日本気象協会 暑さに関する名称について気象予報士130名にアンケート調査を実施 最高気温40℃以上は「酷暑日」、夜間の最低気温30℃以上は「超熱帯夜」に
Press Release
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は、所属する気象予報士のうち130名に対して実施した、「最高気温が40℃以上の日」、「夜間の最低気温が30℃以上の夜」の名称に関するアンケート結果を8月2日(火)に発表します。
気象庁の予報用語では、日最高気温が35℃以上の日を「猛暑日」、夜間の最低気温が25℃以上のことを「熱帯夜」として定義していますが、日最高気温が40℃以上の日、夜間の最低気温が30℃以上の夜の表現については現在定義されていません。
今回、この2つの名称についてアンケート調査を実施し、「最高気温が40℃以上の日」には「酷暑日(こくしょび)」が、夜間の「最低気温が30℃以上の夜」には「超熱帯夜(ちょうねったいや)」が選ばれました。(※1)
これまで国内で40℃以上を観測したのは、1875年の統計開始から32地点で計67回ですが、この内2001年以降の約20年で59回と、9割近くを占めています。(※2)また、2022年は全国で観測史上初めて6月に40℃以上を観測し、今年の夏も各地で厳しい暑さが予想されています。本アンケート結果をもとに、天気予報専門メディアtenki.jpでは暑さへの関心を高め、熱中症の予防啓発や注意喚起に新しい名称を役立てていきます。
※1「酷暑日」「超熱帯夜」は日本気象協会が独自でつけた名称であり、気象庁が定義しているものではありません。
※2観測精度の向上も40℃以上の観測が増加した要因の一つと考えられています。
【気象予報士コメント】
■天達 武史 気象予報士 (フジテレビ「めざまし8」に出演) どちらもイメージしやすいですよね。特に近年は毎年のように40℃を超えて今年は 6月にまさかの“酷暑日”。暑さの常識が変わってきました。今夏のヨーロッパの 記録的な熱波も他人事ではない気がします。今後災害レベルの 暑さとどう向き合っていくか?冷房が苦手な高齢者の夜間熱中症も心配です。 私達の伝え方も重要ですね。 | |
■奈良岡 希美子 気象予報士 (日本テレビ「日テレNEWS24」、読売テレビ「情報ライブミヤネ屋」、 TBS「Nスタ」に出演) 以前は稀にしかなかった最高気温40度以上というのが、最近では珍しくなくなって きていて、猛暑日以上の表現が必要になってきました。寝苦しい夜も多くなっています。 ただ、「酷暑日」や「超熱帯夜」という言葉が、真夏日や猛暑日、熱帯夜のように 頻発するようにならないことを願います。 | |
■佐藤 公俊 気象予報士 (NHK「気象情報」に出演) 酷暑日は、ひどい意味の酷が入り、危険な暑さを感じます。超熱帯夜は、端的で 分かりやすい言葉です。危険な暑さを伝える際に、新たな分かりやすい名称が 加わるのは、伝え手として有難いです。今後こうした暑さがどの程度増えるかを 注視し、危険を呼びかける表現もよく考え、酷暑を和らげる方法も伝えていければと思います。 | |
■岸本 慎太郎 気象予報士 (「tenki.jp」 YouTubeチャンネルに出演) 「酷暑」という言葉は小学生の頃に学んだものの、「猛暑日」や「真夏日」という 表現があるため、ほとんど使うことがありませんでした。新たに「酷暑日」が 誕生することで、テレビやSNSを通して多くの方に今一度暑さの危険性を意識して 欲しいです。気象予報士として、これからは「酷暑日」や「超熱帯夜」のような暑さを表す新語を用い、暑さへの注意喚起をしっかりとしていきます。 |
他に候補として挙がった表現や、近年の日本国内の暑さの推移、熱中症予防のポイントなど
詳細は「日本気象協会が選ぶ 暑さに関する新しい言葉 ~tenki.jpラボVol.22~」でご覧いただけます。また、天気予報専門メディアtenki.jpでは本アンケートの結果を活用し、気象予報士が日々提供する「日直予報士」等で暑さへの呼びかけを今後強化していきます。
調査概要
【調査対象】日本気象協会所属の気象予報士130名
【調査方法】インターネット調査
【調査期間】2022年7月13日(水)~7月20日(水)
■「tenki.jpラボ」に関して
「tenki.jpラボ」では、より天気に興味を持っていただくことを目的として、天気にまつわる情報と意識調査や気象予報士の知恵、時節にまつわる見解や情報発信を行っており、今回で22回目の発表となります。
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PDFダウンロード:【日本気象協会報道発表】tenki.jpラボ22_日本気象協会気象予報士が選ぶ「暑さに関する新名称」_