世界初の複数ドローンを活用した広域警備の実証実験を、気象情報でサポート ~KDDI、セコム、テラドローンによる実証実験に「ドローン総合気象情報」を提供~
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一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)は、2018年2月に神奈川県の「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」にて行われた世界で初めての4G LTEで自律飛行する複数ドローンを活用した広域警備に関する実証実験と連携し、「ドローン総合気象情報」の実証試験を行いました。
ドローンポート上空で発生する強風や突風は、ドローンの安全運航に大きな影響を与えます。そこで、日本気象協会はドップラーライダー(※1)を使って、ドローンポート周辺の高度80メートルまでの風況(風向・風速)を測定しました。そして、その測定結果や気象情報を「ドローン総合気象情報」としてドローンパイロットやドローンの運航管理者に提供しました。
今回の複数ドローンの活用による広域警備に関する実証実験は、KDDI株式会社 (本社:東京都千代田区、以下「KDDI」)、セコム株式会社 (本社:東京都渋谷区)、テラドローン株式会社(本社:東京都渋谷区)の3社が実施しました。
KDDIなど3社と連携した「ドローン総合気象情報」実証試験の内容
1)ドローンポート周辺の気象観測
リモートセンシング技術によって上空の風を測定するドップラーライダーを用い、ドローン飛行の安全性向上に係る試験を行いました。
2)ドローン総合気象情報の提供
風・雨のポイント予報などの気象情報をKDDIなど3社に提供し、ドローン運航に係わる気象情報の課題抽出と有効性の検討を行いました。
なお、KDDIなど3社による実証試験ならびに日本気象協会の実証試験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、略称「NEDO」)の事業で実施したものです。
ドップラーライダーによるドローンポート周辺の気象観測(1) |
ドップラーライダーによるドローンポート周辺の気象観測(2) |
ドローン総合気象情報画面の例 |
日本気象協会は、今回の実証試験を含め、2017年度中に4回の実証試験(※2)を実施しました。これまでの実証試験を通して、上空の風況の把握がドローンの安全運航に重要であることを確認しました。日本気象協会は、ドローン総合気象情報の開発と実証試験を進めることで、ドローンの安全運航に寄与し、ドローンが普及し活躍する社会の実現に貢献していきます。
※1:ドップラーライダー
ドップラーライダーはレーザー光を上空に発射し、大気中のエアロゾル(塵、微粒子)からの散乱光を受信して、上空の風向風速を計測するリモートセンシング装置のこと。
※2:日本気象協会が2017年度に行った実証試験および連携した実証実験
・ドローン向け気象情報提供とドローンによる気象観測の実証試験を南相馬市で実施へ
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100861.html
・衛星通信を利用した高高度無人航空機の飛行・通信実験を福島県で実施
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100882.html
・日本初、同一空域で有人ヘリコプターと無人航空機の安全性能試験を福島県で実施
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100887.html
関連リンク:
・世界初、4G LTEで自律飛行する複数ドローンを活用した広域警備に成功
―遠隔監視の空飛ぶ警備でセキュリティを強化―
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/03/15/3009.html
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会からのお知らせ】KDDIドローン実証実験 気象情報で協力_