2023年桜開花予想(第5回)
週末から春分の日にかけて続々と開花ラッシュ 東京の満開は23日か
Press Release
【訂正:再発行あり】
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、日本全国84地点の桜[ソメイヨシノ ほか]の開花予想(第5回)を、2023年3月16日(木)に発表します。
開花予想前線図

開花・満開予想日(主な地点)

桜の花芽の様子

開花と満開の傾向
3月に入り、全国的に気温が高く推移しています。特に、関東や東北、北陸の一部では3月上旬の日平均気温の平年差が+4℃を超えるなど、顕著な高温となっています。今後も平年より気温が高い状態が続く見込みで、開花、満開ともに平年より早くなるところが多いでしょう。
今年の開花は、3月14日に東京からスタートしました。15日には横浜、16日正午までには岐阜から開花の便りが届いています。この先、17日には福岡や名古屋、18日には甲府、前橋などで開花する見込みで、3月末までに九州から東北南部にかけて広く開花した後、東北北部の盛岡や青森でも、それぞれ4月10日、4月13日と、統計開始以来最早に迫る早さで開花するでしょう。桜前線は4月下旬に津軽海峡を渡り、4月22日に函館、26日に札幌で開花する見込みです。
3月中は高温傾向が継続する見込みのため、満開日も全国的に平年より早くなるでしょう。3月下旬には九州から関東の広い範囲と、北陸や甲信、東北の一部で満開となり、東京では3月23日に満開となる見込みです。
全国的に平年より早く満開を迎える地点が多くなる予想ですが、東日本ほどその傾向が強く、関東甲信、北陸、東北地方では平年より10日以上早く満開を迎えるところもあるでしょう。
この冬(12月~2月)は、たびたび強い寒気が流れ込みました。全国的に厳しい寒さの日も多く、桜の花芽の休眠打破※は順調に行われたとみられます。さらに3月に入ってからは、各地で高温傾向が続いており、桜の早期開花・満開を促す条件が整っています。14日の東京、15、16日正午までに開花した横浜、岐阜に続いて、週末から春分の日にかけては、開花ラッシュとなるでしょう。
※休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること
全84地点の桜の開花予想日は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』桜の開花予想ページ(https://tenki.jp/sakura/expectation/)にて公開しています。
【言葉の説明】
平年:1991~2020年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
参考資料
桜開花予想に関するよくあるご質問
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:以下の日程を予定しています。1月、2月中は開花予想日のみを発表し、3月以降は開花予想日と満開予想日を発表します。
第 1回 1月26日(木) | 第 2回 2月16日(木) | 第 3回 3月2日(木) | 第 4回 3月9日(木) |
第 5回 3月16日(木) | 第 6回 3月23日(木) | 第 7回 3月30日(木) | 第 8回 4月13日(木) |
第 9回 4月27日(木) |
Q2:開花日・満開日の基準は?
A2:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q3:予想する地点数は?
A3:1月、2月中は49地点、3月以降は全国で84地点を予定しています。予想地点84地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる31地点となります。
*当初は89地点の発表を予定しておりましたが、検討の結果、84地点に変更となりました。
Q4:日本気象協会の桜開花予想の手法・特徴は?
A4:花芽(はなめ)の生育過程に大きな影響を与える「秋以降の気温経過」に重点を置いた、独自の予測式を用いて開花予想を行っています。各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しているのが特徴です。
日本気象協会は2007年から桜の開花予想を実施しており、今年で17年目の取り組みです。
Q5:開花予想に使うデータは?
A5:以下データを使用しています。
① 前年秋から予想作業日前までの気温観測値
②予想作業日から開花時期までの気温予測値(日本気象協会ポイント予報および長期予報)
桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2023年桜開花予想(第5回)(訂正:再発行あり)_