日本気象協会の海事産業向け気象海象データサービス「POLARIS」にサービスを追加 ~「海洋ビッグデータ」利用提案を通じ海事産業での水先案内人を目指す~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は2020年3月3日(火)から、海事産業向け気象海象データサービス「POLARIS(R)※1」(ポラリス)に2つの新サービス、「POLARIS Forecast」(気象海象予測データ)と「POLARIS Navigation」(航海計画支援サービス)を追加します。
2019年4月からサービス提供を開始した「POLARIS」は、Web API等により陸上施設や船舶へ気象海象データを提供するサービスです。利用者の接続環境が整えばPC上でアプリケーション操作をする感覚で、簡単に「POLARIS」を利用することができます。
日本気象協会は2019年4月、「海洋ビッグデータ元年」というテーマを掲げ、気象海象追算(再解析)データ「POLARIS Hindcast」を発表しました。今回、2つの新サービス追加に合わせて、「POLARIS Hindcast」も新機能を追加します。
・従来版の0.5度メッシュ(約50km)の地球全球のデータに加え、2分メッシュ(約3.7km)での日本近海データを提供
・海流や水温などのデータを追加
日本気象協会は、気象海象コンサルタントとして、今後も「海洋ビッグデータ」の利用提案を行っていきます。例えばPOLARISのデータと船舶IoTデータ(モニタリングデータ)を組み合わせることによる運航効率化や船舶の付加価値の向上、舶用機器との連携で安全な航海支援などを通じ、「選ばれる船」をサポートしていきます。また、燃料消費削減や船舶から排出されるCO2削減に貢献することで、持続可能な社会の構築、ESGに資することを目指します。
※1 「POLARIS」は、Precise Ocean data LibrARy and Intelligent Serviceの略称です。

開発の背景
2018年4月に開催された国際海事機関 (IMO)の第72回海洋環境保護委員会にて、世界で初めて「今世紀中の温室効果ガス(GHG)のゼロ排出を目指すことに合意」がなされ、国際海運では「2030年までに国際海運全体の燃費効率を40%改善し、2050年までにGHG排出量を半減させる」ための具体的な「GHG削減戦略」が議論され活発化しています。
しかし、実際は正確な波浪外力データがなく航海の効率化が課題となっていました。
そこで日本気象協会の独自技術でデータを再解析し、高精度なデータベース「POLARIS Hindcast」を開発しました。そしてこの高精度なデータベースをもとに「POLARIS Forecast」や「POLARIS Navigation」を開発するにいたりました。
各サービスの概要
(1)気象海象予測データ「POLARIS Forecast」
高解像度・高精度な気象海象予測を航海中の船舶(オンボード)にご提供します。パソコンにアプリをインストールするだけで簡単にご利用いただけるため初期費用を抑えられます。スポット利用も可能です。
想定するユーザー:海運(外航船、内航船)


(2)航海計画支援サービス「POLARIS Navigation」
「POLARIS Forecast」を利用した、船舶の航海計画支援サービスです。
POLARIS Forecast同様、パソコンにアプリをインストールするだけで利用可能です。ECDIS(電子海図情報表示装置)と航路情報のインポート/エクスポートにも対応しています。
想定するユーザー:海運(外航船、内航船)

(3)気象海象追算(再解析)データ「POLARIS Hindcast」
船舶の燃費や運航効率の改善に寄与することのできる、地球全球の気象海象データ(追算値)を、航路に紐付けて提供します。
Web APIに対応したことで、従来に比べ納期、コストを大幅に削減できます。
想定するユーザー:海運、造船、舶用メーカー、研究機関等


POLARISに関するお問い合わせ先(法人向け)
日本気象協会 防災ソリューション事業部 営業課
Tel:03-5958-8143 / E-mail:wavedata@jwa.or.jp
・POLARISは日本気象協会の登録商標です。
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】「POLARIS」にサービスを追加_