日本気象協会と倉敷青果荷受組合、カット野菜の「出荷量予測」の誤差を最大55%削減 ~ 適正な量の“カット野菜”加工で、廃棄ロスもカット ~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)と倉敷青果荷受組合(本社:岡山県倉敷市、理事長:冨本 尚作、以下「倉敷青果」)は、気象データを基にして商品別の出荷量を予測する机上実験を2018年度に実施しました(検証期間は9月~12月)。
その結果、日本気象協会が開発した人工知能(AI)を用いた出荷量予測では倉敷青果の従来手法※1と比較し、予測誤差を最大55%、平均37%改善されましたのでお知らせします。
この出荷量予測を活用することで、カット野菜の加工段階において生じる廃棄や廃棄に伴うコストの削減を目指します。また、将来的に出荷量予測の精度が向上すれば、外食・小売などの業態ごとに野菜の総需要量を把握することができ、最適な調達計画にも活用することができます。
なお、この実験は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択事業「農作物におけるスマートフードチェーンの研究開発※2」の一環です。
※1 倉敷青果荷受組合が出荷実績データを基に予想
※2 産業技術総合研究所と農業・食品産業技術総合研究機構、日本気象協会の3者で共同実施

倉敷青果では大量発注に備えて、カット野菜の加工を見込み生産で行っていました。しかし、見込みが外れてしまうと、大量の在庫を廃棄せざるを得ないという課題がありました。
そこで日本気象協会では気象データを活用した商品需要予測のコンサルティングの経験を生かして、倉敷青果の出荷実績データ等と気象データをAIを用いて解析し、出荷量予測モデルを構築、その予測結果を従来の倉敷青果の予測結果と比較検証しました。
実験概要
対象商品 | ミックスサラダ、千切りキャベツ、キザミネギ(1kg)、レタスミックス(1kg) |
評価期間 | 2018年9月22日~2018年11月16日 |
活用データ | [倉敷青果提供] ・出荷実績データ ・得意先データ ・商品マスタデータ [日本気象協会保有] ・気象データ (観測データ、予測データ) |
成果
従来の出荷量予測と比べ、4商品の翌日の商品別出荷量予測の予測誤差が最大55%(平均37%)削減しました。

2019年度の予定
商材拡張
最終的には、予測が必要な全商材を対象にすることを目指し、2019年度は4品目から10品目へと対象商品を拡張して予測を行います。
通年対応および効果試算
2018年度は9~11月の秋に限定した検証だったため、2019年度は業務への導入を想定し、通年で精度検証を行い、予測精度の改善によるコスト削減効果の試算を行います。
PDFダウンロード:【日本気象協会・倉敷青果】カット野菜加工の出荷量予測精度向上_