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2017.11.07

日本気象協会、小型XバンドMPレーダと独自の降水粒子判別方法を活用した「雲の粒子判別観測」実験を福井県で開始

一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区 会長:石川裕己、以下「日本気象協会」)は、福井県美浜町に気象観測用の小型XバンドMPレーダ(注1) を新たに設置し、11月6日(月)から「雲の粒子判別観測」実験を開始したことを発表します。このレーダは、垂直方向にアンテナを動かして粒子判別を行う、民間で初めてのレーダとなります。

【「雲の粒子判別観測」を行うことによる効果】
日本海側から流入する雪雲の実態の把握と、降雨・降雪の予測を従来よりも短時間かつ高精度に実施することが可能となり、北陸での地域防災力の強化に貢献できます。

【日本気象協会が行う「雲の粒子判別観測」の特長】
・従来型の気象レーダはアンテナを地面に対して水平方向に回転させて観測します。今回は地面に対して垂直方向にアンテナを動かし、雲の高さ方向の断面での観測(鉛直断面観測)を行います。
・観測した結果は水滴であるのか、それとも雪や雹(ひょう)などであるかを日本気象協会独自の降水粒子判別方法を用いて解析を行い、リアルタイムに確認することができます。

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【福井県にて実験を開始した背景】
福井県は日本海に面しており、冬は降雪の多い地域です。若狭湾に近い小浜市では2017年2月9日から10日にかけて81センチの降雪を確認しており、局地的な大雪が発生することもあります。降雪の予測や監視には高性能の気象レーダが有効です。しかし国土交通省が保有している「従来型のXバンドMPレーダ」(注2)は、福井県の若狭湾エリアは観測範囲外でした。
このため福井県は、日本気象協会が保有している小型XバンドMPレーダの実験導入を行うことで、冬季の降雪予測、監視体制の強化を図ることとなりました。

【小型XバンドMPレーダを利用した日本気象協会の雪氷予測精度向上について】
日本気象協会は2012年11月から小型のXバンドMPレーダを日本各地に設置し、都市域での極端気象現象や大都市での防災対策に貢献してきました。また、日本気象協会が独自に開発し運用している気象予測モデル「SYNFOS-3D」では、雲物理過程(注3)の相変化(注4)も計算しています。
小型XバンドMPレーダによる縦断面での粒子判別結果と、SYNFOS-3Dにて計算した各高度での降水種別の結果を組み合わせ比較・検証することにより、日本気象協会が保有する独自気象予測モデル運用ノウハウのさらなる精度向上が期待できます。
日本気象協会は今後も、小型XバンドMPレーダによる観測情報の活用を国・自治体および企業へ提案することを通じ、自治体や企業の防災・減災活動の高度化に貢献していきます。

【使用する小型XバンドMPレーダ装置の特長】
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注1
XバンドMPレーダは、既存のレーダに比べて、高分解能・高頻度で観測可能な最新型のレーダです。水平方向と垂直方向の2種類の電波を同時に送信・受信することで、雨および風の観測を三次元で行います。このため、雨雲の発達と移動過程の予測が可能となり、局地的な豪雨の早期検知が期待されています。雨粒の形状を測定することも可能で、雨・雪・あられ・雹などを判別することができます。

注2
従来型のXバンドMPレーダのサイズは、日本気象協会が保有するXバンドMPレーダと、ほぼ同じ大きさとなります。
https://www.jwa.or.jp/news/2012/09/post-000129.html

注3
雲物理過程とは、雲の中にて、水蒸気が凝結したり凍結したりして雨や雪に変化する過程。
気象予測モデルにおいて、雨や雪を予測するための重要な部分。

注4
相変化とは、水蒸気(気体)、雨(液体)、雪・あられ(固体)の物質状態が別の状態に変化すること。例えば、水蒸気が雨に変わることをさす。

以上

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