2023年桜開花予想(第9回)
記録的な早さで北上した桜前線 3月以降の高温の影響大きく
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、日本全国84地点の桜[ソメイヨシノ ほか]の開花予想(第9回)を、2023年4月27日(木)に発表します。なお、今回で2023年の予想発表を終了します。
開花予想前線図

開花・満開予想日(主な地点)

2023桜開花・満開 最早地点(最早タイを含む)

2023年春の桜開花傾向
2023年の春の桜開花は、記録的な早さで進みました。開花最早(最早タイを含む)を記録した地点は、日本気象協会が開花予想を発表している全国84地点のうち45地点に上り、特に北陸・東北では、岩手県大船渡市を除くすべての観測地点で最早記録(最早タイを含む)を更新しました。
その大きな要因となったのは、3月の高温です。統計の対象としている全国の観測所153地点のうち114地点で3月の平均気温を更新し、記録的な暖かさとなりました。3月の平均気温は、北日本と東日本で平年より3.4度高く、1946年の統計開始以来1位の高温となったほか、西日本も平年より2.6度高い1位タイの記録となり、この高温が桜の早期開花を促しました。
4月に入っても高温傾向は続き、現在北海道を進む桜前線においても、早期開花の波をもたらしています。4月15日に札幌で開花し、これまで最も早い開花だった4月21日より6日早い開花となったほか、帯広や室蘭でも最早記録を更新しました。
この先、4月29日に網走、5月4日に稚内と釧路で開花する見込みです。開花から満開まで3日前後のところが多く、旭川や網走では大型連休中に満開の桜を楽しむことができるでしょう。そして5月7日に根室で開花し、2023年の桜前線はゴールに到達する見込みです。
全84地点の桜の開花予想日は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア 『tenki.jp(てんきじぇーぴー)』桜の開花予想ページ(https://tenki.jp/sakura/expectation/)にて公開しています。
【言葉の説明】
平年:1991~2020年の平均値
かなり早い :平年よりも7日以上早い
早い :平年よりも3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年よりも3日から6日遅い
かなり遅い :平年よりも7日以上遅い
参考資料
桜開花予想に関するよくあるご質問
Q1:桜開花予想の発表のスケジュールは?
A1:以下の日程を予定しています。1月、2月中は開花予想日のみを発表し、3月以降は開花予想日と満開予想日を発表します。
*2023年シーズンの開花状況を踏まえ、4月6日(木)に臨時報を発表しました。
第 1回 1月26日(木) | 第 2回 2月16日(木) | 第 3回 3月2日(木) | 第 4回 3月9日(木) |
第 5回 3月16日(木) | 第 6回 3月23日(木) | 第 7回 3月30日(木) | 第 8回 4月13日(木) |
第 9回 4月27日(木) |
Q2:開花日・満開日の基準は?
A2:気象庁の観測基準と同じです。開花日は標本木で5~6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日です。
Q3:予想する地点数は?
A3:1月、2月中は49地点、3月以降は全国で84地点を予定しています。予想地点84地点は、各地気象台が観測する標本木53地点と自治体・公園などの協力機関から観測データを得られる31地点となります。
*当初は89地点の発表を予定しておりましたが、検討の結果、84地点に変更となりました。
Q4:日本気象協会の桜開花予想の手法・特徴は?
A4:花芽(はなめ)の生育過程に大きな影響を与える「秋以降の気温経過」に重点を置いた、独自の予測式を用いて開花予想を行っています。各地気象台の標本木や公園などの協力機関による正確な観測データを重視した、気象学的根拠に基づいた予想を出しているのが特徴です。
日本気象協会は2007年から桜の開花予想を実施しており、今年で17年目の取り組みです。
Q5:開花予想に使うデータは?
A5:以下データを使用しています。
① 前年秋から予想作業日前までの気温観測値
②予想作業日から開花時期までの気温予測値(日本気象協会ポイント予報および長期予報)
桜の開花時期には、前年の秋から春にかけての気温が大きく影響します。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入ります。冬になって一定期間の低温にさらされると、花芽は休眠から覚めます(休眠打破)。休眠から覚めた後は、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど花芽の生長が早く進み、開花が早まると考えられています。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】 2023年桜開花予想(第9回)