COMPANY物理学的手法とAIを用いた日射量の短時間・・・

物理学的手法とAIを用いた日射量の短時間予測手法の開発

物理学的手法とAIを用いた日射量の短時間予測手法を開発し、予測精度の大幅な向上を達成しました。

本予測手法では、気象衛星ひまわり8・9号の衛星画像を基に、物理学的手法とAIを活用することで雲の動きや鉛直構造を把握し、数時間程度先までの日射量を予測します(短時間予測)。本手法の開発により、従来手法と比べて予測精度が大幅に向上しました。現在は、さらなる高精度化および予測時間の延長を目的として研究開発を進めています。

●物理学的手法とAIを用いた日射量の短時間予測手法の開発

〇概要
太陽光発電は、日射量などの気象条件に左右される変動型電源であり、発電量予測の高精度化には、日射量予測の高精度化が欠かせません。日本気象協会では、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究事業※1の中で、気象衛星ひまわり8・9号データを用いた日射量の短時間予測手法の開発を行っています。

〇特徴
本予測手法は、気象衛星ひまわり8・9号の衛星画像から、ディープラーニングなどのAIを用いて日射量の推定、鉛直層の分離、気圧場・風速場の計算、雲の生成・消滅の計算を行います。さらにAIの予測結果と物理学的手法(力学方程式による予測計算)を組み合わせることで、より実際の気象現象に近い高精度な予測を実現しました。

図1_開発した日射量の短時間予測手法のイメージ
図1_開発した日射量の短時間予測手法のイメージ

●表彰実績

本件に関連する研究発表は、2022年11月13日(日)~17日(木)に開催された太陽光発電に関する世界最大級の国際学会であるPVSEC※2の第33回大会(PVSEC-33)で「Best Paper Award」を受賞しました。

●関連ニュース

・日本気象協会、NEDO「発電量の短期予測に向けた日射量予測技術の開発」に採択される ~太陽光発電の主力電源化を推進するため、日射量予測技術のさらなる高度化を目指す~(2020/08/03 日本気象協会ニュースリリース)https://www.jwa.or.jp/news/2020/08/10624/

・『雲物理とディープラーニング技術を用いた日射量予測手法の開発』 PVSEC-33で「Best Paper Award」を受賞(2022/12/05 日本気象協会お知らせ)https://www.jwa.or.jp/news/2022/12/18471/

※1 太陽光発電主力電源化推進技術開発/先進的共通基盤技術開発/発電量の短期予測に向けた日射量予測技術の開発(日射量の短期予測に関する研究開発)
※2 太陽光発電国際学会(International Photovoltaic Science and Engineering Conference)

この気象テクノロジーに関するエキスパート

一般財団法人 日本気象協会
環境・エネルギー事業部
主任技師
宇都宮 健志


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