防災レポート2025 Vol.2 2025年の台風傾向 台風接近数は9月から10月に平年並みか多く、大雨シーズンが長引くおそれ
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日本気象協会は、2025年5月29日に防災レポート2025 Vol.1 2025年の台風傾向を発表しました。最新の情報をふまえて、この先8月以降の台風の見通しに関する情報を発表します。
2025年は台風1号の発生が6月に入ってからと平年より遅かったものの、7月の発生数は30日午前9時現在7個と、平年(3.7個)より増えています。
8月以降の発生数はほぼ平年並みを予想しますが、接近数は9月から10月にかけて平年並みか多い予想で、台風と秋雨前線による大雨シーズンが長く続くおそれがあります。
2025年8月~10月の台風のポイント
・台風の発生数は平年並み。
・台風の接近数は9月から10月にかけて平年並みか多く、大雨シーズンが長引くおそれ。
・日本列島に近いところで発生しやすく、発生から接近までの期間が短くなる傾向。
日本気象協会独自の予報モデルでの解析によると、2025年8月以降の台風は、発生数はほぼ平年並みですが、本州、北海道、九州、四国への接近数は、9月以降、平年並みか多くなる予想です。

1. 2025年 台風の発生数
2025年8月以降の台風の見通しによると、2025年の台風の発生数は8月から10月までほぼ平年並みになるでしょう。

台風の主な発生域であるフィリピン東方海上の海面水温が高く、この地域での積乱雲の発生が多い予想です。台風の発生数はほぼ平年並みの予想ですが、日本列島に近いところで台風が発生しやすくなりそうです。
2. 2025年 台風の日本への接近数
台風の本州、北海道、九州、四国への接近数は、8月はほぼ平年並みの1~2個の予想ですが、9月は2~4個、10月は2~3個と、平年並みか多くなるでしょう。
台風の接近により秋雨前線の活動が活発になると、広範囲で大雨となるおそれがあります。
2025年は10月まで台風と秋雨前線による大雨シーズンが続く可能性があり、台風シーズン終盤まで警戒が必要となる見込みです。

3. 2025年の台風の傾向
台風は、太平洋高気圧の縁を回って日本へ近づく傾向があります。
通常、秋になると太平洋高気圧の衰退にともなって台風のルートも次第に日本の南海上へと離れる傾向にあります。
しかし、2025年は日本の南で太平洋高気圧の張り出しが平年より強く、太平洋高気圧の後退が遅くなると予想されています。台風シーズン終盤まで、台風はより日本列島へ接近しやすいルートを通ることになるでしょう。
台風の発生場所は、例年よりも西側で、日本列島に近い場所で発生すると予想されていることから、台風の発生から日本列島への接近までの期間が短くなる傾向になりそうです。

台風発生にあたっては、最新の気象情報をご確認ください。
※台風の発生数、接近数の予測は、有償サービス「2年先長期気象予測」の中で四半期毎に更新しています。
※日本気象協会公式の天気予報専門メディア「tenki.jp」(https://tenki.jp/)では、「警報・注意報」「地震情報」「津波情報」「火山情報」「台風情報」などの防災情報を24時間365日提供しています。
今回発表する台風傾向の予想は、5月29日(木)に発表した「防災レポート2025 Vol.1 2025年の台風傾向 8月から日本への接近数が平年より多い予想」の内容を、最新の情報を考慮して修正しています。主に8月の接近数を「平年並みか多い」予想から「平年並み」に、9月の接近数を「平年並み」の予想から「平年並みか多い」予想としました。
![]() | 小越 久美(おこし くみ) 一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部 気象DX事業部 気象デジタルビジネス課 気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士 |
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