日本気象協会、ジェイアイ傷害火災保険へ「高精度風速予報」を提供開始
~「JWA統合気象予測」を用いた新たな情報提供~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)は、保険契約者の暴風被害の予防を目的に、2024年1月18日(木)からジェイアイ傷害火災保険株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 兼 社長執行役員:金子 和彦、以下「ジェイアイ傷害火災保険」)向けに「JWA統合気象予測[※1]」を利用した「高精度風速予報」の提供を開始します。
※1 JWA統合気象予測:既存の気象予測モデルを日本気象協会が独自に改良した、高精度・高頻度・高解像度な気象予測を行う新たなモデルです。国内外の複数機関による数値気象予測モデルを統合することにより、各モデルに存在する「予測の癖」を直す補正処理や、各モデルの予測精度に応じた統合処理を行うことにより、精度の高い予測を算出します。
〇背景
近年は気候変動により、大雨による水害や土砂災害などによる気象災害が多発しています。それに伴い、台風などの自然災害により、火災保険の全請求件数のうち風災(雹[ひょう]災を含む)に関する請求は49%(2022年度:損害保険料率算出機構データ[※2])と約半数を占めています。

※2 2022年度版「火災保険・地震保険の概況/火災保険住宅物件事故種別支払統計表」の2017~2021年度分を合計しています。(落雷は自然災害に含む。地震保険の事故は除く。)
一般的な天気予報の風速(時間単位)は、表記時間の前10分間の平均風速を予測・計算し、表示しています(例:10時の予報であれば9:50~10:00の「平均」風速)。 しかし、前10分以外の時間の風速の変化を見逃してしまうことになり、防災的な観点では不十分です。そのため、本サービスでは日本気象協会が2023年2月から展開している、高精度・高頻度・高解像度の気象予測を提供する気象モデル「JWA統合気象予測」を用い、該当時間内(例の場合、9:00~10:00)の「最大瞬間」風速を市区町村単位で予測計算し、より正確なリスク把握を可能としました。
〇ジェイアイ傷害火災保険へ提供する「高精度風速予報」とは
「高精度風速予報」では1時間ごとの最大瞬間風速の値を78時間先まで提供します[※3]。防災的な金融商品としての観点からは一般的な風速予報では不十分と考え、日本気象協会では独自に開発した新たな気象モデル「JWA統合気象予測」を用いて、既存のデータとは異なる、詳細な全国の最大瞬間風速の予測である「高精度風速予報」を開発しました。
ジェイアイ傷害火災保険ではこの「高精度風速予報」を活用して、暴風被害の可能性が大きい地域にお住まいの火災保険契約者に、注意が必要な旨を対処方法などとともにメールでお知らせします。さらに、保険のお手続き方法と家屋の修理サービスもあわせてメールで案内することで、風災対策に加え、万一の被害時は速やかな復旧をサポートします。
※3 日本気象協会から最大瞬間風速の値を78時間先まで提供し、ジェイアイ傷害火災保険のサービスでは72時間先までの情報が火災保険契約者に提供されます。
日本気象協会は、今後も持続可能な社会の実現を目指す「気象データのより効率的な活用」を提案するとともに、気象データの活用によって、社会課題の解決を目指します。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】ジェイアイ傷害火災保険へ「高精度風速予報」を提供開始_