日本気象協会、需要予測の導入による経済効果を約1,800億円と試算 ~気温変化の売上げ影響度 夏はコーヒー、冬は日本茶がトップ~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、気象情報をもとにした商品需要予測情報の提供・コンサルティングサービス「商品需要予測事業※1」による経済効果を、およそ1,800億円と試算しました。
また、200品目以上の商品の気象感応度※2を調査し、商品需要予測の向上により、販売実績が伸びることが予想される商材を算出しましたのでお知らせします。
1.気象予測の導入による経済効果試算:およそ1,800億円
日本気象協会は株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 石塚 純晃、以下「インテージ」)が保有する「SRIデータ(全国小売店パネル調査データ)※3」の全295品目の商品から、およそ70%にあたる203品目のSRIデータに注目し、気象感応度の調査と需要予測を行いました。その結果をもとに「需要予測の導入による経済効果」を、およそ1,800億円と試算しました。
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気象感応度が高く、かつ、市場の売上げが高い商品が上位になっています。上位の商品カテゴリほど、製造会社が需要予測をもとに生産調整することで、作りすぎによる「廃棄ロス」や売り切れによる「機会ロス」を削減でき、経済効果が大きいことを示しています。
2.気象感応度調査の結果判明した、「暑い/寒い時期に売れる商材ベスト3」
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日本気象協会では、2010年4月から2017年3月の期間にわたる全国のSRIデータを分析し、上記のような気象感応度分布図を作成しました。この分布図から、暑い時期に売れる商品(夏商材)と、寒い時期に売れる商品(冬商材)のそれぞれベスト3が判明しました。
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■夏商材第1位:コーヒードリンク
<解説> 日本気象協会 先進事業課技師 吉開朋弘
コーヒードリンクは夏にかけて需要が伸びる商品で、気温との相関が非常に高い商品です。特に5月~7月の気温の上昇期、9~10月の気温の下降期に需要が敏感に左右されます。他の飲料では30度を超えると急に需要が伸びる商品や、お盆を過ぎると需要が落ちる商品が見られますが、コーヒードリンクはそれらの影響をあまり受けず、気温の推移とともに需要が変化しているため、気温との相関が高くなっています。 |
■冬商材第1位:日本茶
<解説> 日本気象協会 先進事業課技師 吉開朋弘
日本茶は冬にかけて需要が伸びる商品で、他の商品に比べて年末やお正月の影響が少ない事が特徴です。需要の立ち上がりと下がり始めも気温の変化と逆の動きをしているため、気温との負の相関が強く出ています。他の冬商材では夏場に全く売れない商品や2月に向けて伸びていく商品などが見られますが、日本茶は夏場も需要が一定数確保されており、年間を通して需要が気温と反対の動きをしているため、冬商材の中でも特に相関が高く出ています。 |
日本気象協会では、今回試算した気象予測の導入による経済効果(およそ1,800億円)をひろく社会に実感いただくための気象コンサルティングサービスを今後も展開していく予定です。
また、今回試算した経済効果の詳細や、気象感応度調査結果の詳細については、日本気象協会先進事業課のスタッフから法人企業の方へ直接説明させていただくことが可能です。以下お問い合わせフォームからご依頼ください。
[日本気象協会 法人のお客様お問い合わせフォーム]
日本気象協会のコーポレートサイトトップページから、画面右上にある「お問い合わせフォーム」
法人のお客様ボタンをクリックしていただくことで入力できます。
※1 2014年10月~2016年度の経済産業省の補助事業を経て、2017年度から事業化
※2 商品の需要と気温の関係性を数値化したもの
※3 インテージが保有するスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データ。
【参考情報】
日本気象協会の商品需要予測で「全国小売店パネル調査データ」が活用可能に
~食品や医療品、日用雑貨など、あらゆる商品を対象に高精度な需要予測の提供を目指す~
日本気象協会コーポレートサイト ニュースリリース 2017.08.21発表
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】需要予測の導入による経済効果を試算_