日本気象協会 2025年 春の花粉飛散予測(第5報)
~ヒノキ花粉が増加中 まもなくピークに 花粉シーズンは折り返し地点~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋)は、2025年3月25日(火)に全国・都道府県別の2025年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第5報)を発表します。
また、詳細な情報を、「2025年春の花粉総飛散量 予測資料」として販売します。
◆2025年 春の花粉飛散予測のポイント
- 4月上旬は九州から関東の広い範囲でヒノキ花粉のピーク
- 今シーズンは花粉飛散のペースが遅い ようやく折り返し地点か
- 北海道のシラカバ花粉は4月中旬に飛散開始の見込み
1. スギ・ヒノキ花粉のピーク時期
スギ花粉は3月末までに多くの所でピークを過ぎる見込みです。一方で4月上旬は広い範囲でヒノキ花粉のピークとなるでしょう。
3月は、たびたび寒の戻りがあったことから、スギ花粉のピークは例年より5~10日ほど遅れた所が多くなりました。福岡と広島のスギ花粉のピークは3月中旬に終了し、この先は3月末までに多くの所でピークを終えるでしょう。
一方、ヒノキ花粉は、九州各地と四国から関東甲信の一部で飛散開始となり、飛散量は増加中です(3月24日現在)。3月下旬はこれまで暖かい日が続いたことから、四国から関東甲信の多くの所で3月末までに飛散開始が確認される見込みです。4月上旬は広い範囲でヒノキ花粉のピークとなるでしょう。ピークの期間は、5日間から2週間ほどの見込みです。仙台はヒノキ花粉の飛散量は少なく、はっきりしたピークは現れないでしょう。

4月半ば以降は、花粉の飛散は次第に終息に向かいますが、大型連休ごろまでは例年同様、花粉の飛ぶ所がある見込みです。風が強く吹く日などは、飛散量が多くなることもあります。ピークを過ぎてもしばらくは、花粉情報や気象情報を確認して、引き続き花粉対策を行いましょう。
2. 東京都千代田区のスギ、ヒノキ花粉の飛散状況(日本気象協会観測)
東京都千代田区(日本気象協会観測)では、今年のスギ花粉は2月15日に飛散開始しました。その後は気温が低めに経過したことなどから花粉の飛散が少ない日が10日間ほど続きましたが、春本番の暖かさとなった2月終わりにスギ花粉の飛散は増加し、花粉が非常に多く飛ぶ日が続くピークの時期に入りました。
下の図は、東京都千代田区で1 cm2に観測された花粉の数を累計し、シーズン総飛散量の何割に達したかを示したグラフです。過去3年(2024年、2023年、2022年)と比較して示しています。今年(橙色)は、2024年(濃い緑色)や2023年(緑色)と比べると累計飛散量の増加するペースは遅くなっています。2月が低温だった2022年(薄い緑色)と似たようなペースで3月上旬まで経過しましたが、中旬はまとまった雨や雪の降った日があったことから飛散量は抑えられ2022年よりもペースは遅くなっています。
日本気象協会の予測では東京都千代田区の今年の総飛散量は例年よりやや多い6000個/ cm2で、3月18日までの累計では総飛散量(予測)の20%が観測されています。3月下旬は、晴れて暖かく、花粉が大量に飛散しやすい日が続いているため累計飛散量は一気に増加し、3月末までには50%に達すると予想します。ようやく半分が飛び終わり、花粉シーズンは折り返し地点に到達するといえそうです。
一方、ヒノキ花粉は、わずかな量が飛び始めています(3月18日現在)。3月末までには飛散開始となり、飛散量が急速に増えるでしょう。4月になるとスギ花粉は次第に減少するものの、ヒノキ花粉中心に累計飛散量はさらに増加する見込みです。4月半ばには、ようやくスギ、ヒノキ花粉の飛散は終息に向かいますが、5月はじめごろまでは花粉が観測される日がありそうです。

3. 2025年 スギ花粉の飛散開始日(日本気象協会観測)
今年のスギ花粉の飛散開始(日本気象協会観測)は、東京都千代田区でほぼ例年並みだったほかは、例年より4~13日遅くなりました。例年並みか早かった昨年に比べると、東京都千代田区でほぼ同じほかは、1~3週間遅くなりました。今年2月の気温が平年並みか低くなったことなどが影響したと考えられます。

4. シラカバ花粉の飛散開始時期(北海道)
北海道のシラカバ花粉は4月中旬に飛散開始となる見込みです。北海道のシラカバ花粉が飛び始める時期は、春(3~5月)の気温が高いと早まる傾向があります。北海道では今年3月の気温は平年より高く推移しており、4~5月の気温も平年より高い見込みです。このためシラカバ花粉の飛散開始は、例年より早いでしょう。
【花粉の種類について】
九州から東北はスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉です。
【飛散時期に関する言葉の説明】
飛散開始日 : 1 cm2あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した最初の日
ピーク開始(終了)日
: スギ花粉は1 cm2あたり50個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
: ヒノキ花粉は1 cm2あたり30個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
【気象に関する言葉の説明】
平年 : 1991~2020年の平均値
◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は、前シーズンの花粉飛散結果や気象観測値などの気象データ、および花芽の現地調査の結果などをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報をふまえて予測しています。
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PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2025年花粉飛散予測(第5報)