「日傘の使用による暑熱対策」に関する実証イベントを開催 ~熱中症防止対策としての日傘の効果検証と利用普及に向けて~
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、「日傘使用による暑熱対策」実証イベントを2022年8月6日(土)、大阪市の天王寺公園「てんしば」にて開催しました。
当日は、来場者に日傘(シルバー(表)/ネイビー(裏)の長傘、ラミネート加工あり)をさしてもらい、シールによるアンケート調査で日傘の効果を3段階で評価いただいた他、質問紙調査にも回答いただきました。同時に日傘の有無によるWBGT(暑さ指数)の比較を行い、日傘の効果を定量的に把握しました。
日本気象協会では今回の実証イベントにより得られた各種データを基に、年齢や性別による日傘の使用頻度の違いや、日傘の使用/不使用の理由、今後の日傘の使用に対する意向などを分析します。また日傘利用の推進による暑熱対策の有効性や日傘利用における課題などについて9月を目処にとりまとめ、日傘利用の普及啓発に役立てていく予定です。


【背景】
日本気象協会は、環境省近畿地方環境事務所から「気候変動適応における広域アクションプラン策定事業近畿地域業務」を請け負い、2020年度から調査を進めています。本業務の「暑熱対策分科会(大阪府・大阪市など14自治体や研究機関などから構成)」では、さらに暑さが厳しくなる将来に備え、近畿地方を訪れる観光客や市民に向けた暑熱対策を、近畿圏内の自治体などが主体となって実施する適応アクション(適応策)の1つに位置づけています。
2014年に行われた「日傘の使用に関する研究」でのアンケート調査と実験結果(※)から、日傘を使うことで利用者の体感温度を下げることができるが、特に男性では利用する人が少なく、また日傘の使用に抵抗感があることがわかっています。
今回は、暑熱対策分科会および普及啓発活動の連携イベントとして、以下を目的に本イベントを開催しました。
・参加者に日傘を使って暑さが緩和されることの実体験の機会を提供する。
・年齢や性別による日傘の使用頻度の違いや、日傘使用/不使用の理由、今後の日傘の使用に対する意向などのデータを収集し、課題などを得て、今後、自治体などが実施する適応アクションのベースとする。
【概要】
○日時:2022年8月6日(土)10:00~16:00まで ※実証イベントは終了しています
○場所:天王寺公園内エントランスエリア「てんしば」(大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-108)
○実証実験参加者数(速報値):100名
※:日傘の使用に関する研究 -意識調査アンケートと被験者実験による検討-(東、他)一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 66巻(2014)https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/66/0/66_1/_article/-char/ja
以上