「日本気象協会が選ぶ2016年お天気10大ニュース・ランキング」が決定 第1位は「地震・大雨・火山噴火 熊本を中心に相次ぐ災害」
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川裕己、以下「日本気象協会」)は、日本気象協会に所属する気象予報士のうち100名が選ぶ「日本気象協会が選ぶ2016年お天気10大ニュース・ランキング」を決定しましたので、発表します。
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※2016年11月上旬までの情報で選定。日本気象協会に所属する気象予報士のうち100名にアンケートを実施し、投票結果をポイント化してランキング。
■最も印象に残ったお天気ニュースは「地震・大雨・火山噴火 熊本を中心に相次ぐ災害」
2016年に最も大きく印象に残ったお天気ニュースは「地震・大雨・火山噴火 熊本を中心に相次ぐ災害」が他と大きく差をつけて1位に選ばれました。4月に発生した熊本県熊本地方を震源とする、最大震度7を記録した地震を皮切りに、6月に発生した西日本を中心とする大雨、10月に発生した阿蘇山の爆発的噴火など、甚大な被害をもたらした災害が局地的に相次いだことが、強く印象に残ったと考えられます。
■上位にランクインしたニュースに関して
1位 地震・大雨・火山噴火 熊本を中心に相次ぐ災害
熊本県熊本地方を震源とする最大震度7の地震が4月14日21時26分と16日1時25分に2度発生しました。最大震度7を記録した地震は、2011年3月11日の東日本大震災以来でした。また、最大震度7を28時間以内に2回観測したのは、1923年の観測開始以来はじめてのことです。この地震で、熊本県・大分県を中心に家屋倒壊や土砂災害が相次ぎ、多くの人的・住家・ライフライン被害が生じました。
さらに、6月19日から25日にかけて本州付近に梅雨前線が停滞し、その前線上を次々と低気圧が通過したため、西日本を中心に大雨となりました。この大雨の影響で土砂災害、浸水害などが発生し、甚大な被害をもたらしました。
その後、10月8日1時46分には、阿蘇山の中岳第一火口で1980年以来となる爆発的噴火が発生しました。噴煙は上空1万メートルを超え、噴石や火山灰による影響が広範囲に及びました。
2位 北海道に台風上陸3個 被害相次ぐ
北海道では、8月17日に台風第7号が上陸したのち、21日は台風第11号、そして、23日は台風第9号が上陸し、1週間で3つの台風が上陸しました。北海道に、1年に台風が3個上陸するのは、1951年の統計開始以来はじめてのことです。これにより東日本から北日本を中心に大雨や暴風となり、特に北海道や岩手県では記録的な大雨になりました。
8月後半(8月16日から31日まで)は、北日本や関東地方を中心に総降水量600ミリを超えて大雨となった所があったほか、台風第7号上陸後に釧路市では、最大風速31.8メートル(1910年の統計開始以来第1位)の暴風を観測するなど、大きく荒れた天候になりました。この影響で、河川の氾濫や浸水害、土砂災害などが発生し、人的被害や住家被害が生じました。また、停電、断水、電話の不通など、ライフラインにも被害が発生したほか、鉄道の運休などの交通障害も発生しました。
3位 Uターン台風 豪雨被害・東北太平洋側に上陸は史上初
8月19日に八丈島付近で発生した台風第10号は、はじめは南西に進み、27日ごろからUターンして北寄りに進む「迷走」とも言える進路を取りました。さらに沖縄付近の海面水温の高い海域を1週間近く進んだため、一時的に「大型で非常に強い台風」にまで発達した後、30日18時前に大型で強い勢力の状態で、岩手県大船渡市付近に上陸しました。
台風が東北地方の太平洋側に上陸したのは、1951年の統計開始以来はじめてのことです。
例年、台風は時計回りに弧を描くように日本付近では北東へ進むことがほとんどですが、今回の台風は逆回りに太平洋から北西へ進んだために、このような異例の上陸となりました。この台風がもたらした大雨により、河川の氾濫や土砂災害・浸水害が相次ぎ、岩手県や北海道を中心に北日本で多くの被害が発生しました。
■「日本気象協会が選ぶ2016年お天気10大ニュース・ランキング」
「日本気象協会が選ぶ2016年お天気10大ニュース・ランキング」は、気象を中心に、地象や水象などの日本気象協会が取り扱う情報の中から、日本気象協会に所属する気象予報士のうち100名が、2016年に特に印象に残ったニュースを選んだものです。
4位以降も含めた「日本気象協会が選ぶ2016年お天気10大ニュース・ランキング」の解説に関しましては、2016年12月8日(木)11時以降に下記のアドレスからご覧いただくことが可能です。
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URL:http://www.tenki.jp/labo/(PC/スマホ対応) |
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