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災害時における授乳の支援や母子に必要な物資の備蓄状況について全国の地方自治体へ3回目となる調査を実施 ~70%近くの自治体で液体ミルクを導入、赤ちゃんの命を守る備蓄が拡大~
2026.03.05
お知らせ
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)が推進する「tenki.jp 知る防災」プロジェクトは、株式会社 明治(代表取締役社長:八尾 文二郎)と共同で、全国1,741の地方自治体※1を対象に「災害時における授乳の支援、ならびに母子に必要な物資の備蓄および活用についての全国自治体調査2025」(以下、本調査)を実施しました。
※1:市町村1,718自治体と東京特別区の23区を合わせて1,741自治体としています。
本調査は、2020年、2023年に続く3回目の実施です。
調査結果の詳細は、「明治ほほえみ防災プロジェクト」の『ママと赤ちゃんの防災サイト』
(https://www.meiji.co.jp/baby/milk-stock/report/)で公開します。
近年、地震に加えて台風や局地的豪雨など、気象に起因する災害が年間を通じて増加しています。そのため、自然災害に対して事前に備えること、正しい防災の知識や情報を身に付けることが非常に重要となっています。多くの気象災害は、災害情報の正確な理解と適切な行動により、被害を軽減できるとされています。「tenki.jp 知る防災」プロジェクトでは、「tenki.jp」からのリアルタイム情報に加え、信頼できる防災の知識と日頃の備えに関する情報発信を行っています。「ローリングストック」など、各家庭で必要な日頃の備えについても解説しています。一人ひとりが災害時に適切な行動をとり、被害を少しでも減らすことができるよう、これからも情報発信していきます。
調査結果サマリー
1.避難指示の発令と災害時における指定避難所の開設状況
・2011年以降、避難指示を発令した自治体は80.2%であり、災害時の指定避難所の開設については、91.4%の自治体が開設したことがあると回答した。


2.指定避難場所が開設された災害
・最も多く指定避難所が開設された災害は、2019年10月の「台風第19号(令和元年東日本台風)」だった。2024年8月の「台風第10号(令和6年台風第10号)」、さらに2022年9月の「台風第14号(令和4年9月豪雨)」と続き、2019年以降に発生した災害が上位に含まれた。

3.乳幼児・妊産婦等の優先受入れまたは配慮した避難所の状況
・災害時に「乳幼児・妊産婦等の要援護者を優先して受け入れる避難所」または「乳幼児・妊産婦に配慮した避難所」として想定している避難所については、「現在はなく、今後も指定する予定はない」と回答した自治体が40.7%となり、前回調査時(2023年7月)と同程度の割合となった。
「ある」と回答した自治体は前回から3.5ポイント減少し、「現在はないが、今後、指定する予定がある」と回答した自治体は1.9ポイント増加した。

4.防災・災害時の対策についての取り組み
・災害時に実施された取り組みでは、「乳幼児・妊産婦に必要な物資の備蓄」が57.4%と特に多かった。次いで「乳幼児のいる親や妊婦を対象とした災害時用備蓄の啓発」が18.7%と多く、前回調査時から2.2ポイント増加した。一方、「特にない」という回答した自治体は33.0%であった。

5.ローリングストックの認知状況
・「ローリングストック」の認知状況では、自治体担当者の89.8%が「意味まで理解していた」と回答し、前回調査時から3.1ポイント増加した。「知らなかった」は3.9ポイント減少し、「聞いたことはあったが意味まで理解していなかった」は0.6ポイント増加した。

6.授乳支援に必要な物資の備蓄状況
・購入して備蓄されている物資は、「紙おむつ」が最も多く、78.5%の自治体で購入しており、前回調査時から3.6ポイント増加した。「液体ミルク」は54.9%の自治体で購入して備蓄しており、前回調査時から7.4ポイント増加した。なお、「液体ミルク」を購入備蓄、流通備蓄※2、災害協定※3のいずれか、または複数の方法で備蓄している自治体は全体の66.8%となった。このほか、購入備蓄では、前回調査時から「哺乳瓶(使い捨て)」や「おしりふき」「手口拭き、手口ナップ」などが増加した。前回調査時より減少した物資は、「粉ミルク(キューブ・スティックタイプ)」、「哺乳瓶」だった。
※2:流通段階にある商品を、災害時に備蓄品として活用すること。
※3:災害時に迅速かつ効果的な災害応急対策等を図るため、地方自治体と民間企業等との間で結ぶ協定。


※4:「購入して備蓄している」「流通備蓄で確保している」「メーカー・小売店などの企業や他の自治体と災害協定を結んでいる」のいずれか1つ以上を選択した自治体を指す。
◆調査結果まとめ
近年は地震だけではなく、台風や大雨などによる気象災害が頻発しており、降水強度の高い雨が増加しています。2011年3月以降、多くの自治体が指定避難所を開設した災害には、2019年10月の「台風第19号(令和元年東日本台風)」、2024年8月の「台風第10号(令和6年台風第10号)」、2022年9月の「台風第14号(令和4年9月豪雨)」などがありました。梅雨時期や台風シーズンの大雨の激甚化が進み、災害を伴うような大雨が増えていることが、避難所開設が増える理由の一つと考えられます。
本調査では、前回調査時と同様に、配慮が必要とされる乳幼児・妊産婦等の優先受け入れ、または乳幼児・妊産婦等へ配慮した避難所の指定について尋ねました。この結果、約40%の自治体が、「乳幼児・妊産婦等の要援護者の優先受け入れ、または配慮した避難所」の有無について「現在はなく、今後も指定する予定はない」と回答し、前々回(2020年3月)および前回の調査時から変化がありませんでした。乳幼児・妊産婦等へ配慮した避難所の指定が予定されない理由としては、指定避難所において対応できることや、適切な施設がないことなどが挙げられます。
「tenki.jp 知る防災」プロジェクトでは、防災に関する正しい知識を持つことに加えて、災害時に必要な備えとして、普段使っているものを工夫して備蓄する「ローリングストック」を提案しています。
本調査で、ローリングストックの認知について聞いたところ「意味まで理解していた」という自治体が約90%となり、前回調査時から増加しました。また、「知らなかった」と回答した自治体も減少しており、「ローリングストック」の認知度の定着が進んでいます。
自治体の乳幼児向けの防災備蓄(購入備蓄・流通備蓄・災害協定を含む)については、増加した物資が、増加率の多い順に、手口拭き・手口ナップ(ウェットティッシュ含む)、おしりふき、液体ミルクとなりました。液体ミルクは、「調乳が不要であること」や「保存期間が長いこと」などから、実際に購入して備蓄する自治体も70%近くまで増加し、乳幼児向けの防災備蓄の一つとして広がりを見せています。
本調査からは、「ローリングストック」の自治体での認知度拡大が分かりました。災害時への備えを適切に行うため、「tenki.jp 知る防災」プロジェクトでは「ローリングストック」の認知から実際の備蓄行動を促せるような情報発信をこれからも続けていきます。
◆「災害時における授乳の支援、ならびに母子に必要な物資の備蓄および活用についての全国自治体調査2025」概要
・調査主体:一般財団法人 日本気象協会「tenki.jp 知る防災」プロジェクト 株式会社 明治
・調査期間:2025年10月6日(月)~2025年11月13日(木)
・調査対象:全国地方自治体1,741自治体(市町村および東京23区)
・調査方法:調査票を郵送し、郵便で回収(オンライン回答も可)
・有効回答数: 636自治体
※ 本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【「tenki.jp 知る防災プロジェクト」および「明治ほほえみ防災プロジェクト」調べ】とご明記ください。
■「明治ほほえみ防災プロジェクト」とは

「tenki.jp 知る防災」プロジェクトと「明治ほほえみ防災プロジェクト」が協力し、災害備蓄の必要性やローリングストック、災害時の赤ちゃんの命を守る液体ミルクの大切さを啓発する取り組みなど、主に乳幼児のいる家族への防災意識啓発活動を行っています。
URL:https://www.meiji.co.jp/baby/milk-stock/
■「tenki.jp 知る防災」プロジェクトとは

「tenki.jp知る防災」プロジェクトは、「tenki.jp」からのリアルタイムの「情報」に
加え、信頼できる「知識」と、日頃の「備え」を皆さんにお伝えし、ひとりひとりが
災害時に適切な行動をとり、減災に寄与できることを目的としています。
URL:https://tenki.jp/bousai/knowledge/
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