防災レポート2025 Vol.1 2025年の台風傾向 8月から日本への接近数が平年より多い予想 8月以降の台風は発生から接近までの期間が短い可能性、早めの備えを
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日本気象協会は、2025年の台風の見通しに関する情報を、防災レポートとして発表します。
ポイント
・台風の発生数は平年並み。
・台風の接近数は8月から10月にかけて平年並みか多い予想。
・2025年8月~10月の台風は、日本列島に接近しやすく、発生から接近までの期間が短くなる傾向。
日本気象協会独自の予報モデルでの解析によると、2025年の台風は、6月から10月までの発生数がほぼ平年並みとなるでしょう。また、本州、北海道、九州、四国への接近数は、8月から10月にかけて平年並か多くなる見込みです。

1. 2025年 台風の発生数
日本気象協会独自の予報モデルでの解析によると、2025年の台風の発生数は6月から10月までほぼ平年並みの予想です。

5月28日現在まで、2025年の台風の発生数は0で経過しています。
ただし、台風の主な発生域である太平洋熱帯域西部やフィリピン東方海上の海面水温は、2025年秋にかけて高く、積乱雲の発生が多くなると予想されます。今後は台風が発生しやすくなり、2025年の台風の発生数は平年と同じくらいの数となる見込みです。
2. 2025年 台風の日本への接近数
6月から7月までの本州、北海道、九州、四国への接近数は平年並みの予想ですが、台風シーズンである8月から10月は接近数が平年並か多くなるでしょう。
今年はシーズン終盤まで警戒が必要です。

3. 2025年の台風の傾向と類似年
台風は、太平洋高気圧の縁を回って日本へ近づく傾向があります。
2025年の夏から秋にかけて、日本の南で太平洋高気圧の張り出しが強く、台風は、より日本列島へ接近しやすいルートを通ることになるでしょう。
さらに台風の発生場所は、例年よりも日本列島に近い場所で発生すると予想されていることから、台風の発生から日本列島への接近までの期間が短くなる傾向になりそうです。
同様の傾向となった直近の類似年としては、2021年が挙げられます。
2021年は、夏から秋にかけてインド洋の北東部に位置するベンガル湾からフィリピン東にかけての積乱雲の発生が多くなりました。台風の日本への接近数は、7月に1個、8月に3個、9月に1個、10月に1個と、毎月日本へ台風が接近し、うち3つが上陸しました。

台風発生にあたっては、最新の気象情報をご確認ください。
※台風の発生数、接近数の予測は、有償サービス「2年先長期気象予測」の中で四半期毎に更新しています。
※日本気象協会公式の天気予報専門メディア「tenki.jp」(https://tenki.jp/)では、「警報・注意報」「地震情報」「津波情報」「火山情報」「台風情報」などの防災情報を24時間365日提供しています。
![]() | 小越 久美(おこし くみ) 一般財団法人 日本気象協会 社会・防災事業部 気象デジタルサービス課 気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士 |
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