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酷暑レポート Vol.2  2026年の酷暑日 梅雨明け後の強い日差しと台風接近時に注意 局地的に40℃のおそれ

2026.06.30

レポート

日本気象協会は、2026年3月25日に、「酷暑レポートVol.1」として2026年の暑さの見通しに関する情報を発表しました。今回は、その後の最新の気象データと解析結果を踏まえ、2026年夏の暑さの見通しについて改めて発表します。

2026年の酷暑日予想のポイント
・2026年の酷暑日は、全国で延べ6~10地点となる見込み(直近10年平均と同程度、2025年の3分の1以下)。
・2025年のように広範囲で酷暑日が多発する可能性は低いものの、気象条件のそろった地域では局地的に酷暑日となる可能性あり。地点数は少なくても、短時間で気温が急上昇するケースに警戒が必要。
・梅雨明け後に強い日差しが続く場合は、関東・東海の内陸部を中心にリスクが高まる見込み。近畿・中国の内陸部や四国の盆地などでも注意。
・台風接近時などはフェーン現象により、日本海側(特に北陸)で局地的に40℃以上となるおそれ。

近年、国内では毎年のように酷暑日(日最高気温40℃以上)が観測されています。
2026年の酷暑日は、直近10年平均※1と同程度の全国で延べ6~10地点となる見込みです。酷暑日数が過去最多の2025年(延べ30地点)ほどではないものの、梅雨明け後に強い日差しが続く場合や、台風接近時などにフェーン現象※2が発生する場合には、気温が急上昇し、局地的に40℃以上となる可能性があります。今年も危険な暑さに警戒が必要です。

※1:近年酷暑日地点数が急増していることや観測方法の変更などを考慮して、直近10年間(2016年~2025年)の平均値を採用しています。
※2:フェーン現象とは、山を越えた風が風下側で高温・乾燥した空気となって吹き下り、気温が急に上がる現象です。

酷暑日発生リスク

1. 2026年の酷暑日は直近10年平均並 局地的に高温リスク

2026年は、気象庁が最高気温40℃以上の日の名称を「酷暑日」と正式に採用して初めての夏となります※3
日本気象協会が特許技術を用いて開発した「2年先長期気象予測モデル」による最新の解析では、2026年の酷暑日の地点数は、直近10年平均(約8地点)と同程度の、全国で延べ6~10地点となる見込みです。
2025年のように、酷暑日が広範囲で多数観測される可能性は低いとみられる一方で、気象条件がそろった地域で局地的に酷暑日となる可能性があり、警戒が必要です。

※3:日本気象協会では、2022年8月から独自に酷暑日を命名・使用しています。

酷暑日延べ地点数(全国)

2025年は、日本の南海上を中心に太平洋高気圧の勢力が強まり、さらに大陸から張り出した上空のチベット高気圧が重なる「ダブル高気圧」となりました。この影響で全国的に記録的な高温となり、酷暑日は過去最多の延べ30地点を記録しました。高気圧が安定して長く居座ったため、特に8月は東日本・西日本の太平洋側や内陸部を中心に晴れて日照時間が多くなりました。強い日射や上空の暖気に加えて、地域によっては地形による昇温も重なったことで、広い範囲で厳しい暑さが続きました。

一方、2026年は日本の南海上から太平洋中部にかけて積乱雲の活動が活発になりやすく、台風や熱帯擾乱(じょうらん)が発生・北上しやすい傾向が予想されます。また、太平洋高気圧は平年より北寄りで本州付近へ張り出しやすいものの、その張り出しには変動があり、一時的に弱まることもあるでしょう。このため、2025年のように広い範囲で酷暑日が多発する状況にはなりにくい見込みです。
ただし、予想される地点数がそれほど多くなくても、短時間で気温が急激に上昇するケースがあるため警戒が必要です。梅雨明け後に強い日差しが続く場合や、上空に暖気が流れ込む場合、あるいは台風接近時などにフェーン現象が発生した場合には、局地的に40℃以上となる可能性があります。

太平洋高気圧の予想図

2. 梅雨明け後の強い日差しと台風接近時、2つのタイミングに注意

酷暑日は全国で一様に発生しているわけではなく、主に東日本・西日本を中心とした内陸部や盆地、山あいの地域で観測されやすい傾向があります。高気圧に覆われて強い日射が続くことに加えて、上空の暖気やフェーン現象などが重なると、気温が40℃以上まで上がりやすくなります。

こうした過去の酷暑日の傾向と予想される大気の状態から、2026年の酷暑日の発生リスクは、東日本で高く、西日本もやや高い見込みです。
特に注意が必要なのは、「梅雨明け後の強い日差し」と「台風接近時」の2つのタイミングです。

酷暑日リスク(エリア別注意点)

①梅雨明け後の強い日差し:関東・東海の内陸部中心に高温に注意
梅雨明け後は、太平洋高気圧が本州付近に張り出し、晴れて強い日差しの日が続くことで、地表付近に熱が蓄積され、暑さが日増しに厳しくなります。さらに、上空に暖かい空気が流れ込むと、広い範囲で気温が上がりやすくなります。
特に関東・東海の内陸部や盆地では、海風の影響を受けにくく、熱がこもりやすいため、高温になりやすい傾向があります。また、近畿・中国の内陸部や四国の盆地などでも、条件が重なれば局地的に40℃以上となる可能性があります。

この時期は体がまだ暑さに慣れておらず、急な気温上昇によって熱中症のリスクが一層高まります。梅雨明け前から、徐々に暑さに慣れる「暑熱順化」を意識した生活を心がけることが大切です。

②台風接近時:北陸など日本海側でフェーン現象による高温に注意
2026年は、台風が接近する際に日本海側を中心として、酷暑日の発生リスクが高まる見込みです。
この夏は、日本の南海上から太平洋中部で積乱雲の活動が活発になりやすく、台風や熱帯擾乱が発生・北上しやすくなる見込みです。日本気象協会の予測では、台風の日本への接近数は8月を中心に平年並みか多い予想です。太平洋高気圧の本州付近への張り出しが一時的に弱まると、台風が日本付近に接近しやすくなります。
台風が日本付近に近づくと、進路や風向きによっては、台風周辺の南~南東寄りの風が山地を越えて日本海側へ吹き下りることで、フェーン現象が発生することがあります。この影響により、特に北陸では局地的に40℃以上の危険な暑さとなる可能性があります。また、近畿北部や山陰、東北の日本海側においても、台風の進路や風向き、山地の地形、強い日差しなどの条件が重なれば、気温が急激に上昇するおそれがあります。

実際に、2019年8月14日~15日に台風が日本に接近・上陸した際には、新潟県や石川県の複数地点で酷暑日が観測されました。このように、日本海側で観測された酷暑日の事例には、台風に伴うフェーン現象が要因となったケースがあります。

2025年は酷暑日が多くなかった日本海側でも、2026年は台風接近時などにフェーン現象による急激な昇温に警戒が必要です。

台風接近時のフェーン現象のイメージ

参考:2年先長期気象予測について

日本気象協会では、気象業界で初となる「最長2年先までの気象予測」である『2年先長期気象予測』を提供しています。この予測は、日本気象協会が特許技術を用いて独自に開発した予測モデルを用いたものであり、最長2年先までの毎月の気象傾向を解析するものです。(特許第7569539号)
本サービスは、企業の生産計画・在庫計画・マーケティング計画の作成をはじめ、特定商材に対する需要予測に落とし込んだコンサルティングなど、さまざまなビジネス分野で活用されています。
また、2026年後半から2027年にかけての気象傾向についても分析が可能で、将来を見据えた事業戦略やリスク管理などへのビジネス活用もご提案が可能です。

*ウェザーマーケティング情報メディア「Weather X」お問い合わせフォーム
https://weather-jwa.jp/contact/

一般財団法人 日本気象協会
防災・気象DX本部 気象DX事業部 シニアデータアナリスト 
気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士
小越 久美(おこし くみ)
筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学)卒。

2004年から2013年まで、日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。
現在は日本気象協会の商品需要予測事業にて、食品、日用品、アパレル業界などのマーケティング向け解析や商品の需要予測を行い、さまざまな企業の課題を解決するコンサルティングを行っている。

2025年 令和7年度 文部科学大臣表彰(科学技術振興部門)を受賞
「季節予報の基盤技術の開発に基づく社会実装の振興」

著書に「かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~」「天気が悪いとカラダもココロも絶不調 低気圧女子の処方せん」「天気に負けないカラダ大全」がある。

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