日本気象協会 2022年 春の花粉飛散予測(第3報)
~花粉飛散は2月上旬からスタート 3月は各地で飛散ピークに~
Press Release
◆2022年 春の花粉飛散予測のポイント(2022年1月20日 発表)
- 花粉シーズンは2月上旬に九州や四国、中国、東海、関東の一部からスタート
- 東京のスギ花粉飛散ピークは3月上旬から3月下旬の見込み
- 飛散量は東海や北陸、関東甲信、北海道で前シーズン(2021年春)より多い予想
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太)は、2022年1月20日(木)に全国・都道府県別の2022年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第3報)を発表します。また、詳細な情報を、「2022年春の花粉総飛散量 予測資料」として販売します。
1. スギ花粉の飛散開始時期
スギ花粉の飛散開始※は、九州から東北まで例年並みとなるでしょう。2月上旬に九州や四国、中国、東海、関東の一部から花粉シーズンがスタートする見込みです。
2月にかけて気温は全国的に平年並みか低いでしょう。冬らしい寒さにより休眠打破が順調に行われて、スギ花粉の飛散開始は各地で例年並みとなる見通しです。
スギ花粉は、飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めます。2月上旬に飛散開始が予測される地域では、1月のうちから早めに花粉対策を始めるとよいでしょう。
※飛散開始日
1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日

2. 各地のピーク予測
スギ花粉飛散のピークは、福岡や高松で2月下旬から3月上旬、広島や大阪、名古屋では3月上旬から中旬の予想です。金沢や東京、仙台は3月上旬から下旬となるでしょう。ピークの時期は例年並みとなる所が多い見込みです。
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ピークが始まります。福岡や高松では3月下旬から4月上旬、広島では4月上旬の見込みです。大阪や名古屋、東京では4月上旬から中旬にヒノキ花粉の飛散のピークとなり、時期はほぼ例年並みでしょう。金沢と仙台は、4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他の地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはない見込みです。


3. 2022年シーズンの花粉飛散傾向
2022年春の花粉飛散予測は、九州や北陸、関東甲信、東北では例年並み、四国、中国、近畿、東海では例年より少ない見込みです。一方、北海道は例年より非常に多いでしょう。東北は、前年夏の気象条件から見ると多く飛散する条件に該当しますが、現地調査で各地の着花量に差がみられたため、地域で考えると例年並みとなる見込みです。
前シーズン比で見ると、九州や東北は地域差が大きく、四国、中国、近畿の飛散量は少ない見込みです。一方、東海、北陸、関東甲信、北海道は前シーズンより多いでしょう。九州や北陸、東北、北海道では非常に多く飛ぶ地域もある見込みです。前シーズンは症状が弱かった方も万全な花粉症対策が必要になりそうです。


4. 各地域の花粉飛散傾向

5. 飛散量の予測根拠
花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。
日本気象協会では、気象データに加え、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などのデータ、および全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽調査の結果などをふまえて予測しています。花芽調査では、スギやヒノキなどの植物に詳しい「植物のプロ」や、花粉の研究に長年携わっている学識者の協力を得ながら、その土地の気候や地形を知る「気象のプロ」による定点観測を重視しています。
6. スギ花粉のライフサイクル
スギ花粉は1年間を通じて、生長・形成・開花を経て、花粉を飛散します。飛散した花粉からまた生長が始まります

【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2021年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2012~2021年)の平均値
【2021年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値
◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。
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PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2022年花粉飛散予測第3報