日本気象協会 2018年 春の花粉飛散予測(第4報) 花粉シーズンスタート! 神奈川や西日本の一部でスギ花粉の飛散開始
Press Release
2018年 春の花粉飛散予測のポイント(2018年2月15日 発表)
・関東の一部で1月23日に飛散開始 ・東日本・西日本の気温は2月下旬から3月は平年並みか高い見込み ・晴れて暖かい日は花粉の飛散に注意が必要 |
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、2018年2月15日(木)に2018年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第4報)を発表します。また、詳細な情報を、「2018年春の花粉総飛散量 予測資料」として販売します。
1. 2018年シーズンの飛散開始時期
1月後半から2月上旬にかけて、冬型の気圧配置となる日が多く、1月下旬には数年に一度の強い寒気が流れ込み、全国的に記録的な低温になりました。また日本海側では日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)による大雪に見舞われました。1月22日には本州南岸を通過した低気圧の影響で、西日本から東日本の太平洋側で大雪になったところがありました。2月上旬にも再び強い寒気が流れ込み、西日本で気温が平年を大幅に下回り、北陸地方では数十年ぶりの大雪となりました。
この影響で、多くの地点では花粉の飛散開始が遅れています。しかし、神奈川県など関東の一部では大雪の翌日にあたる1月23日と24日に南寄りの風が強かったため、「飛散開始」が確認されました。西日本などでも飛散開始となったところがあり、花粉シーズンがスタートしています。そのほかの地点でも、「飛散開始」の定義に当てはまらないもののわずかな飛散が確認されています。
今週は東日本や西日本で日によって気温差があるものの、平年並みか高くなる日もあるため、まだ飛散開始となっていない西日本や東日本の地点でも、花粉の飛散が始まるところがあるでしょう。2月下旬から3月にかけては東日本や西日本では平年並みか高くなる予想のため、北陸でも飛散開始となる見込みです。
一方、北日本では3月上旬にかけて平年並みか平年より低い見込みですが、2月下旬には東北南部で、3月上旬には東北北部でも花粉の飛散が始まる予想です。3月中旬から4月は平年並みか高くなるため、北海道の飛散開始は例年通り4月下旬になる見込みです。
※飛散開始日:1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日
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2.2018年シーズンの花粉飛散傾向
2018年春の花粉飛散予測は、東北から近畿、四国地方までの広い範囲で、前シーズンの飛散量を上回る見込みです。東北から中国、四国地方にかけて、前シーズン比で「非常に多い」飛散量の都道府県があり、注意が必要です。一方、例年比でみると、東北と東海地方ではやや多く、特に青森県では現地調査の結果から、青森市内で雄花の着花量が多いこともあり、「非常に多い」予想としています。関東甲信、近畿、九州地方では例年並みとなるでしょう。北海道、北陸、中国、四国地方では例年を下回る見込みです。
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3. 各地のピーク予測
地方 | 飛散量 (地方平均値%) |
2017年夏(6~8月)の気象 | |||
例年比 | 前シーズン比 | 気温 | 降水量 | 日照時間 | |
北海道 | 少ない (60%) |
少ない (50%) |
平年並 | 多い | 平年並 |
東北 | やや多い (110%) |
非常に多い (210%) |
平年並 | 多い | 平年並 |
関東甲信 | 例年並 (100%) |
多い (150%) |
高い | 少ない | 平年並 |
北陸 | やや少ない (80%) |
やや多い (130%) |
平年並 | かなり多い | 多い |
東海 | やや多い (110%) |
やや多い (120%) |
高い | 少ない | 多い |
近畿 | 例年並 (90%) |
やや多い (110%) |
高い | 平年並 | 多い |
中国 | やや少ない (80%) |
前シーズン並 (90%) |
高い | 平年並 | 多い |
四国 | やや少ない (80%) |
多い (150%) |
高い | 平年並 | 多い |
九州 | 例年並 (100%) |
やや少ない (70%) |
高い | 少ない | 多い |
スギ花粉のピークは、福岡では2月下旬から3月上旬、高松・広島・大阪・名古屋では3月上旬から中旬でしょう。金沢と仙台では3月中旬から下旬にピークを迎える見込みです。東京のピークは3月上旬から4月上旬となり、多く飛ぶ期間が長いでしょう。
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉のピークが始まります。福岡では3月下旬から4月上旬、広島では4月上旬、高松・大阪・名古屋・東京では4月上旬から中旬の見込みです。金沢と仙台は4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはないでしょう。
スギ・ヒノキ花粉の飛散量がピークになる時期は、花粉シーズン中の気温や予想される総飛散量と関係があると考えられます。東日本や西日本では、2月下旬から3月にかけて気温が平年並みか高くなる予想です。北日本では、3月上旬まで平年並みか平年より低い見込みですが、3月中旬から4月は平年並みか高くなるでしょう。ピーク時期を早めるほどではないため、スギ・ヒノキ花粉それぞれのピーク時期は例年並みの見込みです。
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4.日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。
花粉の元となる植物の育成には、前年夏(6月~8月)の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散量が多くなるといわれています。花芽は夏の早い段階で育つため、日本気象協会の花粉飛散予測では6月と7月の気象条件を特に重視して予測を発表しています。
日本気象協会の花芽調査では、スギやヒノキなどの植物に詳しい「植物のプロ」の協力のもとで、その土地の気候や地形を知る「気象のプロ」による定点観測を重視しています。
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【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2017年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2008~2017年)の平均値
【2017年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1981~2010年の平均値
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会発表】2018年春の花粉飛散予測(第4報)_