2016年の年間日射量 前年の年間日射量に比べ、東日本でやや少なく西日本でやや多い「東少西多」の傾向
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、2017年1月19日(木)に2016年の日本全国の年間日射量(※1)傾向を発表します。
◇2016年 年間日射量傾向のポイント
【例年比(例年:2006年~2015年)のポイント】 【前年比(前年:2015年)のポイント】 |
日本気象協会は、日照時間(直射日光が地表面に当たっている時間)から日射量(地表面が受ける太陽からのエネルギー量)を推定する独自技術により、全国約840地点の日射量をリアルタイムに推定しています。このデータは、「アメダス推定日射量」としてオンラインで提供しているほか、1992年以降のデータを蓄積しデータベース化して提供しています。
「アメダス推定日射量」は、現在の日射量の把握や、過去データを使ったメガソーラー発電事業の事業性評価などで、大手電力各社、新電力各社、太陽光発電事業者にご活用いただいています。
※1 全国にある約840地点の日照時間のアメダス観測値をもとにした推定日射量値。
1. 2016年の年間日射量の傾向
(1) 例年との比較 -東北、近畿の一部地域でやや多く、関東ではやや少ない傾向-
2016年の推定日射量(例年比) |
2016年の年間日射量は、例年と比べ北海道太平洋側を除く北日本と近畿、沖縄地方で「例年並」から「やや多い」となりました。一方、関東甲信、中国、九州地方では、「やや少ない」から「例年並」となりました。
全国的には3月と5月、7月から8月にかけては、例年と比較して日射量が多かったものの、関東甲信地方では3月と8月は日射量がやや少ない傾向がみられました。9月から10月にかけては、台風の影響や前線が本州付近に停滞することが多かったために、西日本を中心に記録的に日照時間が短くなり、日射量が少なくなりました。
北日本の日射量は、北海道地方では日本海側とオホーツク海側で「例年並」~「やや多い」傾向がみられ、太平洋側で「やや少ない」から「例年並」と地域によって差が出た傾向となりました。東北地方では「例年並」から「やや多い」傾向です。
東日本の日射量は、関東甲信地方で「やや少ない」から「例年並」となりました。その他の地域は「例年並」でした。
西日本の日射量は、近畿地方で「例年並」から「やや多い」、四国地方で「例年並」、中国、九州地方で「やや少ない」から「例年並」となりました。
沖縄・奄美の日射量は、奄美地方北部では「やや少ない」、奄美地方南部から沖縄地方では「例年並」から「やや多い」傾向がみられました。
(2) 前年(2015年)との比較 –東日本でやや少なく、西日本太平洋側でやや多い傾向–
2016年の推定日射量(前年比) |
2016年の年間日射量は、前年と比べて「東少西多」傾向がみられました。北海道の一部地域を除く関東甲信地方より北の地点で「前年並」から「やや少ない」となりました。東海地方から西の地域では太平洋側を中心に、「やや多い」傾向がみられました。
表 1 2016年の日射量の傾向 |
2. 「アメダス推定日射量」について
気象庁による全天日射量の観測は、全国48カ所(※2)に限られています。一方、日照時間は、全国約840地点のアメダスで観測されています。日本気象協会は、NEDO(※3)の研究事業を通じ、アメダスで観測された日照時間から全天日射量を高精度で推定するモデルを開発しました。
これらの成果を生かし、リアルタイムで日射量(推定値)を提供するとともに、蓄積したデータを用いた日射量の長期的な変動解析などの目的で、電気事業者、太陽光発電事業者に「アメダス推定日射量」をご利用いただいています。
この「アメダス推定日射量」には、リアルタイムの日射量をオンラインで配信する方法と、過去(1992年~2016年)の日射量(推定値)データの提供の2通りの方法があります。
※2:2017年1月18日現在の観測地点数
※3:NEDO・・・国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
【例年と前年について】
例年:過去10年(2006~2015年)の平均値
前年:2015年の年間日射量
【本資料の比較に関する言葉】
かなり多い :例年(前年)の+10%以上
多い :例年(前年)の+6~+10%
やや多い :例年(前年)の+2~+6%
並 :例年(前年)の-2~+2%
やや少ない :例年(前年)の-2~-6%
少ない :例年(前年)の-6~-10%
かなり少ない :例年(前年)の-10%未満
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】2016年の年間日射量の傾向_