2017年桜開花予想(第3回) ~一時的に寒さが戻り、つぼみの生長はひと休み~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、2017年3月8日(水)に日本全国89地点の桜(ソメイヨシノほか)の開花予想(第3回)を発表します。あわせて3月9日(木)から、天気予報専門メディア『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』にて各地の桜開花情報(https://tenki.jp/sakura/)を昨年のデザインから一新して無料で公開します。
また、昨年に引き続き、「日本三大桜」と呼ばれている福島県の「三春滝桜」(みはるたきざくら:ベニシダレザクラ)、山梨県の「山高神代桜」(やまたかじんだいさくら:エドヒガンザクラ)、岐阜県の「根尾谷 淡墨桜」(ねおだに うすずみざくら:エドヒガンザクラ)の開花予想も発表します。さらに、今年は北海道の「新ひだか町」を新たに予想地点として加えています。
開花予想は日本気象協会のコーポレートサイト(http://www.jwa.or.jp/)やtenki.jp (https://tenki.jp/sakura/expectation/)にて無料で公開します。
(1) 概況
2017年の桜(ソメイヨシノ)の開花は、九州、四国、東海地方では平年並みまたは遅いところがあり、そのほかの地域は、平年並みか平年より早い予想です。
春分の日を過ぎ、22日に福岡市、東京(千代田区)で桜前線がスタートし、その後も続々と開花が進み、九州から関東地方にかけての多くの地域で3月末までに開花の便りが届く見込みです。これらの地域では開花から満開までの日数は1週間から10日前後となるため、新年度の幕開けを満開の桜で迎えられるところが多いでしょう。

●日本気象協会 長期予報

(2)冬の空気が戻り、つぼみの生長はひと休み
3月の第1週の週末は、九州から東北南部まで3月下旬から4月上旬並みの気温となり、桜が咲くころの暖かさになりました。今週は、冬型の気圧配置となったため、暖かい陽気から一転し、気温が低くなっています。そのため、桜のつぼみの生長は少し足踏み状態になる見込みです。しかし、3月中旬以降は平年並みの気温となるため、つぼみの生長は順調に進む予想です。3月下旬から4月上旬にかけて、開花の便りが届き、関東地方より西のエリアではお花見を楽しむことができそうです。
4月、5月は数日の周期で天気が変わり、4月の気温は平年並み、5月は平年並みか高くなる見込みです。
(3)桜開花予想のたより(リレートーク)

別紙
●各地の桜(ソメイヨシノほか)の2017年予想開花日・予想満開日(3月8日発表)
※平年(昨年)差の「-」は平年(昨年)よりも早く、「+」は平年(昨年)よりも遅いことを表します。
※平年値や昨年値は、気象庁・各自治体や名所の値を用い、平年値のない地点は過去の観測データをもとに算出しました。
※満開を観測していない地点と過去の観測の記録がない地点は、予想満開日は発表しません。
※長野県伊那市(高遠城址公園)はタカトオコヒガンザクラ、北海道稚内市、留萌市、旭川市、網走市、帯広市、釧路市、浦河町、新ひだか町はエゾヤマザクラ、根室市はチシマザクラ、そのほかの各地はソメイヨシノを対象としています。










【言葉の説明】
平年:1981~2010年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
●日本三大桜 開花予想

【日本三大桜について】
日本三大桜は、福島県三春町の「三春滝桜」(ベニシダレザクラ)、山梨県北杜市の「山高神代桜」(エドヒガンザクラ)、岐阜県本巣市の「根尾谷 淡墨桜」(エドヒガンザクラ)を指します。いずれの桜も、大正11年(1922年)に国の天然記念物に指定されています。樹齢が1000年以上で、幹回りが9メートル以上あります。
日本三大桜の開花予想作成にあたり、地元自治体やお寺の住職の方々のご同意を得て、過去の長年にわたる開花日や満開日の観測データを使わせていただき、それぞれの桜の開花日や満開日に関する独自の予測式を作成しました。開花時期には日本気象協会の気象予測を用い、地元自治体やお寺の住職の方々のご協力も得ながら、精度の良い開花予測を提供します。
日本気象協会は企業メッセージ「ハーモナビリティ」の考えのもと、“お天気コンシェルジュ”として、日々の生活に役立つ気象情報や防災情報、四季の変化を楽しむ季節情報などを提供することで、利用者の生活を豊かにする新しい価値を届けていきます。
●tenki.jp桜開花情報 コンテンツイメージ
今年から全国の見ごろスポット、夜桜スポットなど、目的に応じたお花見スポットを一覧から選べます。


日本気象協会の桜開花予想について、よくあるご質問をまとめました。
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:第1回は2月8日(水)、第2回は3月1日(水)、以降、3月から4月下旬まで毎週水曜日に発表します。 2月中は【○月○日頃】として開花時期の傾向を発表し、3月以降は【開花日○月○日】【満開日○月○日】の形で発表します。
Q2:日本気象協会の開花予想の特徴は?
A2:各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しています。
Q3:開花日・満開日の基準は?
A3:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、
満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q4:予想する地点数は?
A4:2月中に発表する開花時期の傾向は48地点、3月以降に発表する開花日・満開日予想は全国で約90地点を発表します。予想地点約90地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる36地点を対象としています。
また、昨年から日本三大桜の3地点を加えています。
Q5:日本気象協会の桜開花予想の手法は?
A5:独自手法を用いて開花予想をおこなっています。独自手法とは、花芽の生育過程に大きな影響を与える、秋以降の気温経過に重点を置いた独自の予測式を用いるものです。
2016年の桜開花/満開予想の平均誤差は、開花予想が2.5日、満開予想が2.0日でした。東海・関東地方や北海道の開花直前の気温が予想より高い状態が続き、予想より数日早い開花になったため誤差が生じました。
Q6:開花予想に使うデータは?
A6:①前年秋から予想作業日前までの気温観測値
②予想作業日から開花時期までの気温予測値(当協会ポイント予報および長期予報)を使用しています。桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽(はなめ)は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
Q7:長期予報の「北日本」「東日本」「西日本」の区分はどこ?
A7:気象庁が用いる範囲の通りです。北日本には北海道と東北地方、東日本には関東甲信・北陸・東海地方、西日本には近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部が含まれます。
Q8:開花予想はどこで見られる?
A8:日本気象協会のコーポレートサイト(http://www.jwa.or.jp/)、ならびにtenki.jp(https://tenki.jp/sakura/expectation/)、でご利用いただけます。tenki.jp では、開花(満開)の予測だけでなく、3月以降は、全国のお花見ポイントの実況や見どころ情報も提供します。
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