2017年桜開花予想(第2回) ~満開日予想を発表! 寒暖を繰り返し、つぼみの生長は順調に進む~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、2017年3月1日(水)に日本全国89地点の桜(ソメイヨシノほか)の開花予想(第2回)を発表します。今回から満開日の予想も発表します。
また、昨年に引き続き、「日本三大桜」と呼ばれている福島県の「三春滝桜」(みはるたきざくら:ベニシダレザクラ)、山梨県の「山高神代桜」(やまたかじんだいさくら:エドヒガンザクラ)、岐阜県の「根尾谷 淡墨桜」(ねおだに うすずみざくら:エドヒガンザクラ)の開花予想も発表します。さらに、今年は北海道の「新ひだか町」を新たに予想地点として加えています。
開花予想は日本気象協会のコーポレートサイト(http://www.jwa.or.jp/)や天気予報専門メディア『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』(http://www.tenki.jp/sakura/)にて無料で公開します。
(1) 概況
2017年の桜(ソメイヨシノ)の開花は、九州地方では平年並みまたは遅いところがあり、東京(千代田区)、東北地方の一部で早くなる見込みです。そのほかの地域は、平年並みの予想です。
桜前線は、3月22日に福岡市、宇和島市、東京(千代田区)でスタートし、24日には、熊本市、松山市、高知市、宿毛市、横浜市で開花する見込みです。3月末までには関東から西の地域で続々と開花のたよりが届き、4月上旬には北陸・東北南部で開花する予想です。桜前線が津軽海峡を渡り、北海道でお花見を楽しめるのは大型連休の頃となりそうです。

●日本気象協会 長期予報

(2)桜前線、今年の日本縦断のシナリオは?
2月16日、九州北部で南よりの強い風「春一番」が吹きました。その後、23日までの1週間の間に、「春一番」を発表している全ての地域で観測されました。関東地方では17日に「春一番」が吹き、東京の最高気温は20度を超えましたが、翌日には冷たい北風に変わり、最高気温は10度前後と気温の変化が激しくなりました。各地で寒暖の差が大きい2月となりました。
この先3月の気温は、全国的に平年並みかやや高い予想で、桜のつぼみは順調に生長する見込みです。22日には全国のトップを切って、福岡市・宇和島市・東京(千代田区)、その後、月末にかけて、西日本や東海地方・関東地方の大部分の地点で開花する見込みで、開花から7~10日ほどで満開を迎える予想です。
4月の気温は、平年並みで推移する見込みです。このため桜前線は、4月上旬には北陸地方や東北南部に達し、その後中旬から下旬にかけてゆっくりと北上、24日には本州最北端の県庁所在地・青森市、28日には津軽海峡を渡って、北海道・松前町に達する予想です。東北地方では、開花の4~7日後に満開となる見込みです。5月の気温は、平年並みか高い予想です。桜前線の北上は順調に進み、3日には札幌市、7日には新ひだか町、13日には最北端の稚内市、18日に根室市に進んで、2017年の桜前線の旅は終わりを迎える見込みです。北海道では、開花から2~5日後と、比較的短い期間で満開を迎える予想です。
(3)桜開花予想のたより(リレートーク)


別紙
●各地の桜(ソメイヨシノほか)の2017年予想開花日・予想満開日(3月1日発表)
※平年(昨年)差の「-」は平年(昨年)よりも早く、「+」は平年(昨年)よりも遅いことを表します。
※平年値や昨年値は、気象庁・各自治体や名所の値を用い、平年値の無い地点は過去の観測データを基に算出しました。
※満開を観測していない地点と過去の観測の記録がない地点は、予想満開日は発表しません。
※長野県伊那市(高遠城址公園)はタカトオコヒガンザクラ、北海道稚内市、留萌市、旭川市、網走市、帯広市、釧路市、浦河町、新ひだか町はエゾヤマザクラ、根室市はチシマザクラ、その他の各地はソメイヨシノを対象としています。










【言葉の説明】
平年:1981~2010年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
●日本三大桜 開花予想

【日本三大桜について】
日本三大桜は、福島県三春町の「三春滝桜」(ベニシダレザクラ)、山梨県北杜市の「山高神代桜」(エドヒガンザクラ)、岐阜県本巣市の「根尾谷 淡墨桜」(エドヒガンザクラ)を指します。いずれの桜も、大正11年(1922年)に国の天然記念物に指定されています。樹齢が1000年以上で、幹回りが9メートル以上あります。
日本三大桜の開花予想作成にあたり、地元自治体やお寺の住職の方々のご同意を得て、過去の長年にわたる開花日や満開日の観測データを使わせていただき、それぞれの桜の開花日や満開日に関する独自の予測式を作成しました。開花時期には日本気象協会の気象予測を用い、地元自治体やお寺の住職の方々のご協力も得ながら、精度の良い開花予測を提供します。
日本気象協会は企業メッセージ「ハーモナビリティ」の考えのもと、“お天気コンシェルジュ”として、日々の生活に役立つ気象情報や防災情報、四季の変化を楽しむ季節情報などを提供することで、利用者の生活を豊かにする新しい価値を届けていきます。
日本気象協会の桜開花予想について、よくあるご質問をまとめました。
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:第1回は2月8日(水)、第2回は3月1日(水)、以降、3月から4月下旬まで毎週水曜日に発表します。 2月中は【○月○日頃】として開花時期の傾向を発表し、3月以降は【開花日○月○日】【満開日○月○日】の形で発表します。
Q2:日本気象協会の開花予想の特徴は?
A2:各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しています。
Q3:開花日・満開日の基準は?
A3:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q4:予想する地点数は?
A4:2月中に発表する開花時期の傾向は48地点、3月以降に発表する開花日・満開日予想は全国で約90地点を発表します。予想地点約90地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる36地点を対象としています。また、昨年から日本三大桜の3地点を加えています。
Q5:日本気象協会の桜開花予想の手法は?
A5:独自手法を用いて開花予想をおこなっています。独自手法とは、花芽の生育過程に大きな影響を与える、秋以降の気温経過に重点を置いた独自の予測式を用いるものです。
2016年の桜開花/満開予想の平均誤差は、開花予想が2.5日、満開予想が2.0日でした。東海・関東地方や北海道の開花直前の気温が予想より高い状態が続き、予想より数日早い開花になったため誤差が生じました。
Q6:開花予想に使うデータは?
A6:①前年秋から予想作業日前までの気温観測値
②予想作業日から開花時期までの気温予測値(当協会ポイント予報および長期予報)を使用しています。桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽(はなめ)は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
Q7:長期予報の「北日本」「東日本」「西日本」の区分はどこ?
A7:気象庁が用いる範囲の通りです。北日本には北海道と東北地方、東日本には関東甲信・北陸・東海地方、西日本には近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部が含まれます。
Q8:開花予想はどこで見られる?
A8:日本気象協会のコーポレートサイト(http://www.jwa.or.jp/)、ならびにtenki.jp(http://www.tenki.jp/sakura/)、でご利用いただけます。tenki.jp では、開花(満開)の予測だけでなく、3月以降は、全国のお花見ポイントの実況や見どころ情報も提供します
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