日本気象協会、チャレナジー社の『台風発電実証実験』を支援 ~台風に関する各種気象情報を提供~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、株式会社チャレナジー(本社:東京都墨田区、代表取締役:清水 敦史、以下「チャレナジー社」)が8月7日(日)から沖縄県南城市にて実施する「台風発電実証実験(注1)」に対して、風況観測の支援および気象情報に関するコンサルティングを行います。
■背景
チャレナジー社は、世界で初めての「垂直軸型マグナス風力発電機(注2)」の実用化に向けて、8月7日(日)から沖縄県南城市にて、「台風発電実証実験」を行います。従来のプロペラ式風力発電機は、台風接近時のような強風下では安全確保のために稼働を停止させる必要があります。垂直軸型マグナス風力発電機は強風時でも安定的に発電できることから、台風がもたらす風のエネルギーを最大限に生かす発電機となることが期待されています。
日本気象協会は、気象情報サービスのパイオニアとして、気象の解析、観測、予測、情報提供、システム化など多岐にわたり事業展開をしています。日本気象協会は、これらの技術や経験を生かし、本実証実験内で行われる風況観測を支援します。また、日本気象協会は、「チャレナジー台風気象情報サイト」を実証実験のために新たに構築し、台風に関する各種気象情報をチャレナジー社に提供します。日本気象協会は、これらの支援により、チャレナジー社の風力発電機の技術実証およびこれに続く研究開発の加速に貢献していきます。
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【垂直軸型マグナス風力発電機】 |
■日本気象協会による具体的な支援内容
1. 風況観測の支援
日本気象協会は、気象観測のプロフェッショナルとして、チャレナジー社の実証実験の風況観測を支援します。風況観測に関する長年のノウハウおよび豊富な蓄積データを活用し、チャレナジー社の風力発電機の開発に貢献します。
2. 台風情報の提供
日本気象協会は、オンライン気象情報サービス「MICOS Fit(まいこすふぃっと)」を用いた「チャレナジー台風気象情報サイト」を台風発電実証実験のために、新たに構築しました。「MICOS Fit」は、法人顧客のニーズに合わせて自然災害リスク回避や事業推進を支援するためのオンライン総合気象サービスです。本サービスの提供により、実証フィールドに接近する台風の進路予報など、実証実験に必要なさまざまな気象予測・気象情報をチャレナジー社に提供します。
「MICOS Fit」が提供する台風に関する各種気象情報は、沖縄県南城市の実証実験施設やチャレナジー本社で閲覧可能としています。日本気象協会の気象情報を活用し、チャレナジー社は実験の計画立案や、実験中の台風情報の把握、安全対策などを行う予定です。
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画像は、2015年7月25日12時発表の台風12号の進路予想図です。 |
【チャレナジー社専用「MICOS Fit」での表示イメージ】 |
3. 日本気象協会のtenki.jpで「チャレナジー社の挑戦」を紹介
日本気象協会が運営する天気予報専門サイト「tenki.jp(てんきじぇーぴー)(注3)」内のコンテンツを通じて、垂直軸型マグナス風力発電機に関わる取り組みについて紹介する予定です。
注1 台風発電実証実験
台風時に風力発電機を安全に稼働させたのち、安全に停止させる実験をいいます。なお、一般のプロペラ風力発電機は風速25m/sを超える強風下においては、危険を避けるため停止させる設計となっています。
注2 垂直軸型マグナス風力発電機
プロペラの代わりに、回転する円柱が風を受けたときに発生する「マグナス力」を用いて風車を回すことで発電する垂直軸型の風力発電機です。風速に合わせて円柱の回転数を制御することができるため、台風のような強風時でも発電できます。
注3 天気予報専門サイト「tenki.jp」 http://www.tenki.jp
日本気象協会が発表する気象情報を、Webサイト/スマートフォンアプリで無料提供している天気予報専門サービスです。年間ページビュー数は25億PV(Webページ・iPhone/Androidアプリ合算での推定)。生活に欠かせない天気予報に加え、専門的な気象情報、地震・津波などの防災情報も確認できます。気象予報士が日々更新する「日直予報士」も人気コンテンツです。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】チャレナジー社の台風発電実証実験を支援_