日本気象協会が東京ガスと『ヒートショック予報』を共同開発 ~浴室事故を防止するための、新たな情報を提供~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、東京ガス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)と共同で、新たに『ヒートショック予報』(以下、本予報)を開発しました。本予報は東京ガスが運営する生活情報メディア「ウチコト ※1」のFacebookで2017年2月21日(火)から提供を開始します。
「ヒートショック」とは、急激な温度の変化により血圧が大きく変動し、体に負担がかかることで生じる健康被害のことです。気温の低下する冬は高齢者を中心に入浴中の死亡事故が多発しますが、ヒートショックは浴室事故の原因のひとつとされています。
東京都健康長寿医療センターが行った調査 ※ 2では、2011年の1年間で、全国で約17,000人もの人がヒートショックに関連した「入浴中急死」に至ったと推計されました。この死亡者数は、2011年の交通事故による死亡者数4,691人 ※ 3の3倍を超え、そのうち高齢者は14,000人と大多数を占めています。
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本予報は、東京ガスの持つヒートショックの研究結果や住宅環境に関する知見などをもとに、日本気象協会の保有する生活指数の開発技術を用いて、気象予測データから予報を算出しました。本予報を通じて生活者がヒートショックの危険性を意識し、適切な対策をとることで、日本気象協会は冬の浴室が安全で快適な環境になることを目指します。
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ヒートショック予報 提供イメージ |
東京ガス都市生活研究所の調査 ※4では、ヒートショックの認知度は44.2%と半数以下で、ヒートショックの危険性が高いといわれている60代以上の世代でも、認知度は同程度にとどまっていることがわかりました。また60代以上の世代が多く住む「築20年以上」の戸建て住宅のうち、約8割は浴室に暖房がなく、ヒートショックの危険性が高いこともわかりました。
日本気象協会は高精度の気象予測データと独自の知見を組み合わせて、これまでにも「熱中症指数」や「風邪ひき指数」などの生活指数情報を開発・提供しています。東京ガスはこれまで、安全で快適な入浴を楽しむため、冬の入浴事故や生活者の入浴事情について調査・研究を行い、安全な入浴方法に関する情報発信やヒートショック対策のひとつとなる浴室暖房、脱衣室暖房の提案などに努めています。
家庭内において急激な温度差が生じないように工夫を行うことで、ヒートショックは予防することができます。日本気象協会と東京ガスは、冬の入浴事故を社会問題として捉え、本予報の拡充、改善を続けます。
<『ヒートショック予報』提供ウェブサイト>
東京ガスの生活情報メディア「ウチコト」のFacebookページ
https://www.facebook.com/tokyogas.uchicoto
情報提供期間 2017年2月21日(火)~3月7日(火)予定 ※平日のみ17時ごろに1日1回更新
提供地点数 7地点(東京、横浜、千葉、さいたま、水戸、宇都宮、前橋)
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注意:リスクが低いと表示されていても、入浴事故が起こらないことを示すものではありません。常に安全な入浴に関する予防対策が必要です。
※1 「ウチコト」
http://tg-uchi.jp/
2016年4月に東京ガスが開設した「家事やくらしに役立つ情報」を提供する生活情報メディア。
※2 東京都健康長寿医療センター 研究所 入浴時の温度管理に注意してヒートショックを防止しましょう
http://www.tmghig.jp/J_TMIG/images/publication/pdf/heatshock.pdf
※3 平成27年における交通事故の発生状況
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001150496
※4 都市生活レポート「入浴とヒートショック~シニアの入浴環境の実態と意識~」
東京ガス 2015年10月30日発表 より http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20151030-03.html
・内容は発表日現在のものです。予告なしに変更されることがあります。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】ヒートショック予報を共同開発_