2023年桜開花予想(第2回)
全国的に平年並みか早め 福岡・高知で3月19日に開花スタート
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、日本全国49地点(ソメイヨシノの標本木48地点と釧路市のエゾヤマザクラの標本木)の桜の開花予想(第2回)を、2023年2月16日(木)に発表します。
開花予想前線図
開花予想日(主な地点)
開花の傾向
2023年の桜の開花は、全国的に平年並みか、平年よりも早く開花するところがあるでしょう。
桜前線は、3月19日に福岡、高知からスタートする見込みです。20日には宮崎、21日には熊本で開花するでしょう。東京や和歌山、広島、大分などは22日に開花する見通しで、3月末までには九州から関東の広い範囲で開花するでしょう。4月上旬には北陸や長野、東北南部で、4月中旬には東北北部で開花し始め、4月下旬には桜前線が北海道へ到達する見込みです。函館では4月26日に開花するでしょう。
この冬(12月以降)は全国的にたびたび強い寒気が流れ込み、12月は全国的に平年より気温が低く推移しました。1月の気温はおおむね平年並みだったものの、下旬には非常に強い寒波が襲来し、全国各地の観測地点で、観測史上最低の気温を更新するなど、記録的な冷え込みとなりました。このことから、桜の花芽の休眠打破※は順調に行われたと考えられます。
2月下旬は一時的に寒気の影響を受けるため、気温は全国的に平年より低くなりますが、3月以降は寒気の影響を受けにくい予想のため、気温は平年並みか高くなる見込みです。また、前回予想時よりも高温傾向で推移しているため、予想開花日は3~4日前後早まるところが多く、平年並みか早い開花となる地点があるでしょう。
※休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること
全49地点の桜の開花予想日は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』桜の開花予想ページ(https://tenki.jp/sakura/expectation/)にて公開しています。
【言葉の説明】
平年:1991~2020年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
参考資料
桜開花予想に関するよくあるご質問
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:以下の日程を予定しています。1月、2月中は開花予想日のみを発表し、3月以降は開花予想日と満開予想日を発表します。
第 1回 1月26日(木) | 第 2回 2月16日(木) | 第 3回 3月2日(木) | 第 4回 3月9日(木) |
第 5回 3月16日(木) | 第 6回 3月23日(木) | 第 7回 3月30日(木) | 第 8回 4月13日(木) |
第 9回 4月27日(木) |
Q2:開花日・満開日の基準は?
A2:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q3:予想する地点数は?
A3:1月、2月中は49地点、3月以降は全国で84地点を予定しています。予想地点84地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる31地点となります。
*当初は89地点の発表を予定しておりましたが、検討の結果、84地点に変更となりました。
Q4:日本気象協会の桜開花予想の手法・特徴は?
A4:花芽(はなめ)の生育過程に大きな影響を与える「秋以降の気温経過」に重点を置いた、独自の予測式を用いて開花予想を行っています。各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しているのが特徴です。
日本気象協会は2007年から桜の開花予想を実施しており、今年で17年目の取り組みです。
Q5:開花予想に使うデータは?
A5:以下データを使用しています。
1. 前年秋から予想作業日前までの気温観測値
2. 予想作業日から開花時期までの気温予測値(日本気象協会ポイント予報および長期予報)
桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2023年桜開花予想(第2回)