍の飛散量、日本気象協会の観測地点 調べ)。
2019年シーズンは、2月7日に東京都千代田区でスギ花粉が飛散開始となり、25日からピークに入りました。(2018年シーズン:飛散開始日 2/14、ピークイン 2/27)
この先の東京都心ではこの暖かさで飛散量が増え、4月上旬までスギ花粉のピークが続き、その後はヒノキ花粉のピークと続きますが、2018年シーズンほどの大量飛散にはならない見込みです。ただし、例年(過去10年の平均値)よりは多い予想ですので花粉症の方は注意が必要です。
◆2018年シーズンの花粉飛散量(スギ、ヒノキ)/2019年2月の花粉飛散量(スギ)※5日平均
![]() |
![]() |
◆2019年2月のスギ/ヒノキ花粉飛散状況(東京都千代田区)
※数字は「1cm2あたりの花粉の数」です
●日本気象協会 花粉飛散予測・観測担当より
今年のスギ花粉は、去年より飛散開始が早くなりました。さらに、去年は3月に入ってから3桁飛散量を計測しましたが、今年は2月下旬で3桁となっており、去年より早く本格的なシーズンが始まっています。ヒノキ花粉については、2月27日にカバーガラスの中に1個観測し、シーズンが近づいていることがわかりました。去年ほどの飛散量にはならない見込みですが、今年もスギとヒノキの花粉を合わせると例年以上に飛ぶ見込みなのでヒノキの本格シーズンに向けて心の準備をしています。
![]() |
東京都千代田区の過去10年間の花粉飛散量(2018年10月4日報道発表資料より抜粋) |
【参考】日本気象協会の花粉観測方法
日本気象協会では「ダーラム法」という観測方法で、スギ花粉・ヒノキ花粉を見分けながらそれぞれの個数をカウントしています。
① 風通しが良く、雨に濡れない屋外に設置した機器にワセリンを塗ったスライドガラスを24時間、据え置く。
※この手順によって、飛散している花粉がスライドガラスに付着します。
(日本気象協会の観測地点の一部ではスライドガラスが24時間ごとに自動的に次のスライドガラスに切り替わる
専用装置を独自で開発し、1週間分を観測しています)
② 24時間、屋外で観測した①のスライドガラスを回収。染色液をかけ、カバーガラスをかぶせる。
③ 顕微鏡を通して測定開始。カバーガラスの中に花粉がいくつあるか「目視で」数える。
日本気象協会では2019年シーズンよりモニターを導入し、顕微鏡をのぞいてピントを合わせた後は顕微鏡を操作しながら
モニターに表示された花粉をカウンターを使って数える。
④ ③で計測されたカバーガラスの中の花粉の数を、1 cm2あたりの数に換算し花粉量を出す。そして、換算した1cm2あた
りの花粉量を1日の花粉数として記録。
飛散開始日 : 1 cm2あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した場合の最初の日
ピーク開始日:【スギ花粉】 2日以上連続で50.0個/cm2花粉が観測された最初の日
【ヒノキ花粉】2日以上連続で30.0個/ cm2花粉が観測された最初の日
少ない :1 cm2あたり10個未満
やや多い :1 cm2あたり10~30個
多い :1 cm2あたり30~50個
非常に多い:1 cm2あたり50個以上
![]() |
![]() |
![]() |