日本気象協会 2017年 春の花粉飛散予測(第1報) ~前シーズンの2倍以上は、西日本を中心に17府県も~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己)は、2016年10月6日(木)に全国・都道府県別の2017年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第1報)を前シーズン比、例年比に分けて発表します。また、詳細な情報を、「2017年春の花粉総飛散数 予測資料」として販売いたします。
本予測は、今年の夏(6~8月)の気象条件などを基に作成しました。今後、花芽調査などのデータを加え、内容を更新していく予定です。
2017年 春の花粉飛散予測のポイント 2016.10.6発表
●前シーズン比
・上回る地域:北陸地方、東海地方、近畿地方、中国地方、 ・下回る地域:北海道、東北地方、関東地方 ※前シーズン:2016年 |
●例年比
・上回る地域:近畿地方、四国地方、九州地方 ・例年並みの地域:北陸地方、東海地方、
中国地方
・例年並みの地域:北陸地方、東海地方、中国地方 ・下回る地域:北海道、東北地方、関東地方 ※例年:2007~2016年の平均値 |
1.全国の概況
(1)概要
前シーズン比 :花粉飛散数は、北日本で少なく、西日本では多い地域が多い
例年比 :北日本、関東地方を除き、例年並みかやや多い地域が多い
前シーズンは、春のスギおよびヒノキの花粉(北海道はシラカバ)の総飛散数が、東北地方、関東地方で多くなりました。北陸地方より西の地域では少なく、非常に少ない地域もありました。
2017年春の花粉飛散予測は、近畿地方、四国地方と九州地方で、前シーズンの2倍以上の飛散数となる見込みです。また、東海地方、中国地方は多く、北陸地方はやや多く飛散する予測となっています。関東地方はやや少なく、北海道、東北地方では少ない見込みです。
一方、例年比でみると、東北地方と関東地方でやや少なく、北海道では非常に少ないでしょう。そのほかの地域では例年並みか例年を上回るでしょう。
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(2)2016年夏(6~8月)の天候
花粉の飛散数は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数が多くなるといわれています。
2016年の夏は、全国的に気温が高く、日照時間も多くなりました。また、北海道では降水量が記録的に多くなりました。
【気温】
7月は、西日本、東日本で気温が高くなり、北日本では平年並みとなりました。8月は、全国的に気温が高くなりました。
【日照時間】
北海道や東北地方、北陸地方、東海地方、九州地方のほとんどのところで多く、特に九州北部では非常に多くなりました。一方、関東地方と中国地方では平年並みとなりました。
【降水量】
北海道では、7月から8月にかけて、前線や低気圧、台風の接近や上陸などの影響を大きく受け、夏の降水量が1946年の統計開始以来1位となったところもありました。
北陸地方、東海地方、近畿地方では平年並み、そのほかの地域では平年並みか多くなりました。
(3)2017年春の花粉飛散予測
2017年は前シーズンと比べると、北日本で少なく、西日本で花粉が多く飛散するでしょう。特に、近畿地方、四国地方、九州地方では非常に多く飛散する見込みです。
例年と比べると、近畿地方、四国地方、九州地方では高温・多照などの花芽が多く形成される気象条件が揃うため、花粉の飛散数は例年を上回る予測となっています。また、北陸地方、東海地方、中国地方では、例年並みの飛散数となる見込みです。一方、東北地方と関東地方では、飛散数は例年より少なく、北海道では非常に少ないでしょう。
花粉飛散数は、2014年までは、前年に比べて「多い」と「少ない」を繰り返していましたが、東京では2015 年、2016 年と2年続けて多くなり、一方大阪では2015 年、2016 年と2年続けて少なくなりました。また、花粉飛散数をスギとヒノキを分けてみると、西日本ではヒノキの飛散数の割合が東日本に比べて多く、特に近畿地方は、ヒノキの割合が50%を上回る年もありました。日本気象協会は、今後の推移に注目していきます。
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花粉飛散数の推移 (左:東京千代田区、右:大阪市 日本気象協会の観測による)
2.地方の概況
地方 |
花粉 種別 |
飛散数 |
2016年夏の気象 |
|
前シーズン比 (地方平均値) |
例年比 (地方平均値) |
|||
北海道 |
シラカバ |
少ない (50%) |
非常に少ない (30%) |
気温 :高い
日照時間 :多い 降水量 :かなり多い |
東北 |
スギ ヒノキ |
少ない (50%) |
やや少ない (80%) |
気温 :高い
日照時間 :平年並 降水量 :多い |
関東 甲信 |
スギ ヒノキ |
やや少ない (70%) |
やや少ない (80%) |
気温 :高い 日照時間 :平年並 降水量 :多い |
北陸 |
スギ ヒノキ |
やや多い (140%) |
例年並 (90%) |
気温 :高い 日照時間 :多い 降水量 :平年並 |
東海 |
スギ ヒノキ |
多い (160%) |
例年並 (90%) |
気温 :高い 日照時間 :多い 降水量 :平年並 |
近畿 |
スギ ヒノキ |
非常に多い (360%) |
やや多い (130%) |
気温 :高い 日照時間 :多い 降水量 :平年並 |
中国 |
スギ ヒノキ |
多い (170%) |
例年並 (100%) |
気温 :高い 日照時間 :平年並 降水量 :平年並 |
四国 |
スギ ヒノキ |
非常に多い (260%) |
やや多い (110%) |
気温 :高い 日照時間 :多い 降水量 :多い |
九州 |
スギ ヒノキ |
非常に多い (270%) |
やや多い (110%) |
気温 :かなり高い 日照時間 :多い 降水量 :多い |
【飛散数に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2016年シーズン飛散数
例年 :過去10年(2007~2016年)の平均値
【2016年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1981~2010年の平均値
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】花粉飛散予測_第1報_