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日本気象協会とArithmer、共同で 「AIを活用した越波(えっぱ)検知」の技術を特許出願 ~ 道路管理者向けサービスへの応用を通じ、越波対策の効率化や高度化に貢献していきます ~
Press Release

一般財団法人 日本気象協会
Arithmer株式会社

一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)とArithmer株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:大田 佳宏、以下「Arithmer」)は、カメラ画像をAIにて分析し「越波(えっぱ)」(注)の発生有無をリアルタイムで確認、検知することができる技術(以下、「当技術」)を開発し、2020年9月10日(木)に特許庁へ共同出願しました。

カメラ画像から越波を検知するための手法では、従来は、越波の有無を判定するための基準線をあらかじめ設定するなど、地点ごとに複雑な設定を行う必要がありました。
今回開発した技術では、初期設定を行うことなく、カメラ画像のみで波の侵入を検知・判定できるためより速やかに、かつ容易に運用を開始することが可能になります。
今後両社は、当技術を活用した道路管理者向けサービスの提供を通じて、越波対策の効率化ならびに高度化へ貢献していきます。

AIを用いた越波の解析例(緑:道路、青:高波。その他、走行車両等を自動で判別)
AIを用いた越波の解析例(緑:道路、青:高波。その他、走行車両等を自動で判別)

◆共同出願した特許の内容

【AIを活用した越波検知技術】

道路監視カメラの画像から越波の発生を自動検知します。カメラ画像から道路、走行車両、護岸および、護岸をうちあげる高波を抽出し、それらを組合せて解析することで、高波が道路にかかる状況を自動的に検知する技術です。各要素の抽出には深層学習(Deep Learning)を用いています。

【特許の進歩性について】

従来の検知手法では地点ごとに越波の有無を判定する基準線を設定するなど複雑な設定が必要でしたが、本特許によりこれらの初期設定が不要となり、波の侵入検知を画像のみで判定できるシステムを構築しました。

◆背景

海岸沿いの道路では、台風や低気圧の接近や通過に伴い高波が道路の護岸を越え(越波)、車両の走行が危険な状態になることがあります。このため、道路管理者は越波の発生を速やかに検知し、巡回・監視の強化および、通行規制などの対策をとる必要があります。
越波の発生について、監視員が現地で目視確認することで、道路へのしぶきや波のかかり具合を詳細に把握し、最適な道路管理を行っていますが、その一方、現地での確認は監視員が被災するリスクを抱えています。安全・安心な走行環境を確保しつつ、監視員や監視車両の安全性を高めるうえで、越波監視の効率化や高度化が強く求められています。
今回、共同で特許出願した技術を用いることで、監視カメラ映像から越波の有無をAIで自動判別し、越波が発生した際にアラートを発信する等の対応が可能となります。これにより、道路管理者は安全な場所から越波を監視し、越波対策の効率化や高度化に繋げることが可能となります。
日本気象協会とArithmerは、今回、共同出願した技術を活用した「越波監視サービス」の開発や提供を通して、道路管理者の一層の安全性確保と負担軽減に貢献していきます。

 

 

◆AIを活用した越波検知技術の特許出願に関する両社のコメント

<日本気象協会>

越波の発生の監視について、従来は、人の目による監視により、高波やしぶきが道路にかかる状況を詳細に把握していました。今回、日本気象協会とArithmerが共同で特許出願した技術は、カメラ画像を用いて越波の発生を自動かつリアルタイムに把握するものであり、監視作業の省力化や監視員の安全確保など、道路管理の効率化・高度化に役立てられると考えます。
また、日本気象協会の越波予測情報の精度向上にも活用したいと思います。

一般財団法人 日本気象協会 常務理事  事業本部長  辻本 浩史

<Arithmer株式会社>

弊社は、数学で社会課題を解決し、世界に希望を与えることをミッションとしています。そして、そのためのAI技術を開発し豊かな地球環境の構築に貢献したいと考えています。
今回、その一例として、日本気象協会とArithmerが共同で越波検知技術を具体化できたことを大変嬉しく思います。今後とも様々な社会課題を解決するようなAI技術を提供していきたいと考えています。

Arithmer株式会社 代表取締役社長兼CEO 大田 佳宏

 

 

【一般財団法人 日本気象協会】
本社所在地:東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 55階
代   表:代表理事 理事長  長田 太
設   立:1950年5月10日

1950年に誕生した日本気象協会は、天気予報に代表される気象予測事業に加え、再生可能エネルギー、環境アセスメント、大気解析事業、防災・減災・安全管理に関する事業など、気象に関するコンサルティング事業を通じ、公共に資する企業活動を展開しています。海外では31の国の地域で、気象と水象のコンサルティング事業による国際協力および民間投資に資するビジネス事業展開をしています。

URL: https://www.jwa.or.jp/

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Arithmer株式会社】
本店所在地:東京都港区六本木一丁目6番1号泉ガーデンタワー 38/40F(受付)
代   表:代表取締役社長兼CEO 大田 佳宏
設   立: 2016年9月1日

Arithmerは、数学で社会課題を解決する会社です。 現代数学を応用した高度AIエンジンを開発しています。業務効率化や自動化だけにはとどまらず、継承が難しい専門技術や、人間の手では実現不可能な技術の実装も可能です。その結果として、災害対策や交通事故防止などの安心安全な社会インフラシステムの実現、画期的な薬の開発など人と社会と環境への貢献につながる技術を提供しています。

ArithmerLogo


越波
暴風や高潮により打ち寄せる波が堤防を越えること。また防潮堤などを越え堤内に流入する波のこと。波に伴う水塊や、波に運ばれて流入する流木や石などが道路や構造物にダメージを及ぼす場合がある。

※製品名、サービス名などは一般に各社の商標または登録商標です

 

 

 

<ご参考資料>

越波とは

台風接近時や吹雪の時などに、暴風や高波によって打ち寄せる波が堤防を越えて流れ込むこと。波、および波に運ばれて流入する石や流木などが道路や構造物に危害を及ぼす場合があり、道路管理上のリスク要因となりうる自然現象である。

 

越波の状況
下図(図1)は、2019年台風第15号(令和元年房総半島台風)の接近により発生した越波の状況である。台風第15号は8日に非常に強い勢力で伊豆諸島に接近した。その後、強い勢力で9日5時前に千葉市付近に上陸し、房総半島を中心とした各地で暴風等による甚大な被害をもたらした。
伊豆諸島付近で8mをこえる大しけ、東海地方や関東地方でも6mをこえる大しけとなり、太平洋側の沿岸部では、台風に伴う波やうねりが押し寄せた。沿岸部を走行する東名高速道路・由比地区や西湘バイパスでも越波が発生し通行規制が実施された。
越波による海水の流入による影響のほかに、道路上への土砂の堆積や流木・石の打ち上げや、越波防止柵等の設備が破損する場合があり、道路利用者の安全走行の確保など、道路管理における課題となっている。

図 越波の様子(西湘バイパス)と地上天気図(2019年9月8日)
図 越波の様子(西湘バイパス)と地上天気図(2019年9月8日)
図1 越波の様子(西湘バイパス)と地上天気図(2019年9月8日)

以上

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