日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト 第12回「熱中症に関する意識調査」結果発表
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクト(以下、本プロジェクト)が実施した第12回「熱中症に関する意識調査」の結果を発表します。
- 「熱中症に関する意識調査」サマリー
・ここ2年程度の暑さについて、例年より暑く感じている人は87%以上
・熱中症について知っている人は約92%、「暑熱順化」について知っている人は約42%
・「熱中症警戒アラート」を知っている人は92%、一方で発表基準に用いられる「WBGT」を知っている人は約30%程度と理解に課題が残る
・昨年よりも多くの熱中症対策を実施しており、特に気象情報を対策に取り入れる人が増加した
・4月~5月は熱中症に気を付けている人が20%以下と少数、早期から暑さの呼びかけが必要
2024年は昨年と並んで「統計開始以降、最も暑い夏」となり、今年は特に7月後半から猛烈な暑さが長期間続きました。猛暑日の継続日数が過去最多となった地点も多く、福岡県太宰府市は40日と国内の歴代最長記録を更新しました。また9月も厳しい残暑が続き、過去最も遅い猛暑日となった地点も多く、東京では9月18日に猛暑日を観測し、82年ぶりの記録更新となりました。5月から9月の全国の熱中症による救急搬送者数※は97,578人(昨年より6,111人増加)で、調査を開始した2008年以降で最も多い年となりました。
※参照:総務省消防庁(https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r6/heatstroke_nenpou_r6.pdf)
【ここ2年程度の暑さについて、例年より暑く感じている人は87%以上】
ここ2年程度の暑さについて、どのような変化を感じるか聞いたところ、「例年よりかなり暑い(66.1%)」「例年より少し暑い(21.5%)」と87.6%の人が例年より暑いと感じていました。多くの人が、ここ数年の気候の変化を感じていると考えられます。
【「熱中症」について知っている人は92%以上、「暑熱順化」について知っている人は約42%】
「熱中症」という言葉を知っているか聞いたところ、「詳しく知っている(55.3%)」「なんとなく知っている(36.9%)」と回答した人は92.2%で、全体の9割以上と高い認知度となりました。
「暑熱順化」を知っているか聞いたところ、「詳しく知っている(7.8%)」「なんとなく知っている(19.7%)」「名前だけ聞いたことがある(14.8%)」と、42.3%の人が認知していました。また、「聞いたことがない・知らない」と回答した人は昨年より7.5%減少しており、各メディアを通じて認知度は広がっていますが、未だ半数近くの人には認知されていないのが現状です。
【「熱中症警戒アラート」を知っている人は92%以上、「WBGT」を知っている人は約30%にとどまる】
「熱中症警戒アラート」を知っているか聞いたところ、「詳しく知っている(27.4%)」「なんとなく知っている(52.4%)」「名前だけ聞いたことがある(12.2%)」と回答した人は92.0%で、全体の9割と高い認知度となりました。一方、「WBGT」を知っているか聞いたところ、「詳しく知っている(7.2%)」「なんとなく知っている(12.0%)」「名前だけ聞いたことがある(10.5%)」と、認知度は29.7%でした。連日の暑さで「熱中症警戒アラート」に関する報道は頻繁にされていましたが、発表基準として用いられている「WBGT」への理解は浅いことが分かりました。
【昨年よりも熱中症対策を「多く」実施している】
熱中症の予防や対策として実践していることを聞いたところ、「こまめに水分を補給する(81.1%)」「エアコンや扇風機を利用する(67.5%)」が特に高い結果となりました。ほか、昨年より実施率が高くなった項目では、「天気予報などで熱中症の危険度を把握する」が3.3%増加しており、熱中症警戒アラートの呼びかけを始め、暑さに関して、気象情報を気にするかたが昨年より多く見られました。
【4月~5月は熱中症に気を付けている人が20%以下と少数】
熱中症に気を付けている期間を聞いたところ、約7割~8割のかたが7月前半から9月前半まで熱中症に気を付けていると回答しました。晩夏の暑さには理解がある一方で、4月前半~5月後半の早期段階から気を付けているかたはいずれも20%以下と少数です。体が暑さに慣れていない時期は熱中症に特に注意が必要なため、暑熱順化の呼びかけが引き続き求められる結果となりました。
今回の調査結果を受けて、「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、2025年も暑くなる前からの備えとして、暑熱順化や日々の生活の中で取り入れやすい暑さ対策を発信するとともに、積極的な熱中症対策行動のきっかけとなる情報を発信していきます。
● 熱中症に関する意識調査 調査概要 【調査対象】東京都・大阪府・福岡県・愛知県・宮城県の20歳以上の男女 【サンプル数】1,340名(東京都273名・大阪府266名・福岡県272名・愛知県280名・宮城県249名) 【調査方法】インターネットアンケート 【調査時期】2024年9月 ※調査結果は、端数処理のため合計しても必ずしも100%とはならない場合があります。 |
■「熱中症ゼロへ」プロジェクトとは
熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクトです。2013年夏のプロジェクト発足以来、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を核に、熱中症に関する正しい知識と対策をより多くの方に知ってもらう活動を展開してきました。活動12年目となる2024年は「地球沸騰化時代の熱中症対策」をテーマに、熱中症の予防啓発活動を実践します。気象災害のひとつである熱中症への防災意識を高め、暑さに備えるための情報発信を強化しました。
■一般財団法人 日本気象協会について
日本気象協会は、民間気象コンサルティング企業の先駆けとして1950年に誕生しました。防災・減災や洋上風力発電の分野以外でも、気象データを活用した商品需要予測や電力需要予測、気候変動対策などのコンサルティングを通じ、気象データのビジネスでの利活用を提案しつづけています。所属する気象予報士の数は350人を超え、日本最大級の規模を誇る気象の専門家集団として企業のESG投資やSDGs活動への支援も積極的に展開中です。
・「熱中症ゼロへ」のロゴマークは日本気象協会の登録商標です。
本リリースの情報を使用される際は【日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト調べ】と記載してください。
PDFダウンロード:【熱中症ゼロへ】第12回熱中症に関する意識調査