スマート衣料を利用した暑熱環境下の作業リスク管理支援システム 「Smartfit for work」を共同開発
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、倉敷紡績株式会社 (本社:大阪市中央区、社長:藤田晴哉、以下「クラボウ」)を軸とした産学連携のプロジェクトの一員として建設や運輸の作業現場のリスク管理をIoTで支援するシステム「Smartfit for work」を共同開発しましたのでお知らせします。
なお「Smartfit for work」はクラボウ製のシャツ型スマート衣料「Smartfit(スマートフィット)※1」を使用し、暑熱環境下での作業リスク(以下 「暑熱作業リスク」)の管理を支援するシステムで、サービスの提供開始に向けて2018年5月28日(月)からクラボウが受注を開始します。
■作業現場のリスク管理をIoTで支援するシステム「Smartfit for work」について
「Smartfit」から取得した作業者の生体情報(心拍・温度・加速度)をスマートフォン経由でクラウドサーバーに送信し、作業地域の気象情報を融合した解析アルゴリズムによって「暑熱作業リスク」をリアルタイムに推定し通知します。日本気象協会は、2017年夏に実際の作業現場で実施した「Smartfit」着用モニター調査※2をもとに、作業者ごとの暑熱作業リスクをリアルタイムに推定できるこのアルゴリズムを大阪大学基礎工学研究科およびクラボウと共同で開発しています。
暑熱作業リスクのほか、作業者の日々の体調変化を把握することができる「Smartfit for work」では自動学習(AI)機能により過去の個人のデータを踏まえた体調変化の傾向が分かるため、暑熱作業リスク情報との併用で、より精度の高い作業管理などに役立てられます。
近年、熱中症による死傷者数が増加傾向にある中、屋外や高温・多湿な環境で作業を行う建設業や運輸業などでは、暑熱作業リスクの対策へのニーズが高まっています。
そこで日本気象協会は、スマート衣料の活用によりヒト・モノ・データを統合し作業現場での暑熱作業リスクを適切かつ容易に推定できるサイバーフィジカルシステム(CPS)の構築を目指すクラボウを軸とした産学連携のプロジェクトに2017年3月から参画しています。
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【Smartfit for work イメージ】 | 【Smartfit for work システム概要】 |
■通知できるリスク情報
暑熱作業リスク |
「熱ストレス※3」と「作業強度※4」をもとに作業者の暑熱環境下における作業リスクを3段階に推定・区分した情報。自動学習(AI)機能あり。 |
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体調変化 |
「心拍指数※5」と「体力指数※6」をもとに作業者の体調変化を3段階に推定・区分した情報。自動学習(AI)機能あり。 |
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転倒転落 |
加速度データにより作業者が転倒・転落状態にある可能性を判定した情報。(2018年8月頃提供予定) |
●サービスの詳細は、クラボウのニュースリリースをご覧ください。
URL:http://www.kurabo.co.jp/news/newsrelease/20180524_1599.html
※1 「Smartfit(スマートフィット)」
導電性繊維と生体センサを備え付け、着用者の生体情報を取得・送信できるコンプレッションインナータイプのクラボウ製のスマート衣料
※2 モニター調査
2017年年5月~9月に作業現場で延べ約7,000人の生体情報などを取得・解析。協力企業一覧は別添資料参照。
※3 熱ストレス
過度の暑さが身体に与える悪影響
※4 作業強度
作業量に応じて受ける身体の負担
※5 心拍指数
心拍データを指数化したもの
※6 体力指数
加速度と心拍データを組み合わせて作業時の心拍の変化率を推定・指数化したもの
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会からのお知らせ】クラボウ「Smartfit for work」共同開発_