一般社団法人ダム工学会から 論文賞（Ⅳ類　維持管理部門）を受けました
News2021.06.03

一般財団法人 日本気象協会の道広有理と木谷和大は2021年5月20日（木）、一般社団法人ダム工学会から2020年度ダム工学会論文賞（Ⅳ類 維持管理部門）を受けましたのでお知らせします。

論文賞の内容

○賞の名称
2020年度ダム工学会論文賞（Ⅳ類 維持管理部門）
○受賞業績
「長時間アンサンブル降雨予測を用いた大型台風接近時における効果的なダム事前放流方法の検討」
○受賞者
木戸研太郎（水資源機構）、角哲也（京都大学防災研究所）
道広有理（日本気象協会関西支社　社会・防災事業課　課長）
木谷和大（日本気象協会本社　社会・防災事業部　防災マネジメント課　技師）
※令和2年度ダム工学会賞受賞者［一般社団法人ダム工学会］

ダム工学会論文賞は、ダム工学会が刊行する論文集「ダム工学」及び、これと同等の会誌にダム工学に関わる独創的な論文を発表し、ダム工学における学術、技術の発展に著しい貢献をなしたと認められた本会会員である個人または本会会員を含む団体に対して授与されます。
ダム工学会論文賞の表彰対象となった業績の概要は、2019年台風第19号を例に，大型台風接近時における長時間アンサンブル降雨予測の適用性と効果的な事前放流方法についてモデル解析を行ったものです。長時間アンサンブル降雨予測を用いて総降雨量，必要な洪水貯留量および回復可能量を経時的，確率論的に把握できることが示されました。それに基づき，事前放流の早期開始および降雨予測の変化に適応した放流量設定の考え方を整理し，その算定方法を提案したものです。

＜日本気象協会から＞

本研究で用いた長時間アンサンブル降雨予測（注１）は、頻度バイアス補正と統計的ダウンスケーリング手法により、ダム操作に必要となる高精度かつ高解像度の降雨予測を予測値の幅を持って算出することができました。日本気象協会として、研究成果を高く評価いただき、このように表彰いただけたことは、この上なく光栄に感じております。
日本気象協会は、国立大学法人京都大学と独立行政法人水資源機構の3者共同で、ダムの事前放流の高度化を図る検討を進めています。これは、「内閣府戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第2期 『国家レジリエンス（防災・減災）の強化』」（注２）の研究課題として行われています。本研究はこれらの研究の一環として行われ、成果は弊社の提供する『事前放流判断支援サービス』（注３）にも活用しています。今後も日本気象協会は企業活動や研究活動を通じて得た成果を、社会課題の解決に役立てていきます。

日本気象協会関西支社　社会・防災事業課課長　道広 有理
日本気象協会事業本部　社会・防災事業部防災マネジメント課技師　木谷 和大

＜ご参考＞

注１：「長時間アンサンブル降雨予測を用いた大型台風接近時における効果的なダム事前放流方法の検討」［J－STAGE］
注２：　SIP 第２期「国家レジリエンス（防災・減災）の強化」研究開発項目Ⅵ．スーパー台風被害予測システムの開発［国土技術研究センター］
注３：　ダムの事前放流判断支援サービスについて　https://www.jwa.or.jp/news/2020/03/9451/

以上

PDFダウンロード：【日本気象協会お知らせ】2020+年度ダム工学会論文賞（Ⅳ類+維持管理部門）を受賞