一般社団法人 交通工学研究会から「レーダ降雨強度を用いた首都高速道路の 速度分布特性に関する基礎分析」に関する研究奨励賞をいただきました
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一般財団法人 日本気象協会は2020年9月8日(火)、一般社団法人 交通工学研究会から研究奨励賞の表彰を受けましたのでお知らせします。
研究奨励賞 表彰の内容
【表彰項目】
表彰発表名:
レーダ降雨強度を用いた首都高速道路の速度分布特性に関する基礎分析
受賞者名:
服部 充宏(一般財団法人 日本気象協会本社 社会・防災事業部 防災マネジメント課)
稲村 肇(政策研究大学院大学)
大口 敬(東京大学)
日比野 直彦(政策研究大学院大学)
森地 茂(政策研究大学院大学)
研究内容:
・雨が降っている道路上では、ブレーキの効きが悪くなることや、前方が見えにくくなることから、運転し辛くなることが知られています。その実態を把握するために、レーダデータを利用して降雨時における高速道路上の自動車の速度変化に関する研究を行いました。
・気象庁のアメダス観測では観測場所での雨量の計測に限られますが、レーダであれば道路上の任意地点での雨量計測をすることができます。
・首都高速道路上の速度分布を分析したところ、
①レーダ計測による弱い降雨強度範囲では、降雨強度の増加による自動車の速度低下は比較的大きくなる傾向がみられる。
②一方、強い降雨強度範囲では、降雨強度が増加しても自動車の速度低下は顕著ではないことから、「車両速度は降雨強度から非線形な影響を受けること」を示しました。(本研究から、比較的弱い雨の場合は雨が強くなるにつれて高速道路上の自動車の速度は全体的に下がっているものの、雨が強くなるにつれて自動車の速度が全体的に下がらなくなっている傾向を確認できました。)
・なおこの傾向は、高速道路の曲線部でも同様に見られ、曲率が大きいほど低い降雨強度での自動車の速度低下が少ない傾向が見られることを示しました。


<日本気象協会から>
今回表彰の対象となった研究では、雨が降る中での自動車の動きについて分析しています。この研究をさらに進めることで、自動運転車と非自動運転車が一緒に走る中でどのように自動運転車の制御を行うかなど、未来の自動車及び道路の在り方について検討することができます。今後、荒天下でも安全で快適なモビリティ社会実現に向けて貢献していきます。日本気象協会として、この研究を高く評価いただき、このように表彰いただけたことは、この上なく光栄に感じております。研究を行った職員に対し、更なる技術研鑽への励みともなります。
今後も技術力を磨きながら、引き続きより良い社会の達成に向けて、様々な分野で貢献できますよう、努めてまいります。
* 本研究は政策研究大学院大学防災・危機管理コースへ留学した際の研究成果をもとに
共同研究者の皆さまと進めたものです。
日本気象協会 社会・防災事業部 防災マネジメント課 服部 充宏
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会おしらせ】交通工学研究会から研究奨励賞をいただきました_