日本初、300mm/hの大雨ドローン実験 ~世界最大級の大型降雨実験施設を使い、 ドローン向け「大雨アラート」作成に着手~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
イームズロボティクス株式会社
株式会社イームズラボ
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下「日本気象協会」)と国立研究開発法人 防災科学技術研究所(所在地:茨城県つくば市、理事長:林 春男、以下「防災科研」)、イームズロボティクス株式会社(本社:福島県福島市、代表取締役:辺見 俊彦、以下「イームズロボティクス」)、株式会社イームズラボ(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役:齋藤 一男、以下「イームズラボ」)は、大雨時のドローン飛行可否判断の指標「大雨アラート」※1の作成を目的に、2018年5月28日(月)と29日(火)の両日、防災科研所有の大型降雨実験施設を使った日本で初めての「大雨ドローン実験」を共同で実施します。 なお、5月29日(火)の飛行実験は報道機関および関係機関に公開します。 |
1.日時:2018年5月28日(月)、29日(火)
2.場所:防災科学技術研究所(茨城県つくば市天王台3-1)
3.実験の概要:大雨時のドローン飛行実験
4.各社の役割について:
・日本気象協会 – 研究統括、大雨時のドローン飛行可否判断指標「大雨アラート」の検討
・防災科研 –実験施設提供、大雨時のドローン飛行可否判断指標「大雨アラート」の検討
・イームズロボティクス/イームズラボ – ドローンの提供・操縦、実験時のドローン挙動解析
別紙資料 |
【背景】
政府では、「未来投資戦略2017」及び「空の産業革命に向けたロードマップ」において、「2018年に山間部等における荷物配送を実施し、2020年代には都市でも安全な荷物配送を本格化させる」という目標を掲げています。ドローン飛行の増加に伴い、ドローンが突然の雨や風など極端な気象現象に遭遇する確率が大幅に高まることが今後予想されます。極端な気象現象が原因でドローンの落下事故が発生した場合、人的・物的被害に及ぶ可能性があります。
また、産業用ドローンの普及に伴い、ドローン向け気象情報に関する要望は高まっており、2014年度からドローンによる高層気象観測を行っている日本気象協会は、気象の極端な現象である局地的大雨・豪雨などの解析・研究を行い、これらの予測の技術開発を進めています。
今回、日本気象協会ならびに防災科学技術のイノベーションの中核的機関である防災科研と、国産ドローン機体の開発・製作の面で高い技術力を持つイームズロボティクス/イームズラボは、ドローンが遭遇する極端な気象現象のうち「大雨」に注目し、ドローンが大雨に遭遇した場合の機体耐性と挙動を評価するとともに、ドローンに対する大雨時の飛行可否判断の指標「大雨アラート」を検討するため、共同で「大雨ドローン実験」を実施します。
【大型降雨実験施設 概要】
防災科研が保有する大型降雨実験施設は、豪雨を原因とする自然災害の防止・軽減を目的として1974年に運用が開始されました。自然の降雨状態を再現する降雨装置としては世界最大級の規模です。この大型降雨実験施設を利用して、大型模型斜面を用いた土砂災害軽減研究、土砂浸食に関する研究、降雨中のレーザーレーダの減衰機構の研究など、基礎から応用まで幅広い研究が進められています。施設は、5つの実験区画と移動降雨装置、ポンプ制御棟、貯水槽から構成されています。2013年度に改修工事を行い、現在は散水面積44m×72m、降雨強度は1時間に15~300mm、雨滴粒径0.1から6mm、雨滴落下高16mの規模・能力を有しています。 |
【「大雨ドローン実験」にて使用するドローン(イメージ)】
【実験スケジュール】
2018年5月28日(月)共同研究機関担当者限定にて実験を実施(日本初の300mm/h大雨ドローン実験を実施)
2018年5月29日(火)報道機関および関係機関向け公開実験を実施
13:40 受付開始(集合場所:防災科学技術研究所 気象災害軽減イノベーションセンター)
14:00 実験概要説明(気象災害軽減イノベーションセンター)
15:20 公開飛行実験(大型降雨実験施設)
質問受付
16:00 終了予定
※状況により開始終了時刻が変更となる場合があります。
※当日は撮影が可能です。
※今回の対象者は、報道機関/関係機関とさせていただいております。
※実験施設概要: http://www.bosai.go.jp/shisetsu/rain/index.html
【実験場所】
〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1 防災科学技術研究所 大型降雨実験施設http://www.bosai.go.jp/introduction/project/location/location01.html
※1:「大雨アラート」とは
気象の極端現象のひとつである局地的大雨などに遭遇したドローンは、飛行の中止、大雨の回避などの行動をとる必要が生じます。この行動の判断を支援する指標として「大雨アラート」の作成を目指しています。ドローンが飛行する際、飛行経路上に大雨がある場合などの時、「危険」「注意」などの注意喚起情報を提供することを検討しています。
○一般財団法人 日本気象協会について
1950年に誕生した日本気象協会は、分単位で収集される国内外の気象データをもとに、天気予報に代表される気象予測事業に加え、再生可能エネルギー、環境アセスメント、大気解析事業、防災・減災・安全管理に関する事業、放送局・新聞社向け情報サービス提供など、気象に関するコンサルティング事業を通じ、公共に資する企業活動を展開しています。
○国立研究開発法人 防災科学技術研究所について
国立研究開発法人 防災科学技術研究所は、防災科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発、それらに係る成果の普及及び活用の促進等の業務を総合的に行い、防災科学技術の水準の向上を図り、成果の防災対策への反映を図ることにより、「災害から人命を守り、災害の教訓を活かして発展を続ける災害に強い社会の実現を目指すこと」を目標としています。大型降雨実験施設等の大型実験施設を活用して、企業や業界団体とともにセンサーなどの新技術に必要な性能基準、評価基準の策定に向けた取組を開始しております。
○イームズロボティクス株式会社について
イームズロボティクス株式会社は、自律飛行・自律走行できるUAVやUGVなどのロボティクス技術を用いて、様々な業種の「危険な仕事」「重労働」「労力・時間を要するもの」の課題解決を目指します。
コンサルティング、組立・製造、導入講習、販売、損害保険、アフターメンテナンスまでワンストップサービスを実施しています。また、景観空撮、インフラ点検、計測用空撮、調査飛行、害獣対策、物資輸送、災害対応など積極的に取り組んでいます。
○株式会社イームズラボについて
株式会社イームズラボは、無人機設計企業として機体設計、制御ソフト開発、通信、クラウドアプリケーションの開発を行なっています。リファレンスモデル(実装モデル)を用意し、素早く、安価にお客様向けの無人機エコシステムを構築いたします。
無人機のコントローラーには、オープンソースであるArduPilotを使用しています。イームズラボでは、開発に深く参画し、産業用途に適応する機能開発を支援しています。
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】大雨時ドローン飛行性能実験について_