日本気象協会 2020年 春の花粉飛散予測(第1報) ~飛散量は広い範囲で例年より少なく、特に四国、九州は非常に少ない!~
Press Release
◆2020年 春の花粉飛散予測のポイント(2019年10月2日 発表)
- 広い範囲で例年より少なくなり、四国と九州は非常に少ない予想
- 西日本と東日本は前シーズンよりも少なく、九州から東海は非常に少ない
- 青森と北海道は前シーズンと比べると非常に多くなる見通し
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太)は、2019年10月2日(水)に全国・都道府県別の2020年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第1報)を発表します。また、詳細な情報を、「2020年春の花粉総飛散量 予測資料」として販売します。
1. 2019年シーズンの花粉飛散状況まとめ
2019年シーズンの花粉の飛散量は、九州から東北南部の多数の地点で例年よりも多くなりました。特に、大分や滋賀、石川、埼玉では例年の2倍以上と非常に多くなりました。一方、北海道では例年に比べて非常に少ない飛散量となり、東北も例年より非常に少なかった所がありました。
また、東京と大阪の過去10年の飛散傾向を見てみると、東京では2019年シーズンは例年並みでしたが、大阪では例年の2倍近くとなり、過去10年ではもっとも多くなりました。
2020年シーズンの予測飛散量は、東京では2019年シーズンに比べ6割程度と少なく、大阪では3割程度と非常に少ない見込みです。


2. 飛散量の予測根拠
花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。
2019年の夏は、梅雨前線の北上が平年より遅く、梅雨明けが平年より遅れた地方が多くなりました。8月後半は気圧の谷の影響を受けやすく、西日本を中心に大雨となりました。西日本太平洋側の降水量はかなり多く、東日本太平洋側と西日本日本海側の降水量は多くなりました。東日本太平洋側と西日本の日照時間は少なくなりました。
3. 2020年シーズンの花粉飛散傾向
2020年春の花粉飛散予測は、九州から関東甲信にかけて広い範囲で例年より少ない見込みです。特に、九州は非常に少なく、中国や四国でも非常に少ない所があるでしょう。東北は例年並みか少なめ、北海道はやや多い予想です。
一方、前シーズン比で見ると、九州から東海は、ほとんどの所で非常に少ない見込みです。関東甲信、北陸も少なくなる予想です。東北は、北部で前シーズン並みか多く、南部では前シーズンより少なめとなるでしょう。北海道は非常に多い予想ですが、これは前シーズンの飛散量が例年より非常に少なかったためです。


4.各地域の花粉飛散傾向

【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2019年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2010~2019年)の平均値
【2019年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1981~2010年の平均値
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】2020年花粉飛散予測第1報_