日本気象協会、NEDO「発電量の短期予測に向けた日射量予測技術の開発」に採択される ~太陽光発電の主力電源化を推進するため、日射量予測技術のさらなる高度化を目指す~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「太陽光発電主力電源化推進技術開発/先進的共通基盤技術開発(発電量の短期予測に向けた日射量予測技術の開発)」に学校法人東京理科大学と共同で応募し、採択されました。
太陽光発電の主力電源化を推進するにあたり、「需給運用の複雑化」や「電力の安定供給」が課題となっています。本研究開発は、これらの課題解決に必要となる日射量予測技術の高度化を目的とし、2020年8月から2023年2月までの実施を予定しています。
◆研究開発概要
太陽光発電は、気象条件に左右される変動型電源であり、発電量予測の高度化には、日射量予測の高精度化が欠かせません。
これまでの日射量予測は、FITインバランス特例制度※1を背景に、主に一般送配電事業者での利用を念頭に、電力エリア全体の広域での日射量予測精度が重視されてきました。一方で、FIT終了電源※2の利活用やFIT制度からの自立化※3を見据えると、今後は太陽光発電事業者やバランシンググループ※4自らが、インバランスリスクの低減を目的に発電量を予測する必要が生じます。このため、従来のような電力エリア全体だけでなく、発電所地点など狭域での予測精度も、これまで以上に重要となります。
そこで日本気象協会は、本研究開発を通じて、主に発電所地点などの狭域エリアを対象とした、高精度な数時間先までの日射量予測技術を開発します。ひまわり8号の気象衛星データによる雲分布と、気象モデルの出力結果を組み合わせたハイブリッドな予測技術により、予測精度のさらなる向上を目指します。
日本気象協会は、本研究開発の取り組みを通じ、太陽光発電の導入拡大と電力系統の安定化に貢献していきます。
◆研究開発体制
事業者 | 実施内容 | |
一般財団法人 日本気象協会 | 日射量の短期予測に関する研究開発 | |
学校法人 東京理科大学 | 発電量予測評価技術の研究開発 |
◆関連リンク
・「太陽光発電主力電源化推進技術開発/研究開発項目(III)先進的共通基盤技術開発」に係る実施体制の決定について
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100290.html
・日本気象協会 日射量予測サービス
日射量・太陽光発電出力予測 SYNFOS-solar
https://www.jwa.or.jp/service/energie-management/solar-power-05/
ひまわり8号による日射量予測サービスSOLASAT 8-Nowcast
https://www.jwa.or.jp/service/energy-management/solar-power-12/
※1:FITインバランス特例制度
2016年4月の電力小売全面自由化に合わせて導入された計画値同時同量制度とFIT制度(全量買取)との整合性を保つため、FIT発電事業者の代わりに送配電事業者または小売電気事業者が発電計画を作成し、インバランスリスク(計画した需要量と発電量に大きな差が生じた場合に支払うペナルティ料金)を負う制度。
※2:FIT終了電源
太陽光発電の固定価格買取制度(FIT制度)による10年の調達期間が終了する電源。
※3:FIT制度からの自立化
太陽光発電などの再エネ電源が、FIT制度による政策措置がなくとも、電力市場でコスト競争に打ち勝ち、導入・運用されるようになること。
※4:バランシンググループ
幹事となる新電力事業者が複数の新電力事業者をとりまとめ、グループ内でインバランス(計画した需要量と発電量の差)の融通、電源調達を行うことで、小売電気事業の調達・需給管理業務の効率化を提供する機能。
以上