TCFD提言対応等の気候変動影響評価
Services
事業活動に与える気候変動のリスクや機会の分析を通して、企業による気候変動への適応やTCFD提言への対応を支援します。
気候変動は、気温上昇や降水パターンの変化などの中長期的な変化に加え、猛暑、短時間強雨、干ばつなどの短期的で極端な気象も引き起こし、事業活動に様々な影響を及ぼします。
金融安定理事会(FSB: Financial Stability Board)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD: Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」による提言では、気候変動が事業活動に与えるリスクや機会等の情報を、企業が投資家等に向けて開示することが求められるようになりました。
気候変動のリスクと機会を正しく理解し、企業経営に活かすことが重要です。気候変動に適応し、環境に配慮した新たなビジネスを展開することが、企業の長期的な成長を支える原動力になっていきます。
日本気象協会では、これまでに国内・海外の気候変動対策支援で培ってきた豊富な知見と、気象解析技術を活かし、気候変動が事業活動に与える物理的リスクと機会を科学的に分析します。これらの客観的な分析を基に、企業のお客様の長期的な成長戦略の立案を支援します。
■特徴
・長年の調査・解析業務を通じて得た気候変動に関する豊富な知見
・国や自治体等が実施する気候変動関連事業の豊富な受託実績、高い信頼性
・豊富な知見や実績を踏まえた解析技術、高度な物理的リスク評価
○サービス内容
気候変動影響のリストアップ
サプライチェーンを含む事業活動全体を見渡し、想定される気候変動による様々な影響を網羅的にリストアップし、重要度を評価します。
影響を網羅的にリストアップすることは、影響評価を実施する項目や、想定される気候変動影響への対策の優先度等を検討する上での判断材料になります。そのため、この作業は、TCFD提言の物理的リスク評価における最初の重要なステップです。
将来気候の解析
気候モデルの最新のアウトプットを解析し、特定地点の気象要素(気温、降水、降雪等)の解析を行います。ご要望に応じて、気温・降水量等の、年間・日あるいは特定期間における統計値(平均値・最大値等)の図表も作成いたします。
文献では情報量が多く、解釈が難しい内容でも、図表により視覚的に変化を捉えることで解釈しやすく、地域ごとの変化の比較も可能になります。
事業拠点への影響評価
事業拠点(事務所・工場等)への豪雨・少雨・高潮・高温等による現状および将来の影響を、各種ハザードマップ等の既存情報やd4PDF※1等の気候モデルのアウトプットを用いて評価し、高リスク拠点を特定します。この結果は、気候変動への対応を急ぐべき拠点の抽出や、中長期的な拠点配置及びBCP(事業継続計画)の検討等に活かすことができます。また、TCFD提言対応をより具体的に進める際にも活用できます。
気候変動の高リスク拠点や重要な事業拠点に対しては、気候モデルのアウトプットの解析や洪水/高潮等のシミュレーションを実施し、洪水、高潮、高温等の影響を定量的に評価します。これにより、拠点ごとのより詳細な気候変動影響を把握でき、どのような対策を行うか、具体的な検討が可能となります。
※1 d4PDF
「database for Policy Decision making for Future climate change」の略。
わずかなばらつきのある複数の初期値を用いた多数の数値計算(アンサンブル実験) を行うことで、台風や集中豪雨などの極端現象の将来変化を、確率的かつ高精度に評価できる。
原材料調達への影響評価
文献調査や、気候モデルのアウトプットを用いた解析により、将来の気候変動による原料作物の栽培適地の変化や、事業活動に関連する原料作物の収量等への影響を評価します。影響評価を実施する地域や年代のご要望にも対応いたします。
○サービス用途
・TCFD提言対応のための物理的リスク/機会の評価
・中長期的な経営計画・投資計画の策定に資する気候リスク分析
・気候変動による原料作物の収量/品質変化、栽培適地の評価
・極端現象※2や豪雨・台風等による事業拠点への被害、サプライチェーン寸断等のリスク評価
※2 極端現象
極端な高温/低温(例:日最高気温が35℃以上の日(猛暑日)や強い雨(例:1時間降水量が50mm以上の強い雨)など、特定の指標を超える現象のこと。
○日本気象協会の支援実績
下記の他、各企業のニーズに沿った最適な手法で影響評価を実施し、気候変動への取り組みを支援しています。