施設管理者に聞いた「プールにおける熱中症対策の実態調査」結果を公開
直近5年間にプールで発生した熱中症もしくは暑さによる体調不良の症状 「めまいや顔のほてり」「体のだるさや吐き気、頭痛」が50%以上
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクト(以下、本プロジェクト)は、公益財団法人B&G財団(本社:東京都港区、会長:前田 康吉)協力のもと、B&G財団が管理するプール※241センターの管理者を対象に、「プールにおける熱中症対策の実態調査」を行いました。結果は「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式サイト 熱ゼロ研究レポート(https://www.netsuzero.jp/netsu-lab/lab15)で公開します。
※屋内プール、屋外プール、上屋付きプールを含む
調査サマリー
1. 直近5年のうち、約3割の施設でプール内やプールサイドなどで暑さによる体調不良を訴えた人がいた。
2. 体調不良の症状としては、「めまいや顔のほてり(約63.2%)」「体のだるさや吐き気、頭痛(約54.4%)」が多い。
3. 施設管理者からは「利用者・監視員どちらもケアする熱中症対策の呼びかけツール」が求められている。
プールの利用時は水中にいるため気づきにくいですが、全身運動をすることで汗をかき、いつの間にか脱水や体温上昇が進みやすく、熱中症のリスクが高い環境です。こまめな水分補給、適度な塩分補給を意識し、涼しい場所で休憩をすることが大切です。またプールサイドで見学する人は風通しのよい場所で日ざしをよけるなど、対策を心がけましょう。エアコンが効いていない更衣室は高温多湿な環境となることもあるので、特に気を付けましょう。

■体調不良の症状としては、「めまいや顔のほてり(約63.2%)」「体のだるさや吐き気、頭痛(約54.4%)」が多い
プールにおいて直近5年間(2020~2024年)に発生した熱中症もしくは暑さによる体調不良の症状をわかる範囲で聞いたところ、本プロジェクトが毎年実施している「熱中症に関する意識調査」の過去数年の傾向と似ており、「めまいや顔のほてり(63.2%)」「体のだるさや吐き気、頭痛(54.4%)」の割合が多くなりました。特に、プールでは体が濡れて症状に気づきにくい可能性があることにも注意が必要です。

■利用者・監視員どちらもケアする熱中症対策の呼びかけツールが求められている
「プールでの熱中症や暑さによる体調不良を減らすために施設管理者として必要だと思うこと」について聞いたところ、「利用者に基本的な熱中症対策を呼びかけるツール(62.2%)」「監視員などへの熱中症予防指導のためのツール(59.7%)」などのソフト面、また「日陰を作るシェルターやテントなど設備の充実(42%)」「空調の効いた休憩所や救護室など設備の充実(55%)」などのハード面と、ソフト・ハードの両面でどちらも半数近いニーズがあることがわかりました。

今回の調査では、監視員や指導員からの水分補給や塩分補給、休憩の声がけが約76%の施設で行われていることや、監視者への熱中症予防・対策指導を行うと回答した施設の割合も約56%いることも分かりました。設備面での対策強化や、利用者が安全に過ごせる行動指針の策定等が根本的な課題になるとともに、こうした現場での教育指導や呼びかけをサポートするツール等も求められています。
「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、さまざまなシーンでの熱中症対策の実態調査を行い、状況ごとに気をつけたい熱中症対策のポイントを伝えることで、熱中症予防・対策の呼びかけを行います。
【熱中症について学ぼう:こんな人は特に注意!】
https://www.netsuzero.jp/learning
【学校生活で熱中症に注意したいポイント】
https://www.netsuzero.jp/news/20200702-9713.html
■プールにおける熱中症対策の実態調査 調査概要
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】B&G海洋センター自治体管理者もしくは指定管理者
【サンプル数】238人
【調査時期】2025年2月(対象とした期間は2020年~2024年夏)
・調査結果は、端数処理のため合計しても必ずしも100%とはならない場合があります。
・サンプル数は238となっていますが、1サンプルで複数施設について回答しているものもあるため対象センター数は241となります。
■「熱中症ゼロへ」プロジェクトとは
熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、一般財団法人 日本気象協会が推進するプロジェクトです。2013年夏のプロジェクト発足以来、熱中症の発生に大きな影響を与える気象情報の発信を核に、熱中症に関する正しい知識と対策をより多くの方に知ってもらう活動を展開してきました。活動13年目となる2025年は「熱中症は未然に防げる気象災害」をテーマに、熱中症の予防啓発活動を実践します。激甚化する暑さや熱中症への防災意識を高め、さまざまな働き方や生活に合わせて、暑さに備えるための情報発信を強化します。
■一般財団法人 日本気象協会について
日本気象協会は、民間気象コンサルティング企業の先駆けとして1950年に誕生しました。防災・減災や洋上風力発電の分野以外でも、気象データを活用した商品需要予測や電力需要予測、気候変動対策などのコンサルティングを通じ、気象データのビジネスでの利活用を提案しつづけています。所属する気象予報士の数は350人を超え、日本最大級の規模を誇る気象の専門家集団として企業のESG投資やSDGs活動への支援も積極的に展開中です。
・「熱中症ゼロへ」は日本気象協会の登録商標です。