2022年桜開花予想(第5回) 春本番の暖かさで開花近づく トップは熊本と宇和島で20日
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、日本全国89地点の桜[ソメイヨシノ ほか]の開花予想(第5回)を、2022年3月10日(木)に発表します。
開花予想前線図

開花予想日(主な地点)

満開予想日(主な地点)

※エゾヤマザクラ
開花と満開の傾向
桜の開花は、九州から近畿で平年並みでしょう。東海から東北でもおおむね平年並みですが、平年より早く開花するところもある見込みです。北海道ではかなり早い開花となるところがあるでしょう。なお、全国で記録的に早い開花となった2021年と比べると、九州から東北では1週間から10日前後遅くなる見込みです。
今年の開花は3月20日に熊本と愛媛・宇和島市からスタートするでしょう。21日には高知、22日には福岡や静岡で開花し、東京は23日に開花する見込みです。3月末までには西日本から関東の広い範囲で開花となるでしょう。北陸や長野、東北では4月上旬から中旬に開花するところが多くなりそうです。桜前線は4月下旬に津軽海峡を渡り、4月25日に函館、26日に札幌で開花する見込みです。
満開日は、九州から関東甲信ではおおむね平年並みで、3月下旬には九州から関東のところどころで満開となるでしょう。東京では3月29日に満開となる見込みです。北陸や東北では平年より早い満開となるところが多いでしょう。北海道では平年より10日前後早く、4月下旬から5月上旬に満開となり、ゴールデンウィークはお花見が楽しめそうです。
この冬(12月~2月)は、たびたび強い寒気が流れ込みました。全国的に厳しい寒さの日も多く、桜の花芽の休眠打破※は順調に行われたとみられます。厳しい寒さもようやく終わりを迎え、3月に入ってから気温の高い日が見られるようになっています。3月5日には関東と東海地方で「春一番」が吹き、春の訪れが早かった去年に比べると関東では約1ヶ月遅い「春一番」となりました。「春一番」をもたらした低気圧の通過後、寒の戻りとなっていますが、週末は全国的に気温が高い予報となり、本格的な春の暖かさが近づいてくるでしょう。
※休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること
全89地点の桜の開花予想日は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』桜の開花予想ページ(https://tenki.jp/sakura/expectation/)にて公開しています。
【言葉の説明】
平年:1991~2020年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
参考資料
桜開花予想に関するよくあるご質問
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:以下の日程を予定しています。1月、2月中は開花予想日のみを発表し、3月以降は開花予想日と満開予想日を発表します。
第 1回 1月27日(木) | 第 2回2月10日(木) | 第 3回2月24日(木) | 第 4回3月3日(木) |
第 5回3月10日(木) | 第 6回3月17日(木) | 第 7回3月24日(木) | 第 8回3月31日(木) |
第 9回4月14日(木) | 第10回4月28日(木) |
Q2:開花日・満開日の基準は?
A2:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q3:予想する地点数は?
A3:1月、2月中は49地点、3月以降は全国で89地点の予想を発表します。予想地点89地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる36地点となります。
Q4:日本気象協会の桜開花予想の手法・特徴は?
A4:花芽(はなめ)の生育過程に大きな影響を与える「秋以降の気温経過」に重点を置いた、独自の予測式を用いて開花予想を行っています。各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しているのが特徴です。
日本気象協会は2007年から桜の開花予想を実施しており、今年で16年目の取り組みです。
Q5:開花予想に使うデータは?
A5:以下データを使用しています。
- 前年秋から予想作業日前までの気温観測値
- 予想作業日から開花時期までの気温予測値(日本気象協会ポイント予報および長期予報)
桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2022年桜開花予想(第5回)_