日本気象協会 2019年 春の花粉飛散予測(第4報) 今年も花粉シーズンスタート!東海、中国、四国、東京で飛散開始
Press Release
◆2019年 春の花粉飛散予測のポイント(2019年2月14日 発表) ・2月4日に東海、中国、四国の一部、11日に東京都でスギ花粉の飛散開始 ・2月下旬から3月は全国的に気温が高い見込み ・「晴れて」「暖かく」「風が強い」日は花粉の大量飛散に十分注意 |
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己)は、2019年2月14日(木)に全国・都道府県別の2019年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第4報)を発表します。また、詳細な情報を、「2019年春の花粉総飛散量 予測資料」として販売します。
2019年シーズンの飛散開始時期
2018年12月から2019年1月にかけて、西日本と東日本は気温が高めで経過しました。12月上旬には全国的に師走とは思えない暖かさの日があり、4日は、最高気温が25度以上の夏日になったところもありました。東京の練馬では25度0分を観測し、関東では14年ぶりに12月の夏日となりました。12月中旬以降も寒さの緩む日が度々あり、22日は四国や九州の所々で最高気温が20度を超えました。1月は何度か強い寒気が入り、厳しい寒さの日もありましたが、この寒さは長続きせず、平均気温は西日本を中心に平年より高くなりました。1月の降水量は、全般に平年より少なくなりました。
2月4日は、北陸地方で春一番の発表があり、最高気温が3月並みから4月並みのところが多くなりました。このため、2月4日は中国、四国や東海の一部で飛散開始※が確認され、11日には東京都でも飛散開始が確認され、花粉シーズンがスタートしています。そのほかの地点でも、飛散開始の定義にはあてはまっていませんが、わずかな飛散が確認されているところがあります。
西日本と東日本は、来週は気温が平年より高くなる見込みです。まだ飛散開始となっていない西日本や東日本の地点でも2月下旬から3月上旬にかけて飛散開始となりそうです。厳しい寒さが続いている北日本も、2月下旬から3月上旬は気温が平年並みか高めで経過する見通しです。2月下旬には東北南部で、3月上旬には東北北部でもスギ花粉の飛散が始まるでしょう。
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※飛散開始日:1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日
参考資料
1. 2019年シーズンの花粉飛散傾向
2019年春の花粉飛散量は、例年比でみると、東北から近畿でやや多い地方が多く、中国地方では多い見込みです。四国は例年並みで、九州は例年並みか多めとなりそうです。北海道は例年を下回るでしょう。一方で、前シーズンと比較すると、北海道から関東甲信、東海にかけては少ない傾向ですが、北陸では多いか、やや多い見込みです。秋田県では前シーズンの飛散量が少なかったため、前シーズンと比べて「非常に多い」予測です。
前シーズンの花粉の飛散量は、全国的に例年より多くなりました。前シーズンの特徴としては、ヒノキ花粉の飛散量が多い傾向があり、東京ではヒノキ花粉が過去10年で最も多く飛散するシーズンとなりました(例年比約4.9倍、2017年シーズン比約4倍の飛散量、日本気象協会の観測地点 調べ)。今シーズンの予測に向けて花芽調査を行ったところ、ヒノキの花芽の数が前シーズンほど多くないことが分かりました。このため、今年のヒノキ花粉の飛散量は前シーズンより少ないと予測します。
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各地域の2019年シーズンの花粉飛散量
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2. 各地のピーク予測
スギ花粉飛散のピークは、福岡では2月下旬から3月上旬、広島・大阪では3月上旬、高松・名古屋では3月上旬から中旬でしょう。東京のピークは3月上旬から4月上旬となり、多く飛ぶ期間が長くなりそうです。金沢と仙台では3月中旬から下旬にピークを迎えるでしょう。
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ピークが始まります。福岡では3月下旬から4月上旬、広島・大阪では4月上旬、高松・名古屋・東京では4月上旬から中旬の見込みです。金沢と仙台では4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはないでしょう。
スギ・ヒノキ花粉の飛散量がピークになる時期は、花粉シーズン中の気温や予想される総飛散量と関係があると考えられます。このあと3月にかけての気温は北日本では、平年並みか高め、東日本と西日本では平年より高めで経過する予想です。スギ・ヒノキ花粉それぞれのピーク時期は、例年並みか少し早まる見込みです。
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3. 日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。
花粉の元となる植物の育成には、前年夏(6月~8月)の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数が多くなるといわれています。花芽は夏の早い段階で育つため、日本気象協会の花粉飛散予測では6月と7月の気象条件を特に重視して予測を発表しています。
日本気象協会の花芽調査では、スギやヒノキなどの植物に詳しい「植物のプロ」や、花粉の研究に長年携わっている学識者の協力を得ながら、その土地の気候や地形を知る「気象のプロ」による定点観測を重視しています。
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スギ群落の前年との比較(高知県長岡郡本山町のスギの様子)左:2018年1月7日 右:2019年1月5日 撮影
【花粉の種類について】
北海道 :シラカバ
その他 :スギ・ヒノキ
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2018年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2009~2018年)の平均値
【2018年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1981~2010年の平均値
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】2019年_花粉飛散予測第4報_