日本気象協会、「要配慮者利用施設の避難確保計画作成・訓練実施の義務化」に資する避難確保計画策定支援の実証実験を神奈川県川崎市にて実施~新たに茨城県常総市でも実証実験を開始します~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、2018年12月から2019年4月末まで神奈川県川崎市にある5カ所の施設にて「避難確保計画策定支援」の実証実験を行いましたのでお知らせします。
また新たに茨城県常総市の7カ所の施設にて2019年4月から7月末の期間、実証実験を行います。
【神奈川県川崎市での実証実験について】
■実証実験時期および内容
今回の実証実験では、義務化された内容のうち、「避難確保計画作成」を要配慮者利用施設(※)が実際に行う際の課題点を明らかにすることを目的に実施しました。
(※)社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する方々が利用する施設のこと
2019年 1月~2月
・要配慮者利用施設の選定
・避難確保計画の策定に必要な施設側への現状ならびに課題のヒアリング
・自治体側の対応状況、課題のヒアリング
2019年3月~4月
・日本気象協会と株式会社エヴァーグリーンが用意する「避難確保計画策定ツール」を利用し実際に避難確保計画を策定する
・完成した避難確保計画を対象地域の防災担当者へ確認いただき、過不足などの意見を募る
・報告書の作成ならびに市役所、施設を交えた報告会を4月24日(水)に川崎市にて開催
■対象施設
(1)洪水に対する防災対策の推進について(2施設)
・ 川崎市にある高齢者用グループホーム
・ 川崎市にある保育園
(2)土砂災害に対する防災対策の推進について(3施設)
・ 川崎市にある通所介護施設
・ 川崎市にある保育園–上記(1)の保育園とは別の施設
・ 川崎市にある医療施設
■避難確保計画策定実証実験の様子(避難確保計画作成の様子)
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■実証実験を終えて各対象施設職員の方からの感想(抜粋)
Webツールを用意され、取り組むきっかけになった。
「これまで考えていなかった内容を考えることができた。思いつかなかった内容に気がついた」
防災体制、関係機関の連絡先、避難時の資機材などを考え直すきっかけになった。
「他施設の作成状況が見られる機能があり参考になる」
自施設と似た施設とのつながりが少ない場合、他の作成状況を知ると取り組むきっかけになる。
神奈川県川崎市での実証実験で得られた知見を参考に、2019年4月から7月末の期間にて、茨城県常総市にある7カ所の要配慮者利用施設にて実証実験を行います。
■日本気象協会からのコメント
各施設は共通して防災対策に前向きな姿勢であることがわかり、わたしたちが用意した専用の計画策定ツールにより、その作成作業を後押しできることが確認できました。
また各施設ではおおむね1時間~1時間半程度で国土交通省のガイドラインに則った避難確保計画を作ることができていました。
このような成果を次の常総市での実証実験にて再確認し、早期に全国の要配慮者利用施設での防災対策に寄与したいと考えています。

■避難確保計画策定支援ならびに実証実験に関するお問い合わせ
日本気象協会 防災ソリューション事業部 防災支援課
Email: hinan_bosai@jwa.or.jp
<ご参考>
「要配慮者利用施設の避難確保計画作成・訓練実施の義務化」に資する避難確保計画策定支援の実証実験実施の背景と、日本気象協会が考える防災支援エコシステムのイメージ
「水防法等の一部を改正する法律(平成29年法律第31号)」の施行により、要配慮者利用施設の避難態勢強化を図るため「水防法」「土砂災害防止法(正式名称:土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)」が、平成29年(2017年)6月17日に改正されました。
改正に伴い、市町村の地域防災計画にその名称と所在地が定められた洪水浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設の所有者や管理者には、避難確保計画の作成、市町村長への報告、避難訓練実施が義務化されました。
日本気象協会が行う実証実験では、義務化された内容のうち、「避難確保計画作成」を要配慮者利用施設が実際に行う際の課題点を明らかにします。

以上
PDFダウンロード:【日本気象協会】避難確保計画策定支援の実証実験 実施報告_