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2017.07.13

モルドバ共和国と降雹(ひょう)対策で連携、現地で共同研究を開始 ~雨雲内での降雹対策用 小型ロケット使用による被害軽減を目指す~

  一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己 、以下「日本気象協会」)は、日本国内で培ってきた気象や環境に関する知見、ノウハウを海外で活用していく事業の一環として、2017年7月から東ヨーロッパに位置するモルドバ共和国(以下、モルドバ)の農業食品産業省 降雹(ひょう)対策局(以下、AHS:Anti-Hail Service, 正式名Special Service for the Active Influence on the Hydrometeorologic Processes)と共同で降雹被害の軽減に関する研究を開始しました。共同研究では、AHSの取り組みに、日本気象協会の気象観測・予測技術を掛け合わせ、雹被害をもたらす雨雲検出の効率化などを図ります。研究に先立ち、2017年7月12日(水)にモルドバの首都キシニョフ(現地ルーマニア語ではキシナウChişinău)にて、JDI(Joint Declaration of Intent:共同研究の協定書)への調印を行いましたのでお知らせします。

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【調印式の様子】

右:AHSダイレクター(部長相当) Ghenadie Onceanu(ゲナディエ オンチャヌ)氏
左:日本気象協会常務理事 古市信道


農業国であるモルドバでは気候変動により、初夏の晩霜や夏季の高温や干ばつ、雹など気象に関係する被害が年々大きくなってきており、2012年の被害額は、年間2億1500万MDL (約1450万USD)との報告があり(※1)、2016年6月19日に降った雹では、18人以上がケガをし、数百もの屋根が壊れたという報道がありました。
旧ソ連の国々やブルガリアなどの周辺諸国では1960年代から雹を小さくするために小型ロケットを雨雲内で破裂させ、消雹剤(ヨウ化銀)を散布してきました。これにより雹を小さくし、被害の軽減につなげます。AHSによるとモルドバではこの目的のために年間約5000発のロケットを打ち上げています。
ロケットによる雹被害軽減にはまた雨雲の正確な検出・予測が必要であり、日本気象協会が培ってきた気象観測・予測技術とAHSの経験を掛け合わせ、同国の降雹対策の実施判断を改善する研究を行います。

小型ロケット.jpg
【降雹対策用 小型ロケット】


<日本気象協会とモルドバの関係>
日本気象協会では2012年にモルドバにてMRV方法論(※2)を作成しました。その後モルドバへの訪問を重ね気象に関する課題などをヒアリングしてきました。
2016年の経済産業省プログラム「国際化促進インターンシップ事業」では日本気象協会の職員がモルドバを訪問し、現地機関と意見交換をしたことをきっかけに共同研究のJDI締結に至りました。

日本気象協会では今後もこれまで国内で培った気象や環境などに関するさまざまな知見、ノウハウを活用し、東ヨーロッパ諸国をはじめとする諸外国におけるコンサルティング事業に取り組んでいきます。

<今後のスケジュール>
調印式後、モルドバAHSから提供された過去の降雹・気象データをもとに日本気象協会では解析を進めます。2017年11月にはAHSのダイレクター Ghenadie Onceanu(ゲナディエ オンチャヌ)氏と副ダイレクターSerghei Eremeico(セルゲイ エレメイコ)氏が来日し、日本気象協会を訪問予定です。その後、2018年夏から新たな手法により検出した雨雲に小型ロケットを発射させる実証実験を開始します。


※1 参照:モルドバ水文気象局(SHS)の職員による報文
※2 MRV方法論とは
MRV方法論は測定(Measurement)、報告(Reporting)、検証(Verification)を組み合わせた方法を文書化したもので、プロジェクトによる温室効果ガスの排出削減の効果を定量的に評価するために必要とされる。

以上

 

 

 

参考情報

1.これまでの日本気象協会の海外での活動
  日本気象協会の海外での業務は1983年にJICAから委託されたフィリピンでの気象通信網整備計画調査から始まっています。それ以来、30年以上にわたり国家プロジェクトや政府開発援助、民間資金により、気象予測のインフラ整備や気象データの解析・シミュレーション実施体制の構築などに関するハード面/ソフト面でのコンサルティング事業を、主に世界37の国や地域で行っています。

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【日本気象協会が海外事業を展開した国や地域】



2
.モルドバ共和国について

面積 3万3,843平方キロメートル(九州よりやや小さい)
人口 355.3万人
       (2016年1月現在。一時的国外滞在者を含み,トランスニストリア地域の住民を除く)
首都 キシニョフ(ルーマニア語読みでキシナウ)
民族 モルドバ(ルーマニア系)人(78.2%),ウクライナ人(8.4%),
         ロシア人(5.8%),ガガウス(トルコ系)人(4.4%)等
言語 公用語はモルドバ(ルーマニア)語。ロシア語も一般に通用。
宗教 キリスト教(正教)が優勢


モルドバ国旗.jpg
モルドバ地図.png
出典:United Nations Geospatial Information

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