【全国地方自治体に実態調査】 東日本大震災以降、最も多く指定避難所が開設された災害は 令和元年台風第19号(令和元年東日本台風) ~乳幼児のいる親や妊婦を対象にした防災・災害対策の取り組みで 最も多いのは「災害用備蓄の啓発」~
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)が推進する「トクする!防災」プロジェクトは、株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)の「明治ほほえみ防災プロジェクト」と共同で、全国地方自治体1,788件を対象とする「災害時における授乳環境の整備、および乳児用液体ミルクなどの備蓄状況に関する実態調査」を実施しました。調査結果は、「トクする!防災」プロジェクト公式ウェブサイト(https://tokusuru-bosai.jp/info/info20200304.html )、明治ほほえみ防災プロジェクト「ママと赤ちゃんの防災サイト」で公開しています(https://www.meiji.co.jp/baby/milk-stock/report/)。
調査結果サマリー
- 2011年以降、避難指示、避難勧告、避難準備情報(避難準備・高齢者等避難開始)のいずれも発令したことのない自治体は9.5%にとどまり、9割以上の自治体がいずれかの発令をしたことが明らかに。
- 2011年以降、80%以上の自治体が指定避難所の開設を経験。最も多く指定避難所が開設された災害は、令和元年台風第19号(令和元年東日本台風)、その次に平成30年7月豪雨。気象災害による避難所の開設が多くを占める結果に。
- 災害時に「乳幼児・妊産婦等の要援護者を優先して受け入れる避難所」または「乳幼児・妊産婦に配慮した避難所」として想定している避難所については、約半数の自治体が「現在はなく、今後も指定する予定はない」ことが判明。一方、約3割は「乳幼児・妊産婦等の要援護者を優先して受け入れる避難所」はあると回答。
- 乳幼児のいる親や妊婦を対象にした防災・災害対策の取り組みで最も多いのは「災害用備蓄の啓発」で20.2%。「特にない」という回答は60.6%に。
- 「ローリングストック」は自治体担当者の8割以上が「意味まで理解」と回答。すでに多くの自治体担当者の方々に「ローリングストック」は浸透していることが判明。
- 購入して備蓄されているのは、「紙おむつ」が最も多く、およそ6割の自治体で購入。「液体ミルク」は12.3%で、「液体ミルク」をまだ備蓄をしていない自治体中25.7%が備蓄の予定があると回答。「液体ミルク」の自治体での備蓄はまだ進んでいないことが分かった。
東日本大震災からまもなく9年が経過します。近年は、地震だけでなく台風や大雨などによる気象災害も激甚化し、日本全国どこにいても自然災害に遭う可能性が高まっています。今回の調査から、2011年3月以降、自治体が指定避難所を開設した災害は、令和元年台風第19号(令和元年東日本台風)が最も多く、その次に平成30年7月豪雨と、気象災害による避難所の開設が多くを占めていることが分かりました。気象災害は令和元年台風第19号(令和元年東日本台風)のように日本全国の規模で広範囲に渡る被害が発生する恐れがあり、避難所開設の数が多くなる理由の一つとして考えられます。
このように、ここ数年、気象災害の激甚化に伴い、避難所開設の機会が増加している中、避難所の環境も課題となっています。今回の調査では、配慮が必要なひとに含まれる、妊産婦や乳幼児に対する配慮や避難所環境についても尋ねました。約半数の自治体で、「乳幼児・妊産婦等の要援護者の優先受け入れ、または配慮した避難所」がない、もしくは指定する予定がない実態が明らかになりました。一方、約3割の自治体は「乳幼児・妊産婦等の要援護者を優先して受け入れる避難所」があることが分かりました。自治体によって避難所環境の明暗が分かれる結果となり、公助だけではない、生活者自身による、地域での避難所の運営や環境整備への積極的な参加が求められている状況であると考えます。
これまでも「トクする!防災」プロジェクトでは、特に女性やファミリー層が気軽に取り入れやすい「ふだんの防災アクション」として「ローリングストック」を呼びかけています。今回の調査結果では、自治体での「乳幼児のいる親や妊婦を対象にした防災・災害対策の取り組み」で最も多い回答が「災害用備蓄の啓発」となりましたが、「特にない」という回答がおよそ6割にのぼりました。各自治体での
ローリングストックの取り組みについては、ガイドブックを作成したり、市民向け防災講座などでローリングストックの啓発をすでに実施、これから実施予定の自治体も複数あり、生活者への「災害用備蓄の啓発」の浸透は自治体によって差が大きいことが読み取れます。
今回の調査では、避難所開設経験の増加に反して、自治体での災害時の授乳支援や母子に必要な物資の備蓄はまだ十分ではないという実態が明らかになりました。自治体だけではなく、生活者一人一人においても、大規模災害に備えて、乳幼児、乳幼児のいる親、妊婦の方が災害時も安心して過ごせるように、災害時に必要なものを日常の生活の中で使用しながら備蓄できる「ローリングストック」の実践の必要性が高まっています。
◆「災害時における授乳環境の整備、および乳児用液体ミルクなどの備蓄状況に関する実態調査」概要
・調査主体: 一般財団法人 日本気象協会推進 「トクする!防災」プロジェクト
株式会社 明治「明治ほほえみ防災プロジェクト」
・調査期間: 2020年1月14日(火)~ 2020年2月7日(金)
・調査対象: 全国地方自治体1,788件
・調査方法: 郵送調査を実施し、郵送回答、ウェブ回答結果を分析
・有効回答数: 867件(都道府県26件、市区町村841件)
※ 本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【「トクする!防災」および「明治ほほえみ防災プロジェクト」調べ】とご明記ください。
■「明治ほほえみ防災プロジェクト」とは
「トクする!防災」プロジェクトと「明治ほほえみ防災プロジェクト」が協力し、災害備蓄の必要性やローリングストック、災害時の赤ちゃんの命を守る液体ミルクの大切さを啓発する取り組みなど、主に乳幼児のいる家族への防災意識啓発活動を行っています。
URL: https://www.meiji.co.jp/baby/milk-stock/

■「トクする!防災」プロジェクトとは
「トクする!防災」プロジェクトは、日本気象協会が推進する、“必要だとは思っているけれど、なかなか実践できない防災アクション”に対し、ちょっとしたおトク感や気軽さをプラスする取り組みです。日頃から防災対策への興味、関心を高め、最終的に自分や家族の身を守ることができる備えをしながら、安心につなげていくことを目指しています。
公式ウェブサイト https://tokusuru-bosai.jp/

- 調査結果詳細は「トクする!防災」の以下のアドレスにて公開しています
https://tokusuru-bosai.jp/info/info20200304.html
以上
PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】 トクする防災!全国自治体備蓄調査_