日本気象協会 2024年 春の花粉飛散予測(第3報)
~まもなくスギ花粉シーズンスタート ピークは2月下旬から~
Press Release
◆2024年 春の花粉飛散予測のポイント
- スギ花粉は2月上旬に九州から関東の一部で飛散開始
- 飛散開始前から、わずかな量の花粉が飛ぶことも
- スギ花粉のピークは2月下旬から3月下旬、ヒノキ花粉は3月中旬から4月中旬
- 花粉の飛散量は、多くの地域で例年並みかやや多い
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋)は、2024年1月18日(木)に全国・都道府県別の2024年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第3報)を発表します。また、詳細な情報を、「2024年春の花粉総飛散量 予測資料」として販売します。
1. 2024年 スギ花粉の飛散開始時期
スギ花粉は、2月上旬に九州・四国・中国・東海・関東甲信の一部で飛散開始となる見込みです。近畿は2月中旬、北陸、東北南部は2月中旬から下旬、東北北部は3月上旬から中旬に飛散開始となるでしょう。スギ花粉シーズンは例年並みか例年より早いスタートとなる見込みです。

スギの雄花は、初冬に冷え込みが厳しいと休眠打破が順調に進み、休眠から目覚めた後は、暖かいほど開花が早くなる傾向があります。この冬は気温が高めに経過しているものの寒暖差が大きく、12月後半に冷え込む時期があったことから、休眠打破はある程度進んでいると考えられます。1月前半は気温が高めに経過したこともあり、スギ花粉がわずかに飛んでいる地域があることが確認されました。この先も寒暖差が大きく、1月下旬は寒さが厳しい日が多くなりますが、2月の気温は平年より高めに推移するでしょう。このため2月に入るとスギの開花が進み、福岡や東京など早い所では2月上旬に飛散開始となる見込みです。なお、この先も飛散開始と認められる前から、わずかな量の花粉が飛ぶことがありますので、早めに花粉対策を始めるとよいでしょう。
※飛散開始日とは、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した最初の日
今回発表する飛散開始時期の予想は、2023年12月7日に発表した「日本気象協会2024年 春の花粉飛散予測(第2報)」に比べ、今冬のこれまでの気温経過を考慮して、九州から関東は数日程度早くなりました。
2. スギ・ヒノキ花粉のピーク時期
スギ花粉の飛散がピークを迎える時期は、福岡・高松・東京は2月下旬から、広島・大阪・名古屋・金沢・仙台は3月上旬からとなるでしょう。ピークの期間は10日から1か月ほど続く見込みです。また、ヒノキ花粉のピークは、3月下旬から4月上旬の所が多いでしょう。仙台はヒノキ花粉の飛散量は少なく、はっきりしたピークは現れない見込みです。
春一番が吹くような、風が強く急に暖かくなる日があると花粉の飛散量が一気に増えて、ピークの時期が早まることも考えられます。ピークを迎える前から、万全な花粉対策を心がけるとよいでしょう。

3. 2024年春の花粉飛散量
(1)花粉の飛散傾向 例年比・前シーズン比
2024年春のスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉の飛散量は、例年(過去10年の平均)に比べると、九州から東北のほとんどの地域で、例年並みか例年よりやや多いでしょう。北海道は非常に多い見込みです。

前シーズン(2023年)と比べると、九州から東北南部の多くの地域で前シーズンより少ないでしょう。東北北部と北海道は、非常に多くなる見込みです。

(2)各地域の花粉飛散傾向
各地域の花粉飛散傾向は、例年に比べると、四国・関東甲信は100%と例年並み、九州・中国・近畿・東海・北陸・東北は120~140%とやや多い、北海道は200%以上で非常に多い予想です。前シーズンと比べると、四国・中国・北陸・関東甲信は50~60%と少ない、九州・近畿は70%とやや少ない、東海は90%と前シーズン並みの見込みです。東北は150%と多いですが地域によって差が大きく、東北南部は少なく、東北北部は非常に多いでしょう。北海道は600%以上で非常に多い見込みです。

(3)花粉飛散量の予測根拠
花粉の飛散量は、前年夏の気象条件が大きく影響します。2023年は、夏の猛暑の影響で、花芽の形成に好条件な「高温・多照・少雨」という気象条件が九州から北海道にかけて揃いました。また、花粉の飛散量は、前年春の飛散量も影響し、多く飛散した翌年は減少する傾向があるといわれています。2023年は、春の花粉飛散量が多い傾向となったため、秋に観察されたスギ雄花の花芽の量は、ほとんどの地域で2022年の秋より少ないことが報告されています。
このことから、2024年春の花粉の飛散量は、広い範囲で前シーズン(2023年)に比べると少ないでしょう。それでも昨夏の猛暑の影響で、多くの地域で例年並みか例年よりやや多いと予想します。東北北部と北海道は、前シーズンの飛散量が少なかったため、前シーズンより非常に多い見込みです。
今回発表する花粉飛散量の予測は、2023年12月7日に発表した「日本気象協会2024年 春の花粉飛散予測(第2報)」の内容を花芽調査の報告などを考慮して修正しました。四国・中国・近畿・関東甲信・東北は、例年比または前シーズン比が1ランク程度少ない傾向になった府県があります。
【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2023年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2014~2023年)の平均値
【2023年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値
◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。
・本情報の無断での法人利用(プレスリリースでの引用や販促目的使用など)はご遠慮いただいております。
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以上
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2024年花粉飛散予測第3報