「熱中症ゼロへ」学校における黒球付熱中症計の活用調査 黒球付熱中症計を使用したすべての学校が「熱中症に気を付ける意識が高まった」と回答
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、2019年に黒球付熱中症計を全国の小学校・中学校・高等学校にプレゼントするキャンペーンを実施しました。その後、黒球付熱中症計を寄贈した学校に対して、その活用に関するアンケート調査やヒアリングを行いました。なお、本調査は環境省の「平成31年度熱中症予防対策ガイダンス策定に係る実証事業」に採択されています。
■調査結果サマリー
・黒球付熱中症計の活用により教員、児童・生徒ともに熱中症対策意識が向上し、行動変化があった。
・アンケートに加えて実際にヒアリングした学校10校においては、暑さによる体調不良者が減少し、医療機関での処置を必要とするような生徒は一人もいなかった。
・黒球付熱中症計の設置により、視覚的に児童や生徒の関心を引き、今いる場所の環境の数値を可視
化させたことで、行動・意識変化に繋がったと考えられる。
全国の小学校・中学校・高等学校に寄贈した黒球付熱中症計の多くは、校庭や体育館に設置され、体育の授業や体育祭・球技大会などの学校行事で使用されていました。移動しやすいように、黒球付熱中症計を三角コーンに取り付けて使用している学校も見受けられました。教員が観測するだけではなく、生徒が主体的に観測を行い、記録結果を参考に、部活動の内容を調整するといった活用事例や、「保健だより」などの学校からの配布物に記録結果を掲載し、保護者に向けた熱中症予防啓発を行った学校もありました。

黒球付熱中症計を活用した学校62校へのアンケートでは、「熱中症計の使用によって、熱中症に気を付ける意識が高まりましたか」という質問に対し、すべての学校で高まった(とてもそう思う81%、ややそう思う19%)という結果になりました。

観測結果によっては体育の授業を日かげで行うよう配慮したり、部活動のメニューを切り替えたりなど、予定を変更した学校も全体の6割ありました。「各数値やランクが一目で分かるため、生徒、職員共にそれを意識し、数値やランクに応じて、熱中症予防を意識した行動(水分摂取や休憩の取り方等)をとる様子が見られました。」という声もあり、黒球付熱中症計を活用することで、今いる場所の環境の熱中症の危険性に気づき、熱中症の予防につながったと考えられます。
寄贈した熱中症計の各校での活用の様子などの詳細は、本プロジェクトの公式サイトで公開しています。
熱ゼロ研究レポート:学校における黒球付熱中症計の活用調査
https://www.netsuzero.jp/netsu-lab/lab09
今後も「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、学校の授業や課外活動での熱中症危険度への気づきと自主的な対策アクションを促す啓発活動を推進していくとともに、黒球付熱中症計の全国の学校における普及・活用を目指していきます。
◆黒球付熱中症計について

黒球付熱中症計は、5段階のLEDライトや暑さ指数(WBGT)※ を大きな画面で表示し、熱中症の危険性を通知します。
※ 暑さ指数(WBGT):
人の身体と外気の熱のやりとり(熱収支)に与える影響の大きい「気温」「湿度」「日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境」を取り入れた指標。
黒球付熱中症計は「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式啓発ツール販売サイトにて販売しております。
「熱中症ゼロへ」プロジェクト 公式啓発ツール販売サイト https://www.netsuzero-shop.jp
・ 販売サイト公開期間:2020年4月22日から9月30日(予定)
・ 法人、団体の啓発目的での購入に限らせていただきます(個人、転売目的での購入はお控えください)
■「熱中症ゼロへ」プロジェクトとは
熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクトです。2013年夏のプロジェクト発足以来、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を核に、熱中症に関する正しい知識と対策をより多くの方に知ってもらう活動を展開してきました。活動8年目となる2020年は、さらに充実した啓発活動を実践していきます。
■一般財団法人 日本気象協会について
1950年に誕生した日本気象協会は、天気予報に代表される気象予測事業に加え、再生可能エネルギー、環境アセスメント、大気解析事業、防災・減災・安全管理に関する事業など、気象に関するコンサルティング事業を通じ、公共に資する企業活動を展開しています。
PDFダウンロード:【熱中症ゼロへ】学校における黒球付熱中症計の活用調査