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防災レポート Vol.2 2026年の台風の見通し(7月更新) お盆頃にかけて発生増加の可能性 8月は3~6個が日本に接近する予想
2026.07.30
レポート
日本気象協会は、2026年の台風の見通しを更新し、防災レポートVol.2として発表します。2026年は7月28日までに速報値で13個の台風が発生しており、平年を上回るペースとなっています。7月27日に発生した台風第13号は、今後大きく発達し、8月上旬に日本列島方面へ進む可能性があります。今後はお盆頃にかけて台風の発生が増える可能性があり、8月は4~7個が発生し、このうち3~6個が日本列島へ接近(※1)する予想です。台風接近前の危険な暑さや、動きの遅い台風による長期間の大雨・暴風、高波にも注意が必要です。
※1 日本への台風の接近:台風の中心が国内のいずれかの気象官署等から300km以内に入ることを指す。
ポイント
・2026年の台風発生数は、7月28日までの速報値で13個となり、平年を上回るペース。
・7月末からお盆頃にかけて台風の発生が増える可能性があり、8月は4~7個が発生し、このうち3~6個が日本へ接近する予想。
・台風接近前の危険な暑さに加え、動きの遅い台風による長期間の大雨・暴風、高波、前線の活発化による台風から離れた地域での大雨にも注意が必要。
1. 2026年7月下旬までの台風発生数は平年を上回るペース
2026年は、1月から5月まで毎月台風が発生しました。その後、6月に2個、7月は28日までに5個発生し、今年の台風発生数は合計13個となっています。1月から7月までの台風発生数の平年値の合計は7.9個ですが、2026年は7月28日時点で13個と、平年より速いペースで台風が発生しています。日本への接近数も多く、6月には3個の台風が接近し、平年の0.8個を大きく上回りました。7月は27日までに、台風第9号の1個が日本へ接近しています。
2. 8~10月の台風発生数・接近数の予想

日本気象協会が特許技術を用いて開発した「2年先長期気象予測モデル」での解析によると、台風の発生数は8月から9月は平年並み、10月は平年並みか少ない見込みです。
一方、日本への接近数は、8月は平年並みか多く、9月と10月は平年並みとなる予想です。
5月27日に発表した防災レポートVol.1から大きな変更はなく、8月を中心に日本への接近数が平年並みか多くなる見通しです。
3. 7月末からお盆頃にかけて台風の発生が増える可能性
今後、お盆頃にかけて、日本の南海上で台風が発生しやすくなると予想されています。台風が相次いで発生し、その中には日本付近へ北上するものが出てくる可能性があります。太平洋高気圧の張り出し方によっては、沖縄・奄美だけでなく、西日本から北日本まで、広い範囲で台風の影響を受けるおそれがあります。
8月の台風発生数は4~7個で、平年並みの予想です。一方、日本への接近数は3~6個で、平年並みか多くなる見込みです。
8月は、1年の中でも台風の発生と接近が特に多い時期です。今年は太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱まる時期があると予想されているため、日本の南海上で発生した台風が、太平洋高気圧の縁を回るように日本列島へ北上しやすくなる可能性があります。
4. 2026年夏の台風で注意すべき3つの特徴
①台風の接近前に危険な暑さとなる可能性
台風が日本の南から北上すると、台風周辺の暖かい空気が日本付近へ流れ込みます。このため、台風による雨や風の影響が現れる前から、猛烈な暑さとなる可能性があります。
特に、台風に向かって吹く風が山を越えて吹き下ろす地域では、フェーン現象によって気温が急上昇することがあり、日本海側を中心に、体温を上回るような危険な暑さとなるおそれもあります。
屋外で台風への備えを行う場合は、気温や暑さ指数(WBGT)を確認し、作業時間の短縮、こまめな休憩、水分・塩分補給などの熱中症対策を徹底してください。
②台風の動きが遅く、影響が長引く可能性
夏は、台風を動かす上空の風が比較的弱いため、台風の移動速度が遅くなったり、複雑な進路を取ったりする場合があります。
台風の速度が遅い場合、同じ地域で大雨や暴風、高波が長く続くおそれがあります。また、台風が通過した後、すぐに天候が回復するとは限りません。
交通機関の運休や道路の通行止め、停電などが長期化する可能性も考慮し、時間に余裕を持って予定の変更や防災行動を判断することが必要となるでしょう。
③台風から離れた地域でも大雨となる可能性
台風から離れた場所でも、前線が停滞している場合には、台風周辺の暖かく湿った空気が前線へ流れ込んで前線の活動が活発になり、大雨となることがあります。
この場合、台風の中心が接近する前から雨が強まったり、台風の通過後も前線による雨が続いたりする可能性があります。このため、台風の進路から離れている地域でも、気象情報に注意が必要です。
台風情報を確認する際は、台風の中心位置や予報円だけでなく、前線の位置、雨雲の動き、地域ごとの防災気象情報も併せて確認してください。
5. 秋にかけては発達した台風の接近に注意
7月27日には、日本から遠く離れたミッドウェー諸島近海で台風第13号が発生しました。台風第13号は、暖かい海上を西寄りに進んで大きく発達する予想で、その後、8月上旬に日本列島方面へ進む可能性があります。
気象庁によると、2026年春からエルニーニョ現象が続いているとみられます。
エルニーニョ現象が発生している年は、北太平洋西部における台風の発生位置が、平年より南東側に偏りやすくなる傾向があります。日本から離れた海域で発生した場合、日本付近へ接近するまでに暖かい海上を長く進み、台風が十分に発達した状態で日本付近へ接近するおそれがあります。
エルニーニョ現象は、秋にかけて続く予想となっています。一方、台風の発生数や接近数自体は、おおむね平年並みの見通しです。9月の台風発生数は4~7個、日本への接近数は2~4個で、いずれも平年並みとなる見込みです。また、10月の発生数は1~4個と平年並みか少なく、日本への接近数は1~3個で平年並みとなる予想です。
ただし、発生数や接近数が平年を上回らなくても、一つの台風による雨や風、波の影響が大きくなる可能性があるため、台風シーズン後半まで注意が必要です。

台風の発生にあたっては、最新の気象情報をご確認ください。
・台風の発生数、接近数の予測は、有償サービス「2年先長期気象予測」の中で四半期ごとに更新しています。
・日本気象協会公式の天気予報専門メディア「tenki.jp」(https://tenki.jp/)では、「警報・注意報」「地震情報」「津波情報」「火山情報」「台風情報」などの防災情報を24時間365日提供しています。
・企業向けには、最大10日先までの台風の複数の進路シナリオと確率を提供する「シナリオ型台風予測情報」(https://weather-jwa.jp/service/forecast#forecast5)、拠点ごとの大雨や暑さのリスクを最大14日前から把握できる「事業者様向け 気象リスク対策情報」(https://weather-jwa.jp/service/weather_risk)、業務判断に必要な暑さ指数(WBGT)や気象災害リスクを確認できる「biz tenki」(https://weather-jwa.jp/service/biz_tenki)などを提供しています。
![]() | 一般財団法人 日本気象協会 防災・気象DX本部 気象DX事業部 シニアデータアナリスト 気象予報士・データ解析士・健康気象アドバイザー・防災士 小越 久美(おこし くみ) 筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学)卒。 2004年から2013年まで、日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。 筑波大学 植田宏昭教授の助言・協力のもと、季節予報の新たな技術開発に取り組み、気象業界で初めて最長2年先までの気象予測手法を開発。食品、日用品、アパレル、エネルギー業界向けに「2年先長期気象予測」(特許第7569539号)を使った気象コンサルティングを行っている。 「季節予報の基盤技術の開発に基づく社会実装の振興」により令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞(科学技術振興部門)」を受賞。 |
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